現在のイラク代表は若い選手たちを中心に構成されている。その中で、これからのイラクを牽引する存在になると期待されている逸材の一人がアリ・アドナン選手だ。
現在22歳の若者は、18歳の時に早くもA代表デビューを飾った逸材。2012年AFC U-19選手権で準優勝、翌年のFIFA U-20ワールドカップで4位、2014年のアジア競技大会で3位、2015年のAFCアジアカップで4位と、各カテゴリーで好成績を残し続けてきている。
とりわけ、2013年FIFA U-20ワールドカップでのパフォーマンスは欧州各国クラブの興味を引くほどの出来で、同年のアジア年間最優秀若手選手賞を受賞。2015年には選手スカウトと育成に定評のあるイタリア・セリエAのウディネーゼが獲得するなど、そのポテンシャルの高さは欧州で評価されるレベルにある。なお、アドナン選手はこの移籍によりイラク人初のセリエAプレーヤーとなった。
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左利きのアドナン選手は左サイドバックを主戦場とするが、攻撃力を買われて左ウィングでもクオリティの高いプレーを見せる。左足キックの精度とパワーが持ち味で、クロスでチャンスを供給するだけでなく、強烈なミドルシュートでゴールを陥れることもでき、セットプレーでも相手に脅威を与える。日本が対戦する上でも、イラクの左サイドは要警戒ポイントになるだろう。