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自立するためのステップ ~JFAアカデミー福島男子EAST スタッフ通信Vol.4

2022年01月12日

自立するためのステップ ~JFAアカデミー福島男子EAST スタッフ通信Vol.4

JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島男子EASTのレポートを担当するのはGKコーチの阿部陽輔さんです。

ゴールキーパー(GK)に求められるもの

GKは様々な面で特殊なポジションであり専門性が要求されます。近年では海外でも活躍する日本人GKが増え、確実にレベルが上がってきています。今回はそんなGKに焦点を当てご紹介します。
守備における最後の砦であるGKを構成する要素は、心理面、社会性、技術面、戦術面、フィジカル面といったもので構成されており、世界で活躍するGKになるためには多くのものを習得しなければいけません。それに加えJFA GKプロジェクトのテクニカルアドバイザーであるフランス・フック氏は、「良い選手」の前提条件としてTADC(Talent:才能、Ambition/Drive:向上心/意欲、Discipline:規律、Coachable:指導を受け入れる)という4要素を提示しています。それらを土台として現在私が担当しているU-13年代の技術面では、シュートストップ、クロス、ブレイクアウェイ、ディストリビューションといったGKの基本的なテクニックを徹底させることに重きを置き、さらに1日も早く「良い選手」になれるようピッチ外の部分も指導しています。発育・発達には個人差があり、各年代によって習得しておきたい技術が増えていきますが、特に中学生年代では安定した土台の形成が不可欠となります。

言動に責任を持つ

GKは重要なポジションであるが故に大きな責任を背負い、仲間からの信頼を得ることが重要です。したがって、自分の言動に責任を持つことが必然的に求められます。その一環として、秋口から試合前のウォーミングアップ(W-up)の際、GKの1人に時計を渡し試合までの時間の管理からウォーミングアップのメニューに至るまで選手に一任しています。さらにセットプレーの守備布陣の確認からフィールドプレーヤー(FP)への伝達までも選手が行っています。GKコーチである私は最低限のサポートをするに留めています。もちろん試合に勝つことは重要なことです。しかし今彼らに必要なことは、全くミスがない完全試合をすることではなく、大小多くの失敗から学び自分の力で課題を解決していく能力を養っていくことだと考えています。

GKだけがサッカーじゃない!

ポジションがGKだからといってGKだけのトレーニングをすれば良いというものではなく、足元のテクニックやFPとの関わりを疎かにすることはできません。したがって,全体トレーニングのW-upセッションのパス&コントロールやポゼッションといったメニューに参加しFPと一緒にトレーニングしています。さらに、公式戦にもFPとして出場し違ったポジションをやることで俯瞰的にGKを捉えるとともに、サッカー本来の楽しさを実感してもらっています。

プレー分析

自分のプレーを客観的に評価することはサッカーに関わらず非常に大切なことです。みなさんが普段ご覧になっているサッカーの試合映像では主にボールを中心としたカメラワークでGKが見切れてしまうことが多くあります。JFAアカデミー福島では試合の際はGK専用カメラを設置し、スタッフ通信Vol.1で池内監督が述べていたように、「観る」「分析」「判断」「実行」というサイクルを基にプレーの細かい分析を行っています。

最後に

JFAアカデミー福島における選手達のサッカー・人間的成長を見守ることができる日々は大変充実したものとなっています。しかし、非常に多感且つサッカーにおいても重要な時期である選手を受け持つ責任はとても大きいものです。「指導者は選手の未来に触れている」という言葉がありますが、私自身も指導者としてのTADCを心がけ、選手と一緒に成長していきたいと考えています。

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