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なでしこジャパン、高倉麻子新監督「世界をリードするサッカーを」
2016年04月28日
日本サッカー協会は4月27日(水)、なでしこジャパン(日本女子代表)新監督としてU-20日本女子代表の高倉麻子監督の就任を発表しました。男女を通じてトップカテゴリーで初の女性指揮官となった高倉新監督は東京のJFAハウスで会見に臨み、「ワールドカップやオリンピックで良い成績を残すだけでなく、世界の女子サッカーをリードするサッカーを是非やりたい」と笑顔で抱負を語りました。
今月48歳になった高倉監督は、現役時代は読売サッカークラブベレーザ(現日テレ・ベレーザ)やアメリカなどでプレー。代表チームでは16歳でデビューすると、2度のFIFA女子ワールドカップ(1991、1995年)とオリンピック(1996年)を含めて79試合に出場して30得点をマークし、現在の女子サッカーの礎を築いてきた一人です。
2008年以降は年代別代表チームの指導を担当し、2013年にU-16日本女子代表監督に就任すると同年のAFC U-16女子選手権2013で優勝。翌年にはFIFA U-17女子ワールドカップ2014で日本を初優勝に導き、現在はU-20日本女子代表監督を務めています。また、今年11月に開幕するFIFA U-20女子ワールドカップにはアジア王者としての日本の出場が決まっており、高倉監督はこの大会終了も同代表の指揮官として兼務することになります。
田嶋幸三日本サッカー協会会長は、「この人しかいない。高倉さんが引き受けてくれて嬉しく思う。2019年FIFA女子ワールドカップ、2020年東京オリンピックへ向けて強化を進めて欲しい。なでしこジャパンが勝つことが女子サッカーへの発展の後押しになる」と、大きな期待を寄せています。
高倉監督はなでしこジャパンでの新たな挑戦に、「後輩が大きな花を咲かせてくれたので、バトンが戻ってきたら受けようと考えていました。光栄です」と話し、「素晴らしい成績を収めてきた選手たちと若手を融合して、新しく強いなでしこジャパンをつくっていきたい。日本人しかできないサッカーを追求したい」と力強く語りました。
また、代表選手の選考基準については、「日本代表はその時に一番良いパフォーマンスをしている選手が基準。年齢で区切ることはしたくない。選手に競争してもらいながらチームをつくりたい」と述べました。
なでしこジャパン監督としては、6月に予定されているアメリカ遠征での同国女子代表との2連戦が初陣になります。
新指揮官は、「2020年の東京オリンピックでメダルを獲ることが大きな目的。そのスタートをなるべく早く切りたい。世界ランク1位のアメリカはこの上ない対戦相手。自分たちが持っている力で何ができるか、何が足りないかを見たい」と話しています。
会見に同席した今井純子JFA女子委員長は、「国際マッチデーをもっと活用して、活動を増やしていく必要がある」と話し、なでしこリーグとも連携を取りながら今後の女子代表チームの活動計画を立てる意向を示しました。
コメント
高倉麻子 なでしこジャパン(日本女子代表)監督
なでしこジャパンが先日のオリンピック予選で敗退したことは悔しく残念ですが、今まで佐々木監督をはじめ選手たちが積み上げてきた数々の栄光が消えるものではなく、素晴らしい業績です。私の役目は今まで積み上げてきたものにさらに磨きをかけて、もっと高いところへ選手を連れて行くことだと考えています。日本人は器用で勤勉で頭が良く、人のために組織として大きな力を発揮でき、それが2011年FIFA女子ワールドカップ優勝でなでしこジャパンの大きな力になっていました。その点を大切にしながら、日本人にしかできないサッカーを選手と共に追求したいです。最近は世界各国が互いの手の内を知りながらプレーしている状況です。日本のスタイルを崩さずに、シュートへの意識やコンビネーションなどペナルティボックスでの質を上げる必要がありますし、守備でも組織や個の力を上げて行かないとなりません。攻守でアグレッシブなサッカーに磨きをかけるためにも、選手がグランド上で思考を止めずに状況判断をして、チームが連動するサッカーをしていきたいと考えています。
田嶋幸三 日本サッカー協会会長
高倉さんがなでしこジャパンの監督を引き受けてくれたことを本当にうれしく思います。新監督は外国人でも男性でもよかったのですが、高倉さんはなでしこジャパンを勝たせることができる可能性が一番高く、これまで素晴らしい実績を残してきたことが今回の就任に繋がっています。2019年のFIFA女子ワールドカップ、2020年の東京オリンピックへの強化をスタートさせてほしいですし、なでしこジャパンとU-20代表と両方で良い成績を残していただけるように、我々も全面的にサポートします。これから女子の時代にしていかなくてはいけないと思っています。女子サッカーの登録人口は2011年にワールドカップ優勝でそれまでの1.5倍になりましたが、登録人口では全体の5%です。これを30%以上にできるような長期的マスタープランの立案を今井女子委員長に頼んでいますが、なでしこジャパンが勝つことが女子サッカーの発展へ、なによりの後押しになります。高倉監督と選手たちには頑張っていただきたいと期待しています。
今井純子 日本サッカー協会女子委員長
なでしこジャパンは今年のオリンピックへの出場を逃しましたが、ここで女子サッカー発展の歩みを止めることなく、これをステップにさらに大きく発展したいと考えています。女子委員会でこれまでの総括と方向性について協議を重ね、それに基づいてなでしこジャパン新監督についての結論を出しました。高倉監督は選手としてオリンピック、ワールドカップ出場経験があり、指導者としてもAFC U-16女子選手権優勝、FIFA U-17女子ワールドカップ優勝、AFC U-19女子選手権優勝など輝かしい成績を残しています。また、育成年代からの指導を通じて、日本だけでなく世界のトップレベルの若手選手のスタンダードも把握し、FIFAやAFCのテクニカルスタディグループの一員として多くの国際大会で視察分析を重ねてきたことで、次に戦う場のイメージがしっかりできています。日本女子サッカーへの情熱が強く、なでしこのサッカーをさらに発展させていくことができる監督と期待しています。女子委員会としてもこのチャレンジの成功へ、最大限のサポートをしていきます。
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