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【Match Report】なでしこジャパン、スウェーデンに敗れ4強入りならず FIFA女子ワールドカップ2023

2023年08月12日

【Match Report】なでしこジャパン、スウェーデンに敗れ4強入りならず FIFA女子ワールドカップ2023

なでしこジャパン(日本女子代表)は8月11日(金)、ニュージーランド・オークランドで行われたFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023 ノックアウトステージ準々決勝 スウェーデン女子代表戦に臨み、1-2で敗れました。

日本はラウンド16のノルウェー女子代表戦から1人のみ先発を変更し、左ウイングで杉田妃和選手が先発。今大会5得点中で好調な宮澤ひなた選手と藤野あおば選手、田中美南選手が前線でゴールを狙いました。オークランドは連日雨が降っていましたがこの日は晴れ、43,217人が集まったイーデンパークは満員の中でキックオフを迎えました。

序盤はスウェーデンがボールを保持して日本が耐える時間となりましたが、高橋はな選手の強靭なヘディングでクリアするなど、集中した守りを見せます。28分には左サイドの宮澤選手から清水梨紗選手に大きく展開し、クロスを上げましたが、これはシュートに結びつきません。すると32分、スウェーデンのFKからアマンダ・イレステット選手がルーズボールを押し込んで先制しました。今大会初めて先制点を与えた日本イレブンでしたが、すぐに円陣を組んでこの反省を生かそうと戦い続けます。42分にはコソバレ・アスラニ選手の強烈なミドルシュートをGK山下杏也加選手が好セーブ。0-1で前半を終えました。

日本は遠藤純選手を後半頭から投入して攻めの姿勢を見せますが、スウェーデンのCKで日本ゴール前に入ったボールが、長野風花選手の手に当たったとして、VARによってスウェーデンにPKが与えられます。これをフィリパ・アンイエルダール選手が決め、日本は51分に0-2とリードを広げられました。その直後、池田太監督は植木理子選手をピッチに送り出すと、日本が相手陣内でボールをつなぐ回数が増え、藤野選手、長谷川唯選手が積極的にシュートを放っていきます。74分には植木選手がペナルティエリア内右で倒されてPKを獲得しましたが、植木選手のキックはクロスバーに当たりゴールはなりませんでした。86分に獲得したFKも藤野選手が直接狙いましたがこれもクロスバーに直撃。会場内で時折ニッポンコールが起きる中、日本がゴールを奪ったのは87分、途中出場した清家貴子選手のシュートが相手選手に当たってこぼれたボールを林穂之香選手が押し込み、1-2と迫ります。日本はその後も攻めてスウェーデンゴールを脅かしましたが、後半アディショナルタイム10分が経過してタイムアップとなり、1-2で準々決勝敗退が決まりました。

日本は2011大会以来の優勝を目指して戦い、前回大会の成績を上回りましたがベスト8で今大会を終えました。なでしこジャパンは、9月23日(土・祝)の国際親善試合 アルゼンチン女子代表戦(北九州スタジアム)や、約1年後の第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)に向け、強化を進めていきます。

監督・選手コメント

池田太 監督(なでしこジャパン)
勝利したスウェーデンチームにおめでとうと言いたいです。前半は中盤の選手を捕まえられて(マークが)ずれたところを使われ、我々もプレッシャーをかけていきましたが、(スウェーデンは)長いボールで前線の選手を走らせてきました。その修正に少し時間がかかった印象です。プレスの強度や奪い切る力を、チームとしても個人としても上げないといけないと感じました。大会中は選手やチームの成長があり、なでしこジャパンのサッカーを世界に示すことができましたが、ここで敗れたのも事実です。この大会に向けた選手の取り組みは本当に評価すべきことですし、一緒に戦えたことを誇りに思っています。

GK #1 山下杏也加 選手(INAC神戸レオネッサ)
相手のセンターフォワードが自由に動くので、クロス対応をしなければいけない時に、なるべく3バックは外に引き出されないようにと思っていました。でも少し後手を踏んで浮いている選手に対しプレスに行きづらかったので、そこを前半で改善できたらよかったです。セットプレーを与えたのも、もったいなかったです。お互いにいいサッカーでしたし、自分が見た中では1番いい試合で、みんな力は出し切ったと思います。特に後半のニッポンコールは、今までのサッカー人生でも聞いたことなくて、もう1回この舞台に戻りたいと思わせてくれました。

DF #3 南萌華 選手(ASローマ/イタリア)
相手によく分析されていて、私たちの3バックの脇を引き出して背後を突いたり、マークをつかみにくい位置に選手を置いてきたり、守備で後手を踏むシーンが多かったです。それを前半で改善できず、攻撃につなげることができませんでした。(宮澤)ひなたや(藤野)あおばを守備で頑張らせてしまい、攻撃の時に距離ができてしまいました。もっとチームの力になるため個人の成長を図って、この悔しさを糧にしていつかリベンジしたいです。大会が終わってほしくないくらいこのチームが大好きでした。足りなかった部分をしっかり認めて成長につなげたいと思います。

DF #4 熊谷紗希 選手(ASローマ/イタリア)
悔しいです。同点のチャンスはいくつもありましたが、結果として届かなかったので、やっぱり自分たちが先に進むには何かが足りなかったのかなと受け止めるしかないです。それでも、ここまで戦ってくれた仲間たちに感謝したいです。スウェーデンはセットプレーが強みだと知っていたので、できるだけファウルをしないようにと思っていましたが、悔しいです。本当にいいチームだったのでもっともっと先に進みたかったです。成長しなければいけない部分はありますが、世界と戦えるなでしこジャパンを見せられた大会にできたと思います。

MF #15 藤野あおば 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
前半は相手の戻るスピードが速く守備の意識も高くて、カウンターなど自分たちの強みが出せず、ボールを前に運ぶためにスピードだけじゃどうにもならないと感じました。アイデアを加えなきゃいけないところでしたが、カウンターに関しては攻撃の糸口が見つけられませんでした。後半はボールを奪う位置が高く、ゴール前の人数が増えて得点になったのはよかったですが、そこにたどり着くまでが遅かったです。どのシーンもそうですが(FKがクロスバーに当たる)あの流れから得点や日本の流れにつながったと思いたい部分もあるので、これからも磨きをかけていきたいです。

MF #16 林穂之香 選手(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)
初めて先制されてもベンチから常に声をかけていましたし、得点チャンスも作っていましたが、あと1点が遠かったとすごく感じます。残り時間が少ない中でしっかりボールを拾い、(相手のチャンスを)潰してボールを散らすなど前線の活性化を意識してピッチに入りました。ゴール前に詰めるのは得点パターンとしてあると思っていたので、しっかり決め切れたのがよかったですが、もう1点が欲しかったです。ワールドカップの大きさを実感し、こんなに素晴らしい舞台はないと思いましたし、またこの大会を目指して次は優勝を実現できる実力をつけて帰ってきたいです。

FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

大会期間:2023年7月20日(木)~2023年8月20日(日)
グループステージ
 第1戦 7月22日(土) ◯ 5-0 vs ザンビア女子代表
 第2戦 7月26日(水) ◯ 2-0 vs コスタリカ女子代表
 第3戦 7月31日(月) ◯ 4-0 vs スペイン女子代表
ノックアウトステージ
 ラウンド16 8月5日(土) ◯ 3-1 vs ノルウェー女子代表
 準々決勝 8月11日(金) ● 1-2 vs スウェーデン女子代表

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