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【Match Report】SAMURAI BLUE、トルコ代表に4得点の勝利、9月欧州遠征2連勝で終了
2023年09月13日
SAMURAI BLUE(日本代表)は9月12日(火)、ベルギーのゲンクで行われたキリンチャレンジカップ2023でトルコ代表と対戦。前半で3ゴールを奪うなど4-2で勝利を収め、ドイツ代表戦に続いての白星で今回の遠征を2連勝で締めくくりました。
初先発の伊藤敦樹選手(浦和レッズ)が初得点、中村敬斗選手(スタッド・ランス)が2得点で続き、後半途中出場の伊東純也選手(スタッド・ランス)がPKで加点しました。
日本はドイツ戦から先発メンバーを10人変更。左サイドバックの伊藤洋輝選手(VfBシュツットガルト)のみ連続出場で、センターバックに谷口彰悟選手(アルラヤンSC)と町田浩樹選手(ユニオン・サンジロワーズ)、右サイドバックには代表デビューとなった毎熊晟矢選手(セレッソ大阪)を起用。伊藤敦樹選手と田中碧選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)のボランチに、2列目には堂安律選手(SCフライブルク)、久保建英選手(レアル・ソシエダ)、中村敬斗選手、1トップに古橋亨梧選手(セルティック)を置き、GKに中村航輔選手(ポルティモネンセSC)を起用する布陣で臨みました。
新しい組み合わせの影響か、試合開始から暫くは互いの距離感や動きのタイミングの調整に時間がかかりましたが、15分に先制に成功します。
伊藤敦樹選手が右サイドで仕掛けて堂安選手とワン・ツー。ペナルティエリア手前を右から中央に抜けて左足を振り、ゴールネットを揺らしました。
前半20分過ぎの給水タイムを経るとさらに連係が滑らかになり、26分には久保選手が右サイドから中央にドリブルで持ち込んでスルーパスを通し、ゴール前に顔を出した堂安選手が触れば1点という場面を作ります。
追加点はその2分後の28分でした。相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、久保選手が中央から強烈なシュートを放ちます。これは相手GKにブロックされましたが、リバウンドに中村敬斗選手が反応。ゴール右下に流し込みました。
そして3点目は前半36分、右サイドで毎熊選手が相手ボールをカット。ドリブルで持ち上がり、ペナルティエリアまで持ち込むと左へパス。中村敬斗選手が相手DFの股を抜くシュートで3-0としました。
トルコは10月のEURO2024予選クロアチア戦へ向けて戦力アップを試みて、引き分けに終わった9月8日の同予選のアルメニア戦から先発9人を変更。ベルトゥー・ユルドゥルム選手やユスフ・サル選手、イルファン・ジャン・カフベジ選手の前線の3人を中心に攻撃を仕掛け、12分にユルドゥルム選手がペナルティエリア右からシュートを狙い、38分にはDFオヌル・ブルト選手が攻め上がってクロスを送り、サル選手がダイレクトで合わせる場面を作ります。
そして前半44分、左サイドでのFKからファーサイドに走り込んだDFメルト・ミュルデュル選手が頭で折り返し、これをGK中村選手がブロック。しかし、リバウンドにDFオザン・カバク選手が反応して押し込み1点を返しました。
このプレーでGK中村選手が肩を痛めて交代を余儀なくされ、GKシュミット・ダニエル選手(シントトロイデンVV)が急遽ピッチに立ちます。直後に右CKにDFチャーラル・ソユンジュ選手が合わせてゴールを狙いますが、シュミット選手が反応してゴールを守りました。
日本は3-1で前半を折り返し、後半開始から橋岡大樹選手(シントトロイデンVV)、伊東選手、前田大然選手(セルティック)を投入。攻撃の活性化をはかり、相手左サイドの攻めに対応します。
投入直後に伊東選手の右サイドでの仕掛けから相手クリアが左ポストに当たり、あわやトルコのOGという場面を作り、その直後にも田中選手がミドルレンジから相手ゴールに迫ります。
しかし、得点したのはトルコでした。61分、左サイドから持ち込まれ、最後はユルドゥルム選手に決められて1点差にされます。
これで勢いを得たトルコは、後半から出場したハカン・チャルハノール選手らが攻撃を畳みかけて日本ゴールを脅かす場面を作り、76分にはチャルハノール選手がシュートを放ち、町田選手が対応してCKに逃れます。
しかし、日本はその相手CKの流れから、伊東選手がボールを受けて右サイドをドリブルで突破。そのままペナルティエリアに切り込むと、相手DFに倒されてPKを獲得します。78分に伊東選手自らがこのPKを決めて4-2にしました。伊東選手は3戦連続ゴールです。
日本はこのまま2点リードを守って試合終了。相手の反撃を振り切り、2連勝で今遠征を終えました。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
