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【SPECIAL】プロジェクトの創始者、川淵三郎キャプテンにインタビュー~JFAこころのプロジェクト立ち上げから20年
2026年04月07日

JFAこころのプロジェクトは検討を開始してから20年を迎えます。プロジェクト創始者である川淵三郎キャプテンにこれまでの歩みや展望を聞きました。
※JFAこころのプロジェクトの詳細はこちらを参照
プロジェクト立ち上げの経緯
プロジェクトを立ち上げたのは今から20年前、子どものいじめや自殺が社会問題になっていたときで、いじめをしない・されない強い子どもを育てるのにサッカーにもできることがあるはず、という思いで検討を開始しました。それに僕としても、JFAは、「人々の心身の健全な発達に貢献」することを理念に掲げているのに「心身」の「心」の領域に踏み込んでいない。そのことについて忸怩(じくじ)たる思いを持っていたんですよ。でも明確なアイデアがあったわけじゃないの。試合であった感動的なエピソードやフェアプレーの事例などを伝える感じかなと思ったけど、それだけじゃ強烈なインパクトを与えるのは難しいなと…。
集められたスタッフたちも「心」という壮大なテーマに戸惑い、なかなかテーマを見いだすことができなかったんだけど、田嶋(幸三/当時、JFA専務理事、現、名誉会長)が「“夢があるから強くなる”の“夢”をテーマに何かできないか」と発言したことで、行き詰まっていた議論に光が差した。それで一気呵成に具体的な内容が構築されていったんだよ。そして、トライアルの過程でいろいろ新たなアイデアが出され、今の「JFAメソッド」が確立されたんだね。

「子どもたちの心身の成長に寄与する」ことを目的として2006年2月に立ち上がったプロジェクト。
そのテーマは「夢」。2007年に本格的に授業がスタートした
アスリートらの半生から、夢を持つことの素晴らしさを知る
華やかに見えるトップアスリートだけど、子どもの頃にいじめに遭ったとか、大けがや戦力外通告に苦しんだといった赤裸々な体験談は子どもたちに大きな衝撃を与え、誰一人として私語を交わす児童はいなかった。それを見て僕は「このプロジェクトは成功する」と確信したね。
この20年の間には東日本大震災や熊本地震、能登半島地震など大きな災害やコロナ禍など大変なことがありました。壮絶な経験をした子どもたちにどう接するのか、専門家にも相談して進めていったけど、スタッフも夢先生も皆が真剣に子どもたちに向き合ってくれていたおかげでその心配は杞憂(きゆう)に終わった。
20年が経過し、ここにきて大人の「夢の教室」や「ゆめのたねの教室」、フリースクールでの実施など対象の範囲が広がっているのは、長年の経験値だけでなく、プロジェクトの歴代リーダーの揺るぎない信念と、使命感を持って取り組んでいる夢先生や関係者たちの存在があるから。今年2月に発行した『JFAnews』(502号)でこころのプロジェクトを特集しているけど、夢先生らが子どもたちために、悩みながらも責任と使命感を持ってやっていることが分かる。それに、彼らも子どもたちから学びや勇気を得ているんだよね。
夢先生たちには「慣れないでほしい」と言ったんだけど、彼らは「一期一会の授業」だということをしっかり認識し、子どもたちに真摯(しんし)に向き合ってくれている。それは、夢先生だけでなく、アシスタントもディレクターらもそう。僕としては本望。本当に頭が下がる思いですよ。

夢の教室は「ゲームの時間」と「トークの時間」で構成。
ゲームの時間では体を動かすことの楽しさや仲間と協力することの大切さを伝えている
JFAこころのプロジェクトのこれから
今、不登校の児童生徒数は2024年度で過去最多の35万人を超え、2024、2025年の小中高生の自殺者数は532人(暫定値)と、統計のある1980年以降で最多となった。子どもたちを取り巻く環境は悪化の一途をたどっているよね。国や教育機関はそれなりに策を講じているんだろうけど、6%を超える不登校児童生徒がいることに対して動きが遅過ぎると思いますね。彼らに寄り添える人材をもっと育てるべきじゃないかと。
道徳心とか倫理観、相手を思いやる心は、人間が生きていく上での土台となる。夢先生やスタッフたちはそういうことに対して心を砕き、大切なことを子どもたちに伝えている。

夢先生はサッカー関係者やアスリートに限らず、芸能や文化人、技能五輪選手などその幅は広がっている。
写真は2025年12月に夢先生を務めた現役プロ野球選手の入山海斗選手(オリックス・バファローズ)
この授業には不登校の児童も出席してくれているんだけど、授業を受けた子どもたちから、「学校に行けるようになった」「自殺しようなんて思わなくなった」といった切実かつ前向きな感想が寄せられている。大人の「夢の教室」を受けた人の感想を見ても「抱いていた夢に向き合おうと思った」「人生を見直す機会になった」など、大人の心をも動かしているんだよね。
不登校の理由はいろいろあって、画一的なやり方では対応しきれないとは思うけど、それでもこころのプロジェクトなりの救済の在り方やベーシックなメソッドを開発していく余地はあると思っている。
一方の大人に対してだけど、いま、ハラスメントリスクを過度に恐れるがあまり、学校の先生も管理職クラスも注意や叱ることに萎縮しているよね。それでは人は育ちませんよ。だから、大人の夢の教室ではそんなことをテーマにするのもいいんじゃないかなと思っている。そういったことが、今後の新たな挑戦になるんだろうね。
人としてどうあるべきか、どう生きるべきか——。夢を持つことで考え方が変わり、行動が変わり、人生が変わる。それを紡いでいくのが夢の教室。例え、1%、いや0.1%でもいい、この夢の教室をきっかけに一歩を踏み出せる子どもがいるとしたら、このプロジェクトをやり続ける価値がある、そう強く思っています。

「夢の教室」を当初から温かく見守る川淵キャプテン。
「夢の教室」実施回数は約25,000回、参加児童生徒数は約73万人を数え、その輪は全国に広がっている
(JFA相談役)
JFA機関誌「JFAnews」2026年2月号ではJFAこころのプロジェクトを特集しました。
https://req.qubo.jp/jfa_coach/form/entry
https://x.com/JFA/status/2023999341812478391?s=20
ムゲンエステート社員向けに大人の「夢の教室」を開催!
https://x.com/JFA/status/2034533622984712257?s=20
【SPECIAL】つなぐ夢のバトン~JFAこころのプロジェクト
https://www.jfa.jp/special/special_news/news/00033755/
大人の夢の教室
https://x.com/JFA/status/2034533622984712257?s=20
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「SPECIAL」とは:
サッカーに、代表に、JFAに、もっと興味を持ってもらいたい。JFA.jpがお届けするスペシャルコンテンツ。
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