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GK指導と選手の成長 ~JFAアカデミー堺 スタッフ通信Vol.15
2020年12月03日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー堺のレポートを担当するのは櫛引実GKコーチです。
今年の指導の留意点
JFAアカデミー堺でGKコーチをしている櫛引実です。今年で5年目になります。
現在、アカデミー堺にはU-13~U-15まで全35名中3名のGKが在籍しています。今回は今年のGK指導の留意点とテーマにしていることを中心に紹介します。
怪我の発生リスクを抑えながらトレーニングでいかにパフォーマンスを上げるか。その為にトレーニングでは今まで以上にウォーミングアップを意識して取り組んでいます。トレーニング以外の食事や睡眠に関しても意識して取り組んでいます。
在籍している3名のGKは各学年に1名ずつで、当然、体格やフィジカル、テクニック、メンタル、ゲーム経験値など違います。その為、同じトレーニングの中でも負荷や回数、求めるものは変わります。
今年はコロナ自粛明けの6月から約5ヶ月間、トレーナーと連携をとり3名の指導に当たりました。その結果、3名とも怪我無く順調にトレーニングで積み上げることができましたが、1名が11月に怪我をしてしまいました。残りの2名は課題を克服し、トレーニングやゲームで成果を上げています。
今年のトレーニングテーマ
『ゲームの中でのテクニックの発揮』を今年のテーマに掲げました。つまり、実戦に繋がるトレーニングメニューを考えています。
トレーニングではフィジカルを中心にすることや、テクニックを中心にすることもありますが、どんな時でもゲームに繋がるように「プレー前、プレー、プレー後」を意識して指導しています。例えば、キャッチングの時でもスタートポジションからコーチの動きに合わせて(観る)、移動(ポジション修正)、構えて(ここまでがプレー前)、実際に蹴られたボールをキャッチ(プレー)。そしてここで終わらずにコーチに、あるいは別のGKにパスして終了(プレー後)になります。全体練習で担当コーチにGKがキャッチした後フィードまでをトレーニングに入れてもらうように要求することもあります。このようにゲームに繋がる良い習慣を身に付けるように心がけています。
更に、ゲームで発揮するテクニックを考えた時に『コーチング』が重要であると常々感じていましたが、今年はそこにもフォーカスしてミーティングをしました。
GKにとっては5つの局面があると言われています。『ブレイクアウェイ』『クロスの対応』『シュートストップ』『ディストリビューション』『パス&サポート』で、前の3つが守備で後の2つが攻撃で、アカデミー堺では分けてトレーニングしています。(守⇒攻⇒守への切り替えを複合的にすることもしばしばあります)
ミーティングでは、これら5つの局面でボールの位置や相手の状況から何を観て考え、何をどのタイミングで味方に伝えるのかをそれぞれ書いてもらい、それを面談してフィードバックしました。
このミーティングをしてから、ポジション修正や観る所やコーチングの質に関しては、3人共かなり良くなったと思います。
その他にも自分たちの試合の映像やトレーニング映像を観たり、JFAのテクニカル映像を観たり、現場でのトレーニングとの関わりを理解させながら、この年代に必要なテクニックが身に付くようにしています。
今後の成長
このようにサッカーだけでなく、グラウンドだけでなく、様々なこと(JFAプログラム含む)を、各スタッフで連携をとりながら選手の成長を促せることが、アカデミー堺の良さであり、特徴だと思っています。
成長のタイミングは個々で違いますが、3学年共に入校当初からは確実に成長しています。ただ、至らない点はまだまだ数多くあり、皆様の支えは今後も必要ですので、我々スタッフともども今後の選手の成長を暖かく見守っていただければ幸いです。
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