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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第75回 唐木田徹 カンボジア・審判ダイレクター
2023年01月27日
2022年を振り返って~カンボジア審判状況
プロリーグの活性化
2022年はプロリーグが大きく変わった1年でした。特筆すべきことは1部リーグと2部リーグのチーム構成を前年と逆の1部8チーム、2部12チームとしたことです。8チーム3回戦制、かつ上位4チームによるホーム&アウェー方式のプレーオフを導入したことで、試合のインテンシティは確実に上がりました。さらに、プレーオフ12試合では引き分けがわずか1試合、無得点試合はなし、ホーム戦平均2.2点・アウェー戦平均1.7点と点数を取り合う中でインテンシティの高いプレーが見受けられました。
プレーオフ前、担当する審判たちに「選手に『サッカー』をプレーさせる」「そのために選手に寄り添う、選手、コーチの気持ちをより理解するように努める」ことを再確認して試合を任せた結果、リーグ戦時とは違った『向き合い方』が効果を発揮し、よりエキサイティングな試合を実現できたことはカンボジア審判たちの未来への新たな一歩になったと確信しています。
カンボジア初の女性国際審判、AFCエリートパネルへ飛躍
2022年、念願だった女性の国際審判員を登録できました(主審、副審各1名)。国際審判は各国規定の人数をFIFAに申請し、承認されます。FIFAによる体力レベル、審判スキル、英語スキルのチェックはなく、加盟国の申請・管理プロセスに委ねられています。したがって、AFC主催の試合を担当するには「AFCエリートパネル」として選抜されなければなりません。カンボジアの男性国際審判たちも毎年チャレンジしてきましたが、誰一人この関門を突破できておらず、所属のASEANサッカー連盟の試合しか担当できないのが現状です。
今回、女性2名が初めてチャレンジしましたが、第1次審査、競技規則、判定理解度および英語スキルを突破、その後、第2審査となる体力テスト(ビデオ提出)、2試合のビデオアセスメントを経て、AFCエリートパネル2023へ登録されることになりました。とんとん拍子というより一足飛びにAFCの舞台へと上がりました。彼女たちには、より高いレベルでの経験を、男女問わずカンボジア審判たちに伝えていってもらいたいと思います。
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