6月7日に行われるキリンチャレンジカップ2017のシリア戦と、13日に行われるアジア最終予選イラク戦に臨む日本代表メンバー25人の中には、4人の初招集選手の名前があった。
GK中村航輔選手(柏レイソル)、DF宇賀神友弥選手(浦和レッズ)、DF三浦弦太選手(ガンバ大阪)、そしてブルガリアでプレーするMF加藤恒平選手(PFCベロエ・スタラ・ザゴラ)だ。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は彼らのいかなる能力を評価して、代表招集に踏み切ったのか。ここでは4選手のプレースタイルを紹介していこう。
©J.LEAGUE.PHOTOS
中村選手は、柏の育成組織出身で、アビスパ福岡での武者修行を経て、昨季より柏の正GKを務める22歳の若き守護神だ。昨年のリオデジャネイロオリンピックのメンバーでもあり、大会では2試合に出場した。
身長184センチとGKとしては決して大きくはないものの、鋭い反射神経を生かしたセービング能力の高さが最大の魅力だ。今季の柏でもビッグセーブを連発し、J1リーグで暫定首位に立つ(第13節終了時)チームを最後方から支えている。また、メンタルの強さも中村選手の特長のひとつ。大舞台でも物怖じしない性格で、重要な試合でこそ輝きを放つだろう。
©J.LEAGUE.PHOTOS
宇賀神選手は、29歳にして初めて代表入りを果たした遅咲きのプレーヤー。浦和ユースから流通経済大を経由して、2010年に浦和に加入。以降、浦和一筋でプレーしている。
浦和での主戦場は左ウイングバックで、ライン際を絶えず上下動する運動量を武器に、攻守に幅広く貢献する。また右サイドにも対応でき、守備能力の高さを生かしてストッパーとしてもプレー可能。献身性と汎用性の高さが宇賀神選手の魅力であり、最終ラインのマルチロールとして、重要な役割を担いそうだ。
三浦選手は、今季、清水エスパルスからG大阪に移籍したCB。サイドバックでもプレー可能な守備のユーティリティーだ。
現在22歳の三浦選手は、大阪桐蔭高から2013年に清水に加入。当初は出場機会に恵まれなかったものの、J2リーグでの戦いとなった昨季にレギュラー格に成長。29試合に出場し、J1昇格に貢献した。移籍したG大阪でも開幕からレギュラーを務め、対人プレーの強さを生かしてチームの最終ラインを支えている。守備だけでなく、セットプレー時の得点力も魅力。勢いのある選手だけに、代表チームでもレギュラー争いに名乗りを上げたい。
©J.LEAGUE.PHOTOS
最大のサプライズとなったのが加藤選手だ。J1リーグでのプレー経験のない無名の27歳は、東欧で研鑽を積み、日本代表へと上り詰めた。
現在、ブルガリアでプレーする加藤選手の最大の強みは、ボール奪取能力。強靭な相手に対しても臆することなくデュエルを挑んでいく。まさにハリルホジッチ監督が好むタイプの選手であり、メンバー発表の席で指揮官は「アグレッシブにボールを奪い、しっかり組み立てることができる。守備の修正もできる」と、招集の理由を語っている。
日本のサッカーファンの中で、そのプレーを直に確認したことがある人はほとんど稀だろう。果たして、今回の2試合の中でいかなるパフォーマンスを見せてくれるのか。今度はピッチ上でサプライズを示してもらいたい。