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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(3月)
2014年03月23日
大槌町役場(旧大槌小学校)
3月6日(木)に岩手県大槌町を訪れ、大槌サッカークラブ・ジュニアの練習を視察しました。大槌サッカークラブ・ジュニアの視察は今回で3度目です。
同クラブは、震災後に大槌FC、大槌SC、吉里吉里が合併してできたチームです。3チームが合わさったチームですので指導者の人数は充実しているのですが、他の被災地同様に練習場が思うように確保できません。震災後、小学校と中学校が併設された仮設校舎のグラウンドを少年野球と分けあって使用していますが、少年用のサッカーコート1面少々の広さしかなく、照明も校舎側だけ設置されており、暗くなると反対側にはその明かりが届きません。現在は、Jリーグの支援で設置された簡易照明を併用し、不便を感じながらも頑張って活動しています。当分は、この環境が変わることはありませんので、照明の向きを変更するよう役場にお願いし、また、校舎の反対側にも照明を設置していただくよう要望しています。
冬場や雨天時は、仮設校舎近くの勤労者体育館(バスケットコート1面強の広さ)を使用していましたが、バスケットコート一面ほどの広さしかないため、十分な活動ができませんでした。それでも、今年からこの大槌町役場体育館(旧大槌小学校体育館)を使用できるようになりましたので、予約制のため制約はあるものの、練習場が増えたことは大変喜ばしいことだと指導者の皆さんもおっしゃっていました。
小学生への支援が優先されるため、中学生への支援が後回しとなっていることから中学生の運動量の低下が問題になっていると聞きました。震災前には、全国平均をかなり上回っていた大槌中学校の生徒の体力測定結果も、震災後には平均値を下回り、運動機会の減少が如実に数字に表れたようです。学校の体育の授業も、バスケットコート1面分しかない勤労者体育館で、50~60人もの子どもたちが一斉に行っているそうです。
大槌町の夏は、元来、海水浴やビーチサッカーが盛んですが、きれいに清掃しても瓦礫が漂着するため、震災後は海水浴ができない状態になっています。
現在、市街地の道路は、嵩上げ工事などが進んでいます。海岸には14メートルの防潮堤が建設されることが決まったそうですが、防潮堤にはまだ見つかっていないご遺体がある可能性があり、また、海とともに生きてきた地元の人々にとっては、景観が損なわれることも承服しがたく、反対意見も多かったようです。
町役場はもともと大槌小学校の校舎だったため、屋上にプールがあります。そこで、少しでも運動できる場所を増やそうと、今年の夏にはそのプールを開放するよう要請するそうです。また、5年後には運動施設として野球場(スタジアム)と多目的広場、フットサル場の建設も計画されています。
今回、大槌町を伺ってみて感じたことですが、最初に訪問した時と比べると少しずつではありますが、設備は改善されてきており、また、選手が伸び伸びサッカーをしていると感じました。チームの指導者に伺うと、震災後はサッカーなどしている場合じゃないだろうと、肩身の狭い思いをしていましたが、最近はサッカーを自由にやれる雰囲気に変わってきて、それが選手の明るい表情に表れているのだろう、ということでした。
コメント
岩間コーチ(大槌サッカークラブ・ジュニア)
大槌サッカークラブの子どもたちのほとんどが仮設住宅暮らしです。いま小3の子どもたちは幼稚園・保育園の卒園式も小学校の入学式もしていません。専門家によると、精神的に不安定なところがあり、落ち着きのない子こどもが多いとのことです。いまだ町のサイレンにも怯えることがあり、精神的なサポートが必要です。
共働きの私たち夫婦に代わって孫の面倒をみてくれていた母親が、震災の時、「孫を家で待っているから」と言って避難せず、津波に流されて未だ見つかっておりません。
指導者も様々な状況下ありますが、子どもたちのために頑張っています。
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