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新型コロナウイルスによる活動自粛期間とその後のコンディショニングサポートについて ~JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.31

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2020年08月13日

新型コロナウイルスによる活動自粛期間とその後のコンディショニングサポートについて ~JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.31

JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島男子のレポートを担当するのは安藤貴之トレーナーです。

帰省中の自己管理意識

JFAアカデミー福島ユースアスレティックトレーナーの安藤貴之です。今回はコロナウイルスによる活動自粛期間とその後のユース選手に対するコンディショニングサポートについてお伝えしたいと思います。

JFAアカデミー福島はコロナウイルス感染状況の悪化により4/18~5/24の期間が活動停止(全選手帰省)となりました。帰省期間中は選手たちには屋外での活動を自粛させ、屋内で行える自重トレーニング(体幹や股関節、スクワットなど)を中心に取り組んでもらいました。また、体調管理意識とコロナウイルス感染対策を継続するためにOne tap(㈱ユーフォリア社製)のコンディション管理ツールを用い、日々の体温(起床時、夕食前)、体重、起床時心拍数などの数値を入力することで自己管理意識を促しました。(図1)

図1:One Tapによるコンディショニング管理

帰寮時のフィジカルコンディション評価

活動停止期間が約1ヶ月程あったこともあり、帰寮後、体組成測定とフィジカル測定(Yo-Yo test:間欠性回復力テスト Level2(図2))を行い、活動停止期間中のフィジカルコンディションの変化を確認しました。帰寮前後の体組成のデータ変化(平均±標準偏差)は、体重(㎏)0.52±1.14、体脂肪量(kg)0.18±0.99、筋肉量(kg)0.34±1.12、体脂肪率(%)0.18±1.47であり、自粛中に活動量が減少したにも関わらず体脂肪量よりも筋肉量の増加が大きくなっており、予想に反する結果となりました。
しかし、フィジカルテスト(間欠的持久力)では、前シーズン終盤と比較し20.37%の低下を示す結果となりました。これらの結果は、活動量が低下しても食生活の調整や自重トレーニングによって筋肉量の維持・増強、体脂肪の増加をある程度コントロールできるということを示しているのかもしれません。また日々のコンディショニング管理による体調管理意識もそのような結果に反映されているように思います。
一方、間欠的持久力が低下したことについては、有酸素能力や筋持久力といった持久的な運動能力は、実際に体を動かすことで刺激される能力であり、これには屋外での運動、特に中・長距離のランニングやダッシュ、ターンなどのスピード、方向転換走といった運動刺激の欠如が関与しているものと考えます。
このように測定から得たデータを元に自粛期間中の活動状況や全体コンディションの傾向を読み取り、傷害予防やコンディションの調整を行いました。

図2:Yo-Yoテスト(間欠性回復力テスト:Intermittent Recovery Test Level 2)
①CDから流れるシグナル毎に20mをランニングで移動(ターンして戻る)
②5mをジョギングで往復(10秒間)
*Level2テストは13km/h(2×20mを11秒)から開始
シグナルとシグナルの間の時間が短くなることでインターバ ルのスピードが増加
*シグナルの間隔で走れなくなった時点で終了

コンディション評価結果を踏まえた中での対応

フィジカルコンディションの評価結果を踏まえ、その後の2週間はトレーニング前にシャトルランニングなどの往復持久走を取り入れました。その結果、帰寮時から40.57%の持久力上昇(昨シーズン終盤よりも11.78%増)が見られ、この成果があってかトレーニング再開から約1ヶ月においても練習を離脱するような怪我の発生は見られませんでした。再開1ヶ月後よりゲーム形式のトレーニングや対外試合が組まれていますが、2ヶ月後の時点でも練習からの離脱を伴う傷害はわずか2件(いずれも外傷)に留まっています。

今後の対応

9月からは公式戦が予定されていますが、今後も様々なデータを分析、活用しながら、障害予防やより良いコンディション構築への対応を継続していきたいと考えています。

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