これまでFIFAワールドカップに4度出場し、アジアの強国として知られるサウジアラビア代表だが、ワールドカップ予選で日本と対戦したのはこれまで1度しかない。
1994年米国大会の出場権をかけたアジア最終予選。当時はホームアンドアウェー方式ではなくセントラル方式で実施され、後に「ドーハの悲劇」として日本サッカー界の歴史に刻まれるカタール・ドーハの地で、日本とサウジアラビアは大事な初戦でぶつかった。
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ハンス・オフト監督率いる当時の代表チームには、森保一氏や柱谷哲二氏、井原正巳氏や高木琢也氏など、現在はJリーグで監督を務める名選手たちが揃っていた。試合は互いに譲らず、0−0のスコアレスドローに終わっている。
両国が激突した直近の試合を見ていくと、約5年前の2011年アジアカップに辿り着く。顔を合わせたのはグループリーグ3戦目、日本はすでに敗退が決まっていたサウジアラビアに激しく襲いかかった。
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試合開始早々、DFラインの裏を完璧に取った岡崎慎司選手がチップキックでGKを巧みにかわし、最後は無人のゴールに押し込んで先制。さらに岡崎選手は5分後にもダイビングヘッドでゴールネットを揺らすと、前半19分には前田遼一選手が長友佑都選手のクロスに右足アウトサイドで合わせ、日本は前半だけで3点のリードを奪った。
日本の勢いは衰えず、後半開始6分に前田選手のヘディングシュートでさらにリードを拡大した。後半35分には前田選手のパスから岡崎選手が反転シュートでハットトリックを達成。5-0の大勝でグループリーグ首位突破を決めた。