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【決勝展望】クラブレジェンドへの“有終の美”を期す浦和レッズ 天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会
2021年12月17日
天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会の決勝が12月19日(日)、国立競技場で開催されます。ここでは決勝に向けたマッチレビューを、浦和レッズを取材するスポーツライターの杉園昌之さんにご寄稿いただきました。
浦和レッズはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権の獲得という明確な目標を掲げて、厳しいトーナメントを勝ち上がってきた。ラウンド16まではJ2、J3クラブとの対戦が続いたときも、隙きを見せずにすべて完封勝ち。過密日程の中でも大幅に戦力を落とさず、メンバーをうまくローテーションさせながら勝利をたぐり寄せた。準々決勝以降はJ1勢が立ちはだかったものの、安定した守備でクリーンシートを継続。5試合連続無失点で、3年ぶり5度目となるファイナルの舞台にたどり着いた。
無傷の連勝を支える守備陣は、気合が入っている。守護神の西川周作は決勝行きの切符をつかんだ後、“無失点優勝”へのこだわりを口にした。
「ここまできたら、最後もゼロで終わりたい」
ただ、就任1年目のリカルド・ロドリゲス監督が守備に軸足を置いて、チームをつくってきたかといえば、そうではない。むしろ、アグレッシブにボールを奪いに行くスタイルが機能し、天皇杯の“ゼロ行進”につながっている。
大分トリニータ戦でもカギを握るのは、素早い攻守の切り替えだろう。自陣から丁寧にパスをつなぎ、敵陣に押し込んでいく戦い方は変わらないはず。ポイントは中盤で相手のプレスに引っ掛けられたたとき、ボールをすぐに回収できるかどうか。ボランチの伊藤敦樹、柴戸海らの働きぶりはより重要になってきそうだ。
現在、チームのモチベーションは最高潮に達している。今冬に契約満了で退団することが決まっている宇賀神友弥、槙野智章といった功労者は天皇杯の優勝を置き土産にチームを離れることに意欲を燃やしている。いずれも準決勝では勝利に貢献。宇賀神は魂が乗り移ったようなスーパーゴールを決め、槙野は守備固め要員として体を張って最後まで無失点に抑えた。そして、選手たち全員が口をそろえていう。「最後にキャプテンのアベちゃん(阿部勇樹)にトロフィーを掲げてもらいたい」。阿部は今季限りでの引退を発表しており、泣いても笑っても、12月19日が現役のラストマッチとなる。2007年から浦和でプレーし、2度のACL制覇をはじめ、2018年度の天皇杯優勝を含む多くのタイトルを手にしてきた。クラブに残した功績は計り知れない。スペイン人監督は日本のレジェンドに最大限の敬意を払い、最終決戦への思いを口にした。
「阿部勇樹に天皇杯を掲げてもらえるように、チームで一つとなって戦っていきたい」
決勝を目前に控え、4度目の優勝を渇望する浦和は心身ともに充実している。
【1回戦】5月22日(土)、23日(日)[予備日:5月24日(月)]
【2回戦】6月9日(水)、16日(水)
【3回戦】7月7日(水)[予備日:7月14日(水)]
【ラウンド16(4回戦)】8月18日(水)[予備日:10月13日(水)]
【準々決勝】10月27日(水)[予備日:11月17日(水)]
【準決勝】2021年12月12日(日)
【決勝】2021年12月19日(日)
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