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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(3月)

2015年04月08日

[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(3月)

3月12日、宮城県石巻市の渡波スポーツ少年団のトレーニングを視察しました。同少年団は、万石浦小学校のグラウンドを利用して練習しています。震災の際、同小学校の体育館は津波によって損壊。その後、改修工事が行われ、昨年10月から使えるようになりました。グラウンドは他競技の団体も利用しますが、体育館が復旧したことで雨天の時や日暮れが早い冬場に利用できるようになったと、指導者の皆さんは喜んでいました。

6年生が卒団し、新しいチームで行われたトレーニング。基本技術の反復トレーニングから3対1のポゼッションが行われました。最後にゲームが行われ、私も一緒にプレーさせていただきました。中には初めてサッカーをプレーする子どもいましたが、みんな懸命にボールを追っていました。

石巻地区は体育館でトレーニングしているチームも多く、卒業式や入学式が行われるこの時期はなかなか体育館を使わせてもらえません。グラウンドなどの施設整備が待たれますが、それでも体育館が復旧したことでスポーツ活動は大きく前進したといいます。
                                     
同14日は、福島県いわき市のスパ・リゾートハワイアンズのラピータで行われた「第2回いわきフットボールカンファレンス」に出席しました。カンファレンスでは、NPO法人いわきサッカー協会の事業報告、各カテゴリーの大会やトレセン活動の報告、食育セミナーなどが行われ、私も「リーグ戦における選手育成の考え方」というテーマで講演させていただきました。終了後の懇親会では、いわきサッカー協会の花田邦城会長をはじめ、コーチの皆さんと選手育成やリーグ戦などサッカー談義に花を咲かせました。懇親会には、NPOドリームサッカー相馬のスタッフ2人と他の地区の関係者も参加。福島県の意識の高さがうかがえます。

17~18日は岩手県大槌町へ。同町の大槌SCは、2~3年生が勤労者体育館で、4~5年生が大槌町役場の体育館でそれぞれ分かれてトレーニングをしていました。私は4~5年生の練習に参加し、一緒に基本トレーニングをした後、守備の練習から1対1+GKの対人トレーニングを行いました。子どもたちは限られた時間の中で積極的にトライしてくれました。

大槌町の寺野地区には小学校・中学校の仮設の合同校舎があります。近い将来、沢山地区にある大槌高校のグラウンドに移設して小中一貫校を創設することになっており、現在、その建設工事が進められています。大槌高校のグラウンドは、大槌町で唯一サッカーコートが一面取れる広さがあります。

中学と高校の部活動は現在、北小地区のキラリ福幸商店の隣に設けられた仮設グラウンドで行われていますが、栄町にも仮設の多目的グラウンドを造成中です。2019年には赤浜地区新町に多目的グランドを復旧させることになっており、完成後は栄町の仮設グラウンドは撤去されるそうです。せっかくできたグラウンドがなくなるのはもったいないと思うのですが・・・。

18日は、大船渡三陸シーガルが練習している大船渡市の市民体育館へ足を延ばしました。17時から始まった練習は、鬼ごっこからパス&コントロール、1対1の対人からゲームまで行われ、子どもたちは2時間みっちり頑張ってくれました。練習後の指導者との懇親会では、仮設住宅や2種(高校)、3種(中学)の練習環境の状況など聞くことができました。

大船渡港も防潮堤建設や嵩上げが着々と進んでいますが、復興公営住宅も決まっていない状況で、まだまだ時間がかかるとおっしゃっていました。

26日には、15時から岩泉高校サッカー部のトレーニングを視察しました。パストレーニングでは基本の大切さ、ポゼッションでは常に判断することを求め、ラストはゴール前の攻防でS+3対3+GKを行いました。選手も明るく元気に取り組んでおり、2時間はあっという間に過ぎていきました。

18時からはグリーンピア三陸みやこの多目的アリーナへ。ここで行われているデルフィーレ田老のトレーニングに参加しました。私は、デルフィーレ田老OBの選手に対して守備を指導しました。田老第一中学校のサッカー部に籍を置くOB選手は、スクールバスを利用している都合上、練習時間が限られており、トレーニングの絶対量が不足しています。選手たちはもっと練習がしたいと、スポーツ少年団の練習に参加して励んでいるそうです。

28日は山田町大沢地区山谷にある総合運動公園に行き、9時半からの山田ベルエーニのトレーニングに参加しました。コーディネーション、ドリブルワーク、3対3+4ゴールのゲーム形式から最後はシュート練習。気温も20℃まで上がり、子どもたちは熱心な指導の下、2時間半にわたって汗を流しました。

練習後は、山田ベルエーニ代表の倉本收郎氏に案内していただき、役場の屋上から山田町を一望しました。山田町は、「被災地で復興が一番遅れている地域」(倉本氏)で、現在、嵩上げ工事中。盛土が落ち着いてから商業施設や住宅地を建設するため、まだまだ復興には時間がかかるということでした。

防潮堤に囲まれていたこの町では、現在、9mの防潮堤工事も進んでいます。着工にあたって、景観を損なうなどのクレームはなかったそうです。震災から4年が経ち、公営住宅完成を待ちきれずに内陸部に家を構えたり、賃貸物件へ引っ越して行く人も出てきて子どもが減少しているとのこと。少子化のこの時代に震災も影響して、多くのチームが存続の危機にさらされ、指導者の方もチームの合併など様々な対応を考えていかなければと危惧していました。

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