ドイツ戦からトルコ戦へ10人を入れ替えて臨みましたが、誰が出ても勝つ、誰と組んでも機能するということで、勝利をつかみとってくれて、応援して下さったみなさんと喜びを分かち合えました。その中で、選手層を厚くすること、より多くの選手と戦術の共有をしてレベルアップにつながる経験をすることを、試合を経験する中で行えたことはチームにとってプラスでした。まだまだ反省すべきところはありますが、選手を入れ替えて、連係連動が難しい中でも良いチャレンジをしてくれました。ただ、決定的なチャンスがまだまだありました。4点でも素晴らしいですが、決めるところはもっと上げていけるように選手たちに要求したいですし、展開の中で、相手の守備でうまくいっていないところをよりミスなく突いていく部分は、もっと必要だと思っています。守備では、最後は良いトレーニングになったと思いますが、相手がよりダイレクトにパワーをかけて攻撃をしてくるときに、ボール保持者により強く行くこと、奪いきるところを上げながら、最後のパワープレーを確実に防ぐところは、さらに上げていければと思っています。
今回の2試合で、より多くの選手たちとチームの戦術的なコンセプトを共有することができたのは大きかった。ドイツ戦の勝利で自信を深め、さらに多くの選手がコンセプトを練習して、ドイツ戦を踏まえて今日のトルコ戦で確認できました。ドイツ戦の勝利が今日の試合に大きくつながったと思います。
GK #23 シュミット・ダニエル 選手(シントトロイデンVV/ベルギー)
勝てたことは良かったと思います。(交代出場は)もちろん難しかったですが、その中でもいいプレーをしないといけなかったので、反省も多いです。ビルドアップのところで、最後少し危ないシーンもありました。もう少し自分のところで時間をつくって敵を引き寄せてからいいプレーを選択するという部分はやりたかった。簡単にはたきすぎていた部分があって味方を苦しめていたプレーが何個かあったので、そこはよく映像を見て振り返る必要があると思います。2失点目は不用意というか、全体的に軽くなった時間帯かなと思うので、あれはすごくもったいないと思っています。ただ、今回の遠征でチームとしてやりたいことは、すごくよくできたんじゃないかなと思います。ポゼッション率こそ上がらないけど、その中で4点取って勝つ。守備の部分でも、今日は別として、本気で守ろうというときにちゃんと守れているというのは2試合通してすごく感じました。
DF #3 谷口彰悟 選手(アルラヤンSC/カタール)
メンバーを変えたなかでも、自分たちの特長やチームとして狙うところは出せた部分は多かったと思いますし、その点はすごくポジティブな要素だと思いますが、3-0になってから相手が少しパワーをかけてきて、あの辺で水を漏らさず、しっかり勝ち切りたかったというのが正直なところです。力のあるチームなのでこういう展開もある程度は想定していました。その中でも、みんなで我慢しながら最後に4点目を獲れたのは大きかった。コンディション的にもみんなキツイ部分はあったと思いますが、なんとか踏ん張りながら最後に勝ち切ったというのは非常に大きかったと思います。日本以外の場所でドイツとトルコという力のある国と対戦してしっかり連勝で終えることができたのは、すごく自分たちの自信につながります。ただ、世界のトップ10、ワールドカップ優勝というのが僕らが目指している場所なので、そこに向けてやっていかなくてはいけないことはたくさんあります。向上心を持ってやり続けたいです。
DF #26 毎熊晟矢 選手(セレッソ大阪)
交代して一番ベンチで思ったのは失点シーンです。FKのシーンは悔しくて、そればかり考えていました。ファウルを与えた部分、入れ替わってしまった部分が悔しくて、個人的には抑えられる自信がある分、余計に悔しいです。Jリーグだと最初に当たっているところで勝てるので、ここ(代表)じゃないと体験できないということはコーチと話しました。そこを踏まえて、今後もどうやって抑えていくか、帰って外国籍選手もいるので練習から取り組みたいと思います。攻撃は、何本か走ったら出てくるので良い形は出せましたが、回数は増やしたいですし、アシストも1つできましたけど、もっとチャンスを作りたい気持ちはあります。距離感を詰めるのは練習していました。試合で出せたのは良かったです。
MF/FW #6 遠藤航 選手(リバプールFC/イングランド)
選手の特徴が違うというだけで、誰がどういう形で入っても、多分それだけ同じような戦力でいろいろ戦えるチーム力があると思います。今日もメンバーがガラっと変わると難しい試合になるかなとイメージをしていましたが、初めて出た選手も含めて、すごく落ち着いて、自分の良さをしっかり出すというところにフォーカスしながら、すごくいい形で3点とれたところは、評価に値する試合内容だったと思います。今回のシリーズは、内容も結果も良かったと、すごくポジティブだと思います。もちろん今日の試合に関しては、3-0になってからのゲーム運びという課題はあるとは思いますが。でもその途中で入ってくる選手も含めて、そのゲームはしっかり締められたというところでいうと、評価にはなるとは思います。4試合連続で4点以上取れているということはシンプルに前にタレントが多いということですね。クラブでも結果を残してる選手たちがすごく多いというところで、それが一つの要因にはなってると思います。
