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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(10月)
2015年11月10日
10月1日、Jリーグホームタウン会議に出席しました。Jクラブの皆様に対しては、これまでの東日本大震災へのご支援に対する感謝を述べるとともに、被災地の復興は道半ばであることを伝え、今後も「忘れない、風化させない」よう東日本大震災の支援を継続していくことを確認しました。
3日は、第3回チャイルドカップ2015 U-8/U-10フットサル大会がスポパーク松森フットサルプラザで開催されました。宮城県の復興を盛り上げようと2013年にスタートした大会で、石巻FCファンタジスタ、マリソル松島、多賀城FC、荒浜ジュニオールFC、FC ACE、玉浦サッカースポーツ少年団、仙台中田スポーツ少年団、なかのFC、SK SCの9チームが参加、3ブロックに分かれてリーグ戦を行い、優勝を争いました。子どもたちの真剣なプレーと保護者らの熱い応援が印象的でした。
翌4日は岩沼市陸上競技場で行われた岩沼市長杯を訪れました。復興が早く進んでいると思っていた岩沼市ですが、同競技場の周りには未だ仮設住宅があります。同競技場の駐車場スペースだった東側とクレーグラウンドだった北側には津波の被害を受けた人々が地区ごとに分かれて居住、南側は県外から避難されてきた人たちの住宅になっていました。公営住宅への移住も地区ごとに決まっているそうですが、経済的理由などによって引っ越しができない人もいるようです。スポーツ少年団の関係者は「グラウンドだけでも使えるようになればいい」と話していました。
この日の午後に荒浜ジュニオールFCが仙台市内の2チームを招へいして亘理町の中央児童館のグラウンドで対抗戦を行うというので、そちらに出向きました。同チームの菊池彰宏監督は「震災から4年7ヶ月、感謝を忘れたことはない」と話しており、震災の際にお世話になったチームに『恩返しがしたい』とフェスティバルを企画。それが、翌週の11日、12日に開催されることも決まりました。
9日はなかのFCの練習を視察しました。18~20時、鶴巻小学校グラウンドで行われたトレーニングで、私は5・6年生を指導させてもらいました。S+4対4+4ゴールのライン通過と7対7のゲームを行い、子どもたちの元気で積極的なプレーを見ることができました。
14日は、福島県いわき市のいわき地区U-11/U-12トレセンへ。いわき地区トレセンは2015年の後期から南北に分かれて開催されており、私は南地区のトレセンを訪れました。会場は小名浜西小学校グラウンドで、時間は19~21時の2時間。U-12は「ポゼッション」をテーマに、ユース育成ダイレクターで、JFAアカデミー福島(男子)のサブスクールマスターも務める中田康人氏が指導しました。U-11は私が担当し、「パス&コントロール」を主題に、トライアングルパスから4対2、1+5対5+4サーバーでパス&コントロールの質とオフ・ザ・ボールの時の関わりなどを確認、最後はゲームで締めくくりました。
15日は、広野町サッカー場で行われている双葉未来学園のサッカー部のトレーニングへ。東北ユースダイレクターの山崎茂雄氏が同学園の部活動をサポートしており、この日も、これまで山崎氏が指導してきた「守備の改善」に重きをおいて練習していました。春先に見た時よりもだいぶ上達していて、生徒たちも生き生きと練習しており、充実感が伝わってきました。
21日は、JFAアカデミーの女子の統括ダイレクターで、女子ナショナルトレセンコーチのチーフを務める大野真氏と共に相双地区U-13/U-14トレセンを指導しました。「ビルドアップ」をテーマに掲げ、パス&コントロール、ポゼッション2S+2対2+1対1、ゲーム形式2S+6対6+6ゴールで、ゲームまで行いました。日常から意識して取り組むことの大切さを感じました。終了後に催された地区トレセンスタッフとの懇親会では育成の話などで盛り上がり、有意義な会になりました。
22日は仙台市若林区のおきのサッカースポーツ少年団を視察しました。練習場の沖野小学校グラウンドは震災避難者の駐車場になった場所です。公式戦などで使用していた海浜公園は津波によりなくなり、ニッペリア(若林日辺グラウンド)は仮設住宅になりました。これから始まる全国大会予選ではこの沖野小学校も会場として使用されますが、指導者の方は「全少予選は(もっと)良い環境で試合させたかった」と、複雑な思いを語っていました。
24日は、宮城県仙台市で開催された地区3種U-13/U-14トレセンマッチで指導者講習を行った後、子どもたちを指導しました。「どこかで見たような顔だな」と思いながら指導していたところ、一昨年、昨年と岩手県陸前高田市の高田FCで指導した少年でした。皆と仲良くサッカーに取り組んでおり、嬉しく思いました。
28日は19時から平第四小学校グラウンドで行われたいわき地区北部U-11/U-12トレセンへ。14日の南部地区トレセンと同様のメニューで行い、U-12の指導を、前述したユース育成ダイレクターの中田氏が務め、私がU-11を指導しました。子どもたちは意識高く取り組んでおり、変化が見られました。北部地区トレセンスタッフとの懇親会では復興の進み具合など、情報交換することができました。
29日は宮城県石巻市向陽小学校で行われた蛇田FCのトレーニングを視察。4~6年生はグラウンドでトライアングルパス、4対2、ゲームを行いました。3年生以下は体育館でのトレーニング。蛇田FCの子どもたちは積極的で元気でした。向陽小の体育館も震災で被害を受けましたが、既に建て直され、皆さん快適に使っているようです。
30日は東北ユースダイレクターの山崎氏と共に福島県の会津地区U-11/U-12トレセンに伺いました。この日はあいにく雨のため、会場をサントスアリーナに変更。広さはフットサルコート一面弱の体育館のため、U-11はパス&コントロールと4対2、そしてゲームを、U-12はシュート練習とゲームというメニューで練習しました。1時間の短い練習でしたが、どの選手も意識高く取り組んでくれました。
10月の最後は岩手県陸前高田市へ。今年4回目の開催となった早稲田カップ(上長部グラウンド)を視察しました。参加チームは8チーム。岩手県からは高田FC のA・BチームとFCサンアルタス大船渡、鬼柳サッカースポーツ少年団、和賀FC、江釣子FC。宮城県からは、なかのFC、石巻FCが参加しました。この大会は、早稲田大学ア式蹴球部とアディダスジャパンの協力を得て開催されており、高田FCの白江威晴監督はその支援に感謝しきりでした。また、早稲田ア式蹴球部の学生がコーチをしてくれるので、子どもたちはとても喜んでいるとか。高田市、大船渡市のサッカーチームや高田高校のサッカー部も同蹴球部チームが試合の相手をしてくれるのでいつも楽しみにしているそうです。震災を機に継続して開催されているため、地域では欠かせないイベントになっており、白江監督も「今後も継続していただきたい」と話していました。
子どもたちの笑顔あり、悔し涙あり。そして、子どもたちのプレーに一喜一憂しながらも温かく見守る保護者らの眼差しが印象的でした。
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