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小西鉄平JFAフットサルテクニカルダイレクターが語るAFCフットサルアジアカップクウェート2022
2022年10月14日
9月27日(火)から10月8日(土)にかけて開催されたAFCフットサルアジアカップクウェート2022は、フットサル日本代表の8年ぶりの優勝で幕を閉じました。まずは選手の皆さん、スタッフの皆さん、そして日本サッカー協会、Fリーグ、日本フットサル連盟、地域FA、応援をしてくださったファン、サポーター、現地まで来て我々の活動を伝えてくれたメディアの方々、皆さんに感謝を伝えたいと思います。
9月5日(月)から始まった高円宮記念JFA夢フィールドでの国内キャンプ期間中のバルドラール浦安との試合、島根・松江と愛知・豊田で開催されたフットサルブラジル代表との国際親善試合、そして大会直前のバーレーンでのトレーニングキャンプでフットサルバーレーン代表との国際親善試合など多くの関係者の皆様にサポートをいただき、アジアカップに向かうことができました。選手の皆さん、スタッフの皆さんはそのサポートに感謝し、それによる後押しを受けながら毎試合戦うことができました。
フットサルアジアカップの6試合は全てが決勝のような緊張とストレスがかかる試合でした。その中であれだけのパフォーマンスを発揮してくれた選手、そしてそれを引き出した監督、コーチングスタッフ、メディカル、メデイア、チーム総務の皆さんにも改めてこの場を借りて感謝を述べたいと思います。ありがとうございました。
今回のフットサルアジアカップ全体の特徴は、どのチームも次の2024年FIFAフットサルワールドカップを視野に入れて、前回大会のFIFAフットサルワールドカップリトアニア2021の本戦やアジア予選を戦ったメンバーから大幅に若い選手へシフト変更している点です。下記は2名以上23歳以下の選手を今回の登録メンバーに入れ、継続的な強化を意図的に進めている国々です。
国 | 選手名 | 年齢 |
---|---|---|
IRAQ | MOHANAD ABDULHADI | 20歳 |
GHAITH RIYADH | 23歳 | |
THAILAND | PANURAT OLAN | 23歳 |
CHAROONDEJ MUENTHIANG | 22歳 | |
UZBEKISTAN | ELBEK TULKINOV | 22歳 |
SHAKHRAM FAKHRIDDINOV | 20歳 | |
DAVLAT IBRAGIMOV | 22歳 | |
IR IRAN | SALAR AGHAPOUR | 22歳 |
MOHAMMADHOSSEIN BAZYAR | 18歳 | |
LEBANON | HUSSEIN HAMIEH | 21歳 |
STEVE KOUKEZIAN | 23歳 | |
CHINESE TAIPEI | LIU JU-MING | 21歳 |
HSIEH CHIN-CHENG | 22歳 | |
WANG KUN-WEI | 22歳 | |
CHEN CHING-HSUAN | 23歳 | |
TAI WEI-JEN | 22歳 | |
CHEN WEI-CHUN | 22歳 | |
INDONESIA | MUHAMMAD RIZKI XAVIER | 23歳 |
DEWA RIZKI AMANDA | 22歳 | |
WENDY BRIAN | 23歳 | |
FIRMAN ADRIANSYAH | 22歳 | |
日本 | 金澤 空 | 20歳 |
原田 快 | 18歳 | |
井戸 孔晟(バックアップメンバー) | 19歳 | |
宮川 泰生(バックアップメンバー) | 21歳 | |
VIETNAM | CHAU DOAN PHAT | 23歳 |
NHAN GIA HUNG | 20歳 | |
SAUDI ARABIA | HUMOOD ALDAHHAN | 23歳 |
MESHARI ATIF ALOBID | 22歳 | |
FAHAD MUHALHIL RUDAYNI | 23歳 |
16チーム中10チームで、2名以上若い選手を活用している現状があります。特に他国は22歳から23歳の選手が多く入っており、AFC U20フットサル選手権イラン2019で同国のU20代表としてプレーしてきた選手がそのままトップの代表へ昇格しているケースが目立ち、どの国もU20代表とトップの代表のブリッジをしっかりと持ってきている印象があります。これはアジア諸国全体のレベルアップにも大きく影響すると思いますので、ライバル国の強化が進むことによってアジア内で勝つことが難しくなりますが、ワールドカップでの戦いを考えればアジア大陸のレベルが上がることは重要と考えています。
今回、日本はさらにその一つ下の世代の選手(2021年AFC U20フットサル選手権 ※新型コロナの影響により開催中止)をこのチームに融合させ、2名の育成枠の選手も含めて経験を積んだことになります。ただ現時点では、この21歳~23歳世代の選手たちの国際経験や競争力の強化は日本の課題でもあるので、来年度以降にその選手たちへの強化プランも推し進めていくつもりです。
下記は準決勝のウズベキスタン戦と決勝のイランのジェネラルスタッツです。
スタッツを見てわかるのは、やはり決勝のイラン戦では、攻撃の主導権が相手にあった中で、素晴らしい守備から勝利への活路を見出した戦い方が出来たのだと思います。木暮賢一郎監督も話しておりましたが、このイランに対して、攻撃の主導権をどうやって握っていくのかを今後の一つの課題として取り組んでいく必要があります。
そのためにも、またワールドカップでの目標達成を考えると、育成年代における個人能力の開発やタレントの発掘といった分野での取り組みが今後の鍵を握るのは間違いありません。今年から実施するフットサルU18トレセンの取り組み(11月と12月)やFリーグクラブでのU18、U15世代の強化・育成をどのようにリーグとJFAが連携していくかを議論する強化育成部会も今年の10月からスタートします。
2021年11月より木暮監督、高橋健介、須賀雄大の両コーチ、内山慶太郎GKコーチ、馬場源徳フィジカルコーチの新体制で始まった代表チーム。最も大きな成果目標である2036年FIFAフットサルワールドカップで優勝することを念頭におきながら、短期的な視野・考察を行い、まずは2024年FIFAフットサルワールドカップでベスト8以上を勝ち取ることがこのチームの当面の目標です。このAFCフットサルアジアカップクウェート2022の優勝は通過点として、さらなる飛躍をするためにFリーグ、連盟、地域との連携をより強固にし、日本フットサル全体で最大の目標に向かって突き進んでいきます。
JFAフットサルテクニカルダイレクター
小西鉄平
AFCフットサルアジアカップクウェート2022
大会期間:2022年9月27日(火)~2022月10月8日(土)
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