1989年以降に生まれたロンドン五輪世代が中心となっている現在のUAE代表で、攻撃の核となっているのはオマール・アブドゥルラフマン選手だ。
91年生まれの攻撃的MFは小柄ながら類まれなボールスキルを備え、卓越したゲームビジョンとパスセンスで試合を組み立て、ドリブルでボールを持ち運ぶこともできる。利き足の左足から繰り出されるキックの精度は高く、意表を突くプレーを見せることもあるファンタジスタだ。2015年にオーストラリアで行われたアジアカップ準々決勝で日本代表と対戦した時にもスタメン出場してゲームメーク能力の高さを窺わせた。そしてPK戦では「パネンカ」とも呼ばれる、GKをあざ笑うようなチップキックでゴールネットを揺らす大胆なプレーを見せた。
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オマール選手はユース年代の時から将来を嘱望される才覚を示し、欧州のビッグクラブも興味を示したと言われる。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督もメンバー発表の会見で「UAEの何人かの選手は素晴らしい。特にオマールという左利きの選手は正確さとスピードを持っている。彼をフリーにすると、30から50メートルのパスがすごく正確に出てくる」と警戒すべき選手として名を挙げた。UAEが誇る若き司令塔は、アジア最終予選でも日本にとってやっかいな存在になるだろう。