ワールドカップ・アジア最終予選のサウジアラビア戦で勝利を収めるためにも、まずはキリンチャレンジカップ2016で白星を挙げて弾みをつける。日本代表は11日、茨城県立カシマサッカースタジアムでオマーン代表と対戦する。
オマーン戦はその4日後に行われるサウジアラビア戦に向けて非常に重要な一戦となる。
ここまでの日本代表はワールドカップ・アジア最終予選を迎えるにあたり、チームの調整に苦しんできた。海外でプレーしている選手が数多く招集されているため、長距離移動により全員が集まった状況で戦術練習を行える時間は非常に限られ、移動による疲労や時差ボケが完全には解消されていない状態で勝ち点3のかかる重要な一戦に臨まなければならなかったからだ。
だが、今回はオマーンとの国際親善試合という貴重な機会を有効活用し、サウジアラビア戦に向けてフィジカルと戦術を整理することができる。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「今回はフレンドリーマッチを使って、よりコンディション調整に務めることができる。2試合目となるサウジアラビア戦では、より良いパフォーマンスで試合に臨むことができるのではないか」と力を込める。
また、オマーン戦は日本代表に新風を吹き込む機会になるかもしれない。今回の代表2連戦に当たり、ガンバ大阪の井手口陽介がA代表に初選出されたほか、ヤングボーイズでプレーする保裕也が4年ぶり、ケルンの大迫勇也が約1年ぶりに招集され、10月の代表戦で初招集された永木亮太(鹿島アントラーズ)や追加招集されていた齋藤学(横浜F・マリノス)も引き続き呼ばれた。
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オマーン戦での選手起用についてハリルホジッチ監督は「あまりプレー機会のない選手にもチャンスを与えようと思っている。もしくは海外で試合に出ることができていない選手がどのような状態なのかも見ておきたい」と話している。今回のキリンチャレンジカップが新たな戦力発掘の場になる可能性は十分にある。
決戦となるサウジアラビア戦のための戦術的な確認、海外組を中心とした主力メンバーのコンディション、そしてフレッシュな選手たちに期待される戦力の底上げ。今回のキリンチャレンジカップも見どころの多い一戦になりそうだ。