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【Match Report】SAMURAI BLUE、田中選手、中村選手らの得点でカナダ代表に快勝
2023年10月14日
SAMURAI BLUE(日本代表)は10月13日(金)、新潟のデンカビッグスワンスタジアムで行われたMIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023でカナダ代表と対戦し、田中碧選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)の2得点や中村敬斗選手(スタッド・ランス)の2戦連続ゴールなどで4-1と快勝。4得点以上での連勝を5に伸ばしました。
2026年のFIFAワールドカップ北中米大会のアジア予選スタートを来月に控えて、日本にとっては選手の組み合わせを試しながら、戦術理解を深める貴重な実戦の機会です。
4-1-4-1の布陣で臨んだ日本は、先発に浅野拓磨選手(VfLボーフム)を最前線に9月のトルコ戦で2得点の中村選手を左、伊東純也選手(スタッド・ランス)を右に置き、インサイドハーフに昨年のワールドカップ以来の出場の南野拓実選手(ASモナコ)と田中選手、中盤の底に遠藤航選手(リバプールFC)を起用。最終ラインには右から毎熊晟矢選手(セレッソ大阪)、冨安健洋選手(アーセナル)、町田浩樹選手(ユニオン・サンジロワーズ)、1年ぶりに復帰した中山雄太選手(ハダースフィールド・タウンFC)を並べて、GK大迫敬介選手(サンフレッチェ広島)という顔ぶれを揃えました。
昨年のワールドカップ開幕直前の11月にドバイで対戦して敗れていたカナダに、日本は試合の立ち上がりから勢いのある連続攻撃で相手を押し込み、相手が毎熊選手の右クロスをクリアしたボールを田中選手が捉え、ゴール左に決めて先制。前半2分でした。
その後は慣れない顔ぶれでの組み合わせの中、探りながら試合を進める日本に対して、カナダはバイエルン・ミュンヘンでプレーするMFアルフォンソ・デービス選手を使って左サイドから仕掛けます。
19分にはFWジョナサン・デービッド選手のスルーボールにデービス選手がペナルティエリアに入り、クリアを試みたGK大迫選手に倒されたとしてPKを獲得。しかし、デービッド選手のPKを大迫選手が足でブロック。得点を許さず、これを機に日本が再び攻勢に出ます。
26分には中村選手が伊東選手のクロスにヘディングで狙う場面を作り、その2分後にはFKで直接狙ってクロスバーをかすめます。
再び試合が動いたのは前半40分でした。浅野選手の左からのクロスにニアサイドに南野選手が詰めると、相手DFのクリアボールがGKにあたってゴールに入り、オウンゴールで日本が2-0としました。
さらにその2分後には、浅野選手が相手DFにプレッシャーをかけてボールを奪い、ドリブルでゴール前まで攻め上がると、左に顔を出した中村選手へパス。ゴールを背にしてパスを受けた23歳のアタッカーは鋭く反転して右足を振り、ゴールネットを揺らしました。今年3月のウルグアイ戦で代表デビューした中村選手はこれで出場4戦で4得点です。
3-0で後半を迎えた日本は、後半開始から谷口彰悟選手(アルラヤンSC)を投入し、後半も攻撃とアグレッシブな守備でゲームの主導権を維持します。
すると後半開始4分で4点目が生まれます。中山選手の最終ラインからのフィードをペナルティエリア左で受けた南野選手がマイナスのボールを中央に戻すと、伊東選手が受けて田中選手へパス。田中選手は落ち着いてゴール右に流し込みました。
田中選手はその直後にも相手GKのクリアを捉えてシュートを放ちましたが、わずかに枠を外れてハットトリックにはなりませんでした。
日本はその後、61分に旗手怜央選手(セルティック)と伊藤敦樹選手(浦和レッズ)を送り出して4-2-3-1へ変更。さらに72分には川辺駿選手(スタンダール・リエージュ)と古橋亨梧選手(セルティック)送り込み、83分には橋岡大樹選手(シントトロイデンVV)を投入して、毎熊選手を1列前に上げて伊東選手を左サイドに移して新たな組み合わせを試します。
一方のカナダも、60分過ぎの交代で3バックから4バックに変更して反撃の糸口を探り、左サイドでの構成を強めます。そして試合終了も目前の89分、デービス選手の仕掛けからパスを受けたデービッド選手が左クロス。GK大迫選手が弾きますが、このこぼれ球をジュニア・ホイレット選手が左足で捉えて1点を返しました。
試合はこのまま終了。最後に1失点を許したものの、日本が4得点を挙げて勝利しました。
日本の次戦は17日(火)、兵庫県のノエビアスタジアム神戸で行われるキリンチャレンジカップ2023でチュニジア代表と対戦します。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
個々のフィジカルが強くスピードもある強敵のカナダに4点を奪って勝った、選手たちの頑張りを称えたいと思います。得点のチャンスをつくる、得点を決めるところはアグレッシブで良かったですが、少し押されている展開で奪ったボールをうまく攻撃につなげられなかったところは反省点です。もっとボールの動かし方を考えて、無失点のままで勝ち切れるようにしないといけません。アルフォンソ・デービスを起点とする相手の攻撃を止めて、選手交代をしながら勝つことを考えていましたが最後のところでできなかった。チームの反省点として、勝てばOKではなく、どう勝ち切れるかを考えていきたい。
