3試合を終えて2勝1敗。2勝1分のイランに次いで日本は2位につけていたが、試合内容は決していいとは言えず、ドイツに向けた道のりに暗雲が漂っていた。第4戦はアウェイでのバーレーン戦。日本はその試合を前に、UAEのアブダビで事前合宿を張った。そこで行われた選手による緊急ミーティングが好転のきっかけとなる。三浦淳寛選手らが中心となりその想いが選手たちの心を奮い立たせたのだ。
この「アブダビの夜」をきっかけに再び団結したチームは、この重要なバーレーン戦を小笠原満男選手のゴールで、1-0でものにする。勝点を9に伸ばした日本は、残り2試合を残し続く朝鮮民主主義人民共和国戦に勝てばワールドカップ出場が決定する状況にまでたどり着いたのだ。
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アウェイでの朝鮮民主主義人民共和国戦は、朝鮮民主主義人民共和国に対するFIFAの制裁により、第3国での無観客試合となった。会場はタイのバンコク。日本はこの地で、歓喜の瞬間を迎えることとなる。
前半は0-0で終えたものの、67分に柳沢敦選手が先制ゴールを奪うと、さらに終了間際、今予選でラッキーボーイとなった大黒将志選手がダメ押しゴールを奪取。2-0で朝鮮民主主義人民共和国を下し、見事に3大会連続となるワールドカップ出場を開催国以外で最初に決めたのだ。
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最終戦のイラン戦も2-1で勝利した日本は、最終的に5勝1敗の成績で、グループ首位で最終予選を終えた。