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JFAアカデミー福島の学習についての考え方 〜JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.32

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2020年08月17日

JFAアカデミー福島の学習についての考え方 〜JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.32

JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島男子のレポートを担当するのは総務の芝脩希さんです。

学力レベルの現状

JFAアカデミー福島男子で主にJrユース年代(中学生)を担当している芝です。
3回目の寄稿となりますが、前回vol.15【ジュニアユースの寮生活について】、前々回Vol.12【ジュニアユースの日常生活について】では、日常生活や寮生活について紹介しましたので、今回は学習にフォーカスを当てて紹介したいと思います。

現在アカデミー生が通う公立中学校は、1学年約200名程度の編成で、定期テスト毎に学年内の順位が出てきます。分布としては、学年で1桁順位の選手もいれば、下位10%に入ってしまう選手もいるように順位にばらつきがみられます。また学年間でも上位層が多い学年、逆に下位層が多い学年とばらつきがみられます。
今回はなぜ学年間で差が出るのか、また成績が良い選手と悪い選手で何が違うのかをお話ししたいと思います。

学習に対する集団意識と選手間の競争

我々は選手たちに自立することを常に求めていますが、やはり中学年代の発展途上の選手たちは周りに影響されやすい部分があることは否定できません。ましてや寮生活を送っていると、学年単位での活動が多くなり、選手たちの属する「社会」が非常に狭くなるため、集団が個人に与える影響はより大きくなってしまいます。
そのため、勉強にあまり熱心でない選手が多い学年は、勉強熱心な選手までもその影響を受けてしまい、結果として学年全体の学力低下を招きます。一方で勉強熱心な選手が多い学年は、熱心でない選手もその選手たちに影響され、熱心に取り組むようになります。
そう考えると、周りに影響されることは必ずしも悪いことではありません。プラスの集団意識はその集団全体をより良いものへと発展させるからです。アカデミーでは寮生活を活かし、様々な場面でこのようなプラスの集団意識を生むことを大切にしています。
また、アカデミー生は競争が大好きな選手たちですので、過去の自分との比較も大切ですが、他者と比較することによる競争心を用いて勉強に取り組ませることも有効な手段です。しかしこれらは、選手たちが勉強に取り組み始めるキッカケに過ぎず、最終的には自分自身で自立して学ぶ姿勢を持つことを目標としています。

サッカーと学習の両立について

サッカーだけでなく、様々な活動(部活動や習い事)と勉強の両立は永遠の課題だと思います。言い換えると、「したいこと」と「しなければならないこと」の両立だと言えるかもしれません。
しかし、常に両方で100%の力を発揮することは難しく、それを意識するあまり、両方で力を発揮できないということも起こり得ます。サッカーに取り組むエネルギーは勉強に取り組むエネルギーに換えることができます。そのため常に2つを頑張るのではなく、メリハリをつけることが大切です。イメージ的には、両方ではなく、片方ずつ頑張るというイメージです。
成績が良い選手は、そのメリハリをつけるのがとても上手いと感じます。例えば大事な試合前などは気持ちがサッカーに傾くので、アカデミーで決められた最低限の時間(平日1時間)しか勉強していません。また取り組んでいるときの集中力もそれほど高くないと感じます。しかし、定期考査の前になると規定時間以上の勉強時間(平日2〜3時間、休日では6時間程度)を確保し学習に取り組んでいます。この時の学習は自主的なものとなるため、集中力もより高く維持できているようです。この例のように、「今優先するべきは何か」を理解している選手は、成績が良い傾向にあります。
アカデミーではこういったメリハリをしっかりとつけるように選手に伝えています。そのため、メリハリがなく学習が常に疎かになっている選手には厳しく指導します。

学習を重視する意味

なぜ我々が学習を重視するかというと、選手たちに学力はもちろん学習の過程で身につく、問題発見力、論理的思考力、応用力など様々な能力を習得して欲しいからです。これらの能力はサッカーにはもちろん、我々が目指す「エリート」(社会で活躍するリーダーや先駆者、社会に対する責任を果たす存在)には必須の能力だと思います。
ただし、中学生の選手たちにはスケールが大き過ぎて、勉強をする意味がピンとこないかもしれません。そのため、選手には身近な問題として、学力によって自分の選択肢を狭くする状況を作り出すのは良くないと伝えています。特に14期生以降(現中学2年生以降)は3年プログラムのため、ユース年代(高校年代)での活動チームは自分で探さなければなりません。そういった時に、サッカー以外の部分で自分の進路の可能性を狭めることはあってはならないことだと考えています。

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