ただ、誰が出ても勝つ、誰と組んでもチームとして機能するというところで、選手たちがこれまでの戦いとは違うメンバー構成の中でトライして結果を出し、ミスはありながらもお互いの連係連動という部分で攻撃のチャレンジをしてくれました。相手が戦術的にどんな組み立てをするのか分からない中、選手たちはいろいろな状況に合わせて戦い方や配置を変えることを賢くスムーズに表現。相手が3バックで3-4-3のような、3-5-2のような形で来たところで1ボランチからダブルに自発的に切り替えていた。我々がより主導権を持って戦っていけるようにということをやった方がいいと考えてのトライだったと思います。
5試合連続で4得点以上という結果は、なかなか出せるものではありません。選手たちが素晴らしい結果を出してくれていて、コーチ陣が攻撃も守備もアグレッシブにチャレンジするところを選手たちに植え付けてくれていて、選手たちが思い切って前向きに力を発揮できるように戦術的な個々の役割を改めて伝えてくれているところは非常に大きいです。結果を出せていることに自信を持ちながら、さらに強くなるために高い目標を持って前進していきたいと思います。
DF #16 冨安健洋 選手(アーセナル/イングランド)
最終的には4-1で失点してしまいましたが、結果だけ見れば前半は良かったかと思いますが、まだまだやれることがあると感じたのも事実です。ボールを奪った後に失う回数が多かったり、1点獲った後に押し込まれて、最初は守備が少しはまらなかったですし、いつもよりは少しラインが下がっていたというのもあります。スローインのボールロストも多かった。9月シリーズから続いているところなので、そこも改善が必要だと思います。新しいメンバーでやっていますし、最初からバチッとハマるわけがないということはやる前から分かっていました。ゲームのなかで互いの距離感や選手の立ち位置などが少しずつ分かってきましたし、そういうことは試合で時間を重ねていくしかないので、次につながる試合だったと思います。
DF #26 毎熊晟矢 選手(セレッソ大阪)
気持ちを入れて試合に入りましたが、空回りというか、前半、守備の間合いや攻撃でもビルドアップミスもありました。課題だらけのなかでハーフタイムで代えられてもおかしくない内容だったと思います。それでも最後まで続けて使っていただけて、後半は守備で感覚を少しずつ取れて抑えられた部分もありました。ただ、1試合を振り返ると、攻撃でもなかなか自分の良さをだせなかったので、課題の方が多かったと感じています。
MF/FW #8 南野拓実 選手(ASモナコ/フランス)
チームとして前半も後半もいい立ち上がりで試合を進めることができたのは良かったですが、最後の失点のところはチーム全体の課題として残りました。(インサイドハーフで)ビルドアップに関わったり、常に相手の嫌なポジションでプレーすることは変わらないですが、少し低い位置で関わったり、ゴールキックの時の最初のスタートポジションが低かった。味方とコミュニケーションを取りながらうまくできたかと思います。個人的に2~3本決定的なチャンスがあったので、それをモノにしたかったというのがあります。そこに行くまでの飛び出しや、いい距離感はつかめた感覚があったので、そういう自分の良さをもっと出してこのサバイバルでやれればいいと思います。
MF/FW #17 田中碧 選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
(先制の場面は)落ち着いてコントロールもできましたし、意図的に(相手の)マタを抜けたので。でも相手にあたっていなかったら入ったかどうかわからないので、そこのクオリティは求めていきたい。ミドルで点が取れたのは個人的に良かったと思います。(2点目は)うまく止まらずにいいところに入って行けて、最後に伊東選手がすごく優しいパスをくれたので、決めるだけでした。力まずに決められたのはよかったです。でも、あと1、2点決めるチャンスがありました。それを決めていればゴールの部分ではパーフェクトだったので、まだまだだなと思います。
MF/FW #18 浅野拓磨 選手(VfLボーフム/ドイツ)
できたことよりできなかったことが記憶に残っているので、自分のなかでは悔しいというか、まだまだだなと思っています。今日は自分に放り込んでくるのが多かったですが、その中でもやれることはやって、自分の強みも消さないようにしていました。1試合通してすべてうまくいくわけではありません。そこでチーム内で話し合ってどう修正するかは今日できていたかと思います。コンパクトに守備からしっかり入って、どんな形でも勝ちにこだわる試合がいまの日本はやれている。勝ちにこだわる分、どう守備をするかはポジティブにできていますし、守備が多くても主導権を握れています。そこは、日本が世界と戦って勝っていく上で成長してきている部分かと思います。
マウロ・ビエロ カナダ代表監督
この結果は非常に残念ですが、現在国際舞台で最もホットなチームとの対戦でした。この試合から多くのことを学びました。スコアは必ずしも我々のパフォーマンスを反映していないところもあり、試合の時間帯によっては良い動きもあってPKを獲得しましたが、これを決められずにチャンスを生かすことができませんでした。日本は切り替えが速く、質も良かった。そういう相手にスペースを与え、ミスをすれば厳しい結果になります。この試合から11月のCONCACAFネーションズリーグへ向けて改善していきたいです。
2023年10月13日(金) 19:35 キックオフ(予定) vs カナダ代表
会場:新潟/デンカビッグスワンスタジアム
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