高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025は12月6日(土)と7日(日)に第21節を実施。いぶきの森球技場（人工芝）では首位のヴィッセル神戸U-18（兵庫）と2位のサガン鳥栖U-18（佐賀）による首位攻防戦が行われました。

ピックアップマッチ

ヴィッセル神戸U-18 2-1（前半0-1、後半2-0） サガン鳥栖U-18

3年連続で2位が続く神戸にとって、今節は勝てば優勝が決まる大一番。「1年生、2年生のころに悔しい思いをしてきた。今年を逃したら自分たちには（優勝の）チャンスがないと思っていた」とMF濱﨑健斗選手（#10）が話すように、並々ならぬ思いでこの一戦に臨んだ神戸でしたが、序盤は逆転優勝を狙う鳥栖の勢いに飲まれます。

鳥栖は、今季トップチームでも奮闘したFW新川志音選手（#10）が、プレミアリーグの残り2試合に向けてU-18に合流。その新川選手は開始2分にロングボールから神戸DFの背後をとってシュートに持ち込むなど、さっそく攻撃に違いを生み出します。

中盤ではMF東口藍太郎選手（#8）とDF原口幸之助選手（#6）のドイスボランチがパスを散らし、サイドから攻撃を仕掛けていきます。試合が動いたのは21分です。中盤でFW真殿京佑選手（#22）からパスを受けた新川選手が2人をかわしてドリブルを開始。「冷静に相手をかわすことができて、前を向いたときにゴールが空いていた。シュートを打ったときに入った感覚があった」と振り返る豪快な一撃がゴールネットを揺らし、鳥栖が幸先の良いスタートを切りました。

「構えたわけでも受けたわけでもないけれど、相手に少し勢いがあった」。安部雄大監督がそう振り返る神戸は、前半の半ばからテンポ良くボールを動かす場面が増えていきます。1点ビハインドで前半を終えましたが、「優勝しか見ていなかった」と濱崎選手は振り返ります。

後半は、神戸が鳥栖陣内で試合を進め、同点への意欲を見せます。49分にはFW川端彪英選手（#15）がシュートに持ち込むなど、途中出場の選手が攻撃を活性化させます。60分にはペナルティーエリアの右でボールを受けた濱﨑選手が強烈なミドルシュートを放ちましたが、クロスバーに阻まれゴールはならず。70分には、CKからFW渡辺隼斗（#9）がヘディングシュートを狙いますが、これもGKに阻まれ、得点には至りません。

それでも神戸は諦めず攻め続けると、90+5分には左サイドを突破したMF瀬口大翔選手（#8）が中央に展開。ゴール前で混戦となったところを濱﨑選手が冷静に決めて、同点に追いつきました。

神戸は3年前、同じ第21節に、勝てば優勝が決まるシチュエーションで1-1から追加点を狙いにいった隙を突かれて失点し、1-2で敗れました。この後、最終節に勝利するも、勝ち点で並んだ鳥栖に得失点差で及ばず、2位で終わるという悔しい経験をしました。そのときの状況を踏まえ、安部監督は「今節は引き分けで試合を終え、次の試合に勝てばいいとも考えていた」と振り返りますが、選手たちはあくまでも勝利を目指します。

迎えた90+11分、川端選手のパスを受けた瀬口選手がゴール前に入れると、最後は濱﨑選手が決め、土壇場で勝ち越しに成功。この直後にタイムアップの笛が響き、神戸が8年ぶり3回目となるプレミアリーグWEST制覇を達成しました。

監督・選手コメント

安部雄大 監督（ヴィッセル神戸U-18）
アディショナルタイムが10分あったので1点は返してくれると信じていましたが、まさか2点取るとは思っていませんでした