MF/FW #13 中村敬斗 選手(スタッド・ランス/フランス)
チームとして絶対に勝ちに行くと、ドイツ戦でいい試合をしたからにはトルコにも勝つというのがあって、その中で大幅にメンバーが入れ替わって僕は初先発だったので、アピールの場でもありました。とりあえず、結果を残せてよかったです。得点シーンは、1点目は球際でがしゃがしゃっとなってボールを奪ったところで久保選手にこぼれたので、多分振るなと分かっていましたし、良いシュートが行くだろうなと思って詰めていました。うまくこぼれてきたのでよかったです。2点目は、まあ、あれだけ数的優位だったので、ボールが来れば決めて当然みたいな形でしたが、落ち着いて相手の股を抜いて決められたので良かったです。エルサルバドル戦も久保選手からのパスでしたし、今回も彼のシュートからで。彼からゴール生まれるなっていうのがあって、プレーしていてワクワクする選手なので、一緒にプレーできてうれしいですね。
MF/FW #14 伊東純也 選手(スタッド・ランス/フランス)
PKは自分でもらったので自分で蹴ろうと、ゲンクのスタジアムだったし、もらった瞬間に決めていました。(カウンターは)何回か止まろうかと思ったんですけど、意外と行けちゃったので行きました。相手は最初は平行に走っていたけど、自分が最後は体一個分中に入れると思っていました。狙い通りですね。結構押し込まれて最後の方は相手も気持ちを見せてきましたし、相手のフレッシュな選手が入ってきていましたが、カウンターやチャンスはあったので、粘り強くやって、もっと点は取れたと思います。今回のシリーズは両方とも強い相手で勝ったのは自信になると思います。だんだん個々の能力も上がっていますし、チームとしても強くなっていると思います。
MF/FW #15 伊藤敦樹 選手(浦和レッズ)
(得点シーンは)あそこの流れはレッズでもやっている動きです。最初はクロスを上げようかなと思ったんですが、相手が思ったより食いついたんでキックフェイントして、もう一回、中を見たときに相手が遅れてでてきてくれたので、ワン・ツーしたときには打とうかなと思っていました。シュートを打った瞬間、入ったと思いましたし、それぐらい感触がよかったです。形もきれいでしたし、代表初ゴールを、ああいういい形でとれたのもうれしいです。ただ、課題のほうが多く残る試合だったかな、と自分では思います。守備のところではフィルターになりきれていなかったですし、ボールにいくところ、オーガナイズするところで自分のところでもっと、初スタメンでしたけどもっと主導権握ってやればよかったと思います。ボールを奪いきるところもまだまだです。攻撃のところではビルドアップで、思ったより簡単に運べるところができましたが、ボールワークのところでもう少し簡単に丁寧に、失わずに、アシストもできるシーンもあったので、もっとこだわっていかないといけないと思っています。
MF/FW #20 久保建英 選手(レアル・ソシエダ/スペイン)
勝って2連勝で良かったと思います。前半、僕らのほうが明らかに上だったので、前半でもっと決められたらよかったと思いますが、2点は取られましたけど、4点とってよかったのではないかなと思います。チームのやりたいことが全部できる試合はないと思いますが、特にオーバーラップのところなどでは、3人目を使ったりとか、ビルドアップのところも、前半の途中からうまくいけるようになって、そこからちょっとペースが落ちてハマることが増えましたが、いろんなことをトライできてよかったんじゃないかなと思います。いろんな人が攻撃に絡んで前のレベルもすごくみんな上がっていると思います。あとは、自チームでそれをみんな続けられればと思います。
シュテファン・クンツ トルコ代表監督
非常に切り替えの巧い日本に対して、我々は前半ボールコントロールを多く失い、個人的なミスが多く、日本のフィジカルの強さに対抗する難しさもありました。暑さの影響もあって数人の選手が戦術的な役割を果たせずにいました。日本が非常に規律のとれたプレーをして、スピードを生かしてよく走ることは知っていたので、彼らのプレーに驚きはなかったのですが、我々の選手たちがこのレベルに見合うプレーができていないことは驚きでした。それで前半を終えて選手交代を行い、そこからは後半は良くなって得点のチャンスも生まれました。3-1のあとは守備のポジショニングも良くなったと思います。今日の試合から、次のEURO2024予選のクロアチア戦に生かせるものを得たと思っています。
2023年9月12日(火) 14:20 キックオフ予定(日本時間 9月12日(火) 21:20)vs トルコ代表
会場:ゲンク(ベルギー)/セゲカ・アレーナ
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