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浦和LがI神戸に逆転勝利で6大会ぶりのタイトル 高円宮妃杯 JFA 第30回全日本U-15女子サッカー選手権大会
2025年12月28日

高円宮妃杯 JFA 第30回全日本U-15女子サッカー選手権大会は12月27日(土)、東京都の味の素フィールド西が丘で決勝を行い、INAC神戸テゾーロ(関西2/兵庫)と三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース(関東1/埼玉)が対戦しました。
決勝
INAC神戸テゾーロ 1-2(前半1-0、後半0-2) 三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース
序盤から主導権を握ったのは、I神戸でした。「相手は技術があって、後ろからビルドアップしてくるのは分かっていた。そこで奪えたら、うちにチャンスが来るとミーティングで話していた」。試合後にそう明かしたI神戸の岸田茂樹監督の言葉通り、高い位置からプレスをかけて、浦和Lにビルドアップする隙を与えません。奪ってから攻撃の切り替えも速く、10分には右サイドでボールを持った下江世夏選手からのパスを受けた青木唯奈選手がロングシュートを放つなど積極的に先制点を狙いました。
試合が動いたのは21分。青木選手が右サイドで相手のスローインを奪うと、沖口璃々花選手からのリターンパスをもらって中央に侵入。遠目から放った左足シュートが決まり、I神戸が幸先の良いスタートを切りました。
「前半の20、30分が大事だと言われた」(I神戸・大島杏里選手)中で先制点を奪い、勢いに乗ったI神戸は、27分に右サイドを上がった大島選手のパスから青木選手がゴールを狙いましたが、シュートは枠を捉えることができません。35分にも味方とのコンビネーションから青木選手がペナルティーエリア内に侵入し、左足シュートを放つなど積極的にゴールを狙いますが追加点はならず。40+1分に打った横山絆海選手のロングシュートもGK秋本悠眞選手のファインセーブに阻まれました。

対する浦和Lは前半、I神戸のプレスに苦しみロングボールが増加。ハーフタイムに西谷冬樹監督から「しっかりつなぎながら前進したい。その中でワイドの選手が裏を取るだけでなく、サイドでしっかり起点をつくってそこから攻め手を見つけよう」と声を掛けられた選手たちが、後半開始とともに攻勢を仕掛けます。
後半キックオフと同時に増田彩衣里選手が左サイドから仕掛けて観客を沸かせると、直後の42分には相手のクリアを仙石みのり選手が高い位置で回収。そこから切り返して相手をかわすと「1個後ろに空いているスペースが見えた」とゴール前にスルーパスを入れ、走り込んだ増田選手がダイレクトでゴールネットを揺らしました。

同点に追い付いてからは「後半は疲れが出てしまった。相手の頭も良くて前から奪いに行ったら背後に入れてきた。行っても奪えない、行ったら背後を取られる場面が増えた」(岸田監督)というI神戸を、浦和Lが押し込む場面が増えましたが、好セーブを続けるGK宮地絢花選手の牙城を崩せません。
それでも浦和Lは焦れずにチャンスをつくり続けると73分、左で増田選手からのパスを受けた片岡菜葉選手がゴール前にクロス。ゴール前で待ち構えた徳生花音選手がヘディングで合わせるとこのゴールが決勝点となり、浦和Lが2-1で勝利。6年ぶり8度目の優勝を果たしました。

監督・選手コメント
岸田茂樹 監督(INAC神戸テゾーロ)
体が小さい選手も多いので技術に拘ってきましたが、強度の中で技術を発揮できるようにならないといけない。今日みたいに強度が高いゲームでも怖がらずにボールを受けていかないと全国で勝っていくのは難しいと感じました。普段ならつなげる場面でもプレッシャーによって判断がなくなり、蹴ってしまうシーンが見られたのは課題です。ただ、2年前の決勝は0-2で負け、今回は1-2なので優勝に一歩ずつ近付いています。またこの舞台に来ることができるよう頑張ります。
大島杏里 選手(INAC神戸テゾーロ)
浦和Lの応援がすごくてしんどいなと思った時、「行け!」と背中を押してくれた仲間のためにと思って頑張りました。試合後はみんなで泣きじゃくりましたが悔いはありません。相手がうまかった中、自分たちのやれることはやれました。1年間すごく苦しいこともありましたが、監督が自分たちのために指導してくださったおかげで、ここまで来ることができたので感謝しています。1、2年生にはもう一度この舞台に戻ってきて、メダルの色を金に変えてほしいです。
西谷冬樹 監督(三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース)
本当に感無量です。昨年優勝を逃していたので「最後、高円宮妃杯で優勝し、笑顔で終わろう」を合言葉にしてきました。達成できて本当に良かったです。選手たちは困難な状況になっても、(昨年の)悔しさを思い出しながら何度も立ち上がってきました。たくましさを感じて僕が元気をもらった時もあったほどです。彼女たちがそのたくましさをもって1年間ずっと頑張ってきた成果が出ました。一発勝負の難しさを選手たちが感じながら、相手チームからたくさん学んで、成長してくれました。
増田彩衣里 選手(三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース)
今大会は追い込まれた状況から勝利を目指す試合がいくつもありましたが、自分たちの勝負強さが生かせました。決勝でもそこを生かすことができましたし、ハーフタイムに掛けられた「このままで終わって良いの?」という監督の言葉が、みんなに刺ささったことも大きかった。最高の仲間たちと優勝できてうれしいです。この大会での経験を大切にしながら、もっと相手の逆を突いたり、シュートの本数を増やしたりして世界で輝きたいです。
大会期間:2025年12月6日(土)~12月27日(土)
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