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アカデミー今治 トレーナーの視点から ~JFAアカデミー今治 スタッフ通信Vol.2
2018年09月13日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。
今回JFAアカデミー今治のレポートを担当するのは、松本小葉トレーナーです。
トレーニングにおける傷害予防
JFAアカデミー今治2回目のスタッフ通信を担当します、アスレティックトレーナーの松本小葉です。JFAアカデミー今治が開校した2015年4月より勤務し、今年で4年目になります。今回は、JFAアカデミー今治での傷害予防の取り組みについてご紹介いたします。
まず、ウォーミングアップの目的として、パフォーマンスの向上とトレーニングの効率化、外傷・障害の予防などがあげられます。特に試合やトレーニングでのパフォーマンスを向上させるためには、事前に心身の準備を行うことが大変重要です。そのため選手たちには、トレーニングは常に100%の状態で臨むこと、またそのために必要な準備(身体、気持ち、道具など)を行うことを求めています。
トレーニングでは毎回、初めの15分程度を利用して、傷害予防のトレーニングを行っています。体幹を安定させ、バランスや可動性、安定性を高めるためのダイナミックストレッチ(ムーブメントプレパレーション)や、トレーニングマッチなどゲーム前にはFIFA 11+(ウォームアッププログラム)に取り組んでいます。その他にもコアエクササイズやスクワット動作など、学年ごとの課題や習熟度に応じて段階的に負荷を上げながらメニューを作成しました。身体づくりの土台となる正しい姿勢、正しいフォームの獲得を目指すためには、こうした基本的な動作を継続して積み重ねることが重要です。
トレーニングと次のトレーニングメニューまでの間には、水分補給と併せてアジリティトレーニングを実施しています。一瞬の瞬発力や鋭い方向転換能力、正確な判断力を養うのはもちろんですが、フィジカルトレーニングで取り組んでいるコアやパワーポジションの意識、習慣化も狙いとしています。また中学生年代は持久的パフォーマンスが獲得されやすい年代であることから、ジョギングでの移動後すぐにラダートレーニングを実施し、1日のトレーニングの中でも3~4回のラダーを実施することができます。
セルフコンディショニング
育成年代では、成長期に特有のスポーツ障害(オスグッドや腰椎分離症など)が多く発生します。そのためトレーニング後には、傷害予防のためのケアが欠かせません。疲労回復や柔軟性の向上を目的としたストレッチやアイシング、セルフマッサージなど自分でできることは自分で行えるよう、セルフコンディションの取り組みを重視しています。
JFAアカデミー今治では中学校を下校後、トレーニングで使用するグラウンドまでは往復バスでの移動となります。限られた時間を有効に活用するため、トレーニング後の全体でのストレッチに加え、帰りのバス内でのアイシングや可能な範囲でのセルフマッサージなど、ケアの時間として意識的に取り組む姿が徐々にみられるようになってきました。
育成年代においてコンディショニングの必要性を理解し、自発的に取り組んでいくことは容易なことではありません。「決められた」「やらされている」形だけのコンディショニングになるのではなく、選手自らが考え、自分の身体と向き合うことが大切です。自分自身でコンディションを整えられる能力と習慣を身につけることで、いつでも良い状態でプレーができるコンディション作り、ケガをしにくい身体作りを目指していきたいと思います。