JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > TOP RECOMMENDATION > 最新ニュース一覧 > 【SPECIAL】シニアサッカーでつくる仲間の輪~金田喜稔JFAシニアサッカーアンバサダー×宮本ともみ なでしこジャパンコーチ 対談

ニュース

【SPECIAL】シニアサッカーでつくる仲間の輪~金田喜稔JFAシニアサッカーアンバサダー×宮本ともみ なでしこジャパンコーチ 対談

2024年07月25日

【SPECIAL】シニアサッカーでつくる仲間の輪~金田喜稔JFAシニアサッカーアンバサダー×宮本ともみ なでしこジャパンコーチ 対談

JFAシニアサッカーアンバサダーとして全国各地に足を運び、シニアサッカーの普及にあたっている金田喜稔さん。現役引退後もO-30やO-40のサッカーに参加している宮本ともみさん(なでしこジャパンコーチ)と共に、シニアサッカーの現状や、そこに参加する意義を語ってもらった。

※この対談は2024年7月3日にオンラインで実施しました。

本気で取り組む姿を子どもに見せたい

――アンバサダーに就任して約3年、金田さんは以前から「名蹴会大人のサッカークリニック」を各地で開催するなど、シニア年代にサッカーの楽しさを伝えてきました。

金田 根底に「サッカーに帰ってきてほしい」という思いがあります。サッカーから離れた大人が、もう1回やってみようと思う機会をつくりたい。同時に、未経験者も参加してほしい。今からでも十分にうまくなれる可能性はあるし、生涯スポーツとしてサッカーをする喜びや達成感を得てほしいと思って続けています。

――初心者も参加できるんですね。

金田 最初は他人同士だけど、クリニックがきっかけでサッカーを見たり、SAMURAI BLUE(日本代表)を応援するようになったり。いい汗かいて、お酒を飲みながら参加者同士で交流する姿は、自分が理想としていた形です。それが現実となって喜びが共有され、参加者も増えている。成功事例だと見ていますし、全国へ展開していきたいと思っています。

――宮本さんもO-30女子の全国大会に出場していますね。

宮本 私の年代はまだまだ子どもに手がかかり、スポーツをする時間やきっかけがない方も多く、一人で運動するにもハードルが高いのが現状です。そんな中、私の場合は、友人に声を掛けてもらい、女子チームに参加することになりました。練習や大会のときは家族のサポートを受けながら、体を動かすことで心も体も元気になることを感じています。

――試合の日はお子さんも試合会場に?

宮本 みんな子どもを連れてきて、ウォーミングアップしている横で子どもたちがボール蹴ったり、試合で応援してくれたりします。お母さんたちが頑張って走っている姿を子どもが見る機会って、日常生活ではあまりないですよね。だからこそ、本気で取り組む姿を子どもに見せたい。その上で、子どもに「勉強もスポーツも頑張れ」と伝えると、説得力が違うと思うんです。

金田 その通りですね。かっこいい大人が近くにいたら、子どもは真似したくなるもの。昔からママさんバレーは人気だけど、お母さんがサッカーをする環境が増えていけば、サッカーを始めたいという子どもたちも増えていくと思います。


選手としてもサッカーを楽しむ宮本さん。所属するLegame(東海/三重)は
全国レディースサッカー大会(現、JFA全日本O-30女子サッカー大会)で優勝した経験も

サッカーを通じて地域の方々と交流を

――金田さんはシニア年代の全国大会も視察されています。今後、改善したいと思う点を教えてください。

金田 優勝しようという覚悟のあるチームが増え、年々レベルが上がっています。ただ、そういうチームは、人口が多い関東に多く見られるのが現状です。また、O-40、O-50…という区分ですと、試合に出るのは、O-50であれば50代前半の選手が中心で、50代後半は出場機会が少なくなる傾向にあります。例えば、5歳刻みの大会を民間企業と組んで開催するなど、誰もが多くの試合をできる環境を整えていければと感じています。

宮本 関東に集中するのは女子も同じで、日常から県リーグに参加しているチームも多いです。私は三重県のチームでプレーしていますが、県内に1チームしかなく、県予選を戦うことなく東海大会に進めます。地域差はかなりありますね。

金田 女子で言えば、3月にJヴィレッジ(福島県)で開催されたJFA 第35回O-40女子サッカーオープン大会を見てきたのですが、驚きましたね。約450人もの選手が集まり、大会期間中は雨風が強くて寒かったのに、選手たちの気迫や覚悟を感じられた。何がなんでもこの3日間を楽しむんだという思いは、僕の想像を超えていました。

宮本 お母さんたちにとっては、きっと一大イベントなんですよね。普段は子育てなどで外に出にくいからこそ、サッカーのときは、大会に絡めて観光地や温泉に行ったり、おいしいものを食べたり。「いろいろな場所で大会を開催してくれたら楽しみが増える」という声も聞こえてきます。

JFAシニアサッカーアンバサダーとして精力的に活動する金田さん。
6月上旬にはO-60とO-70の全国大会を視察するため、秋田県にかほ市を訪れた

――サッカーを再開しようか悩んでいる人、大人だけどサッカーを始めようと思っている人たちに働きかけたいことは何かありますか。

宮本 大人になってサッカーをするのは、正直ハードルは高いと思います。でも、今ならウォーキングフットボールもありますし、健康寿命を延ばすという点でスポーツは間違いなく大切です。やる前に物事を決めつけるのではなく、まずは一歩を踏み出してほしい。そう思ってもらえるような活動を私もしていきたいですし、サッカーの楽しさをいろんな人に知ってもらいたいです。

金田 例えば日本代表のOBに各地へ行ってもらい、サッカーを通じて地域の方々と交流してもらうなどの活動を増やしていきたいです。同じ地域でクリニックをやっていくうちに参加者同士が仲間になり、連絡先を交換して交流するようになります。日本は自然災害が多い国ですから、もしものときに安否確認ができるようなネットワークができたらいいなと。サッカーで成功事例をつくったら、他のスポーツでも同じ流れが生まれ、スポーツの社会に対する貢献度は上がるでしょう。日の丸を背負っている宮本さんにも、ぜひ各地に足を運んでもらいたいです。

宮本 もちろんです。今やれることを地道にやっていきたいと思います。

金田 宮本さんは、まずはパリオリンピックですね。なでしこジャパンの影響力、インパクトはとても大きいですから。厳しい戦いになると思いますが、池田太監督を支えてください。期待しています!

宮本 ありがとうございます。日本にメダルを持ち帰ってきます!

宮本さんは今夏、なでしこジャパンのコーチとして第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)に参加する。
チームの躍進に期待がかかる

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JFAnews2024年7月号では、特集「サッカーはやっぱり楽しい」で、全国大会で活躍するシニア選手と女子選手にアンケートを実施。サッカーを始めたきっかけやサッカーを続ける理由、その魅力を聞きました。

アンケート結果はこちら

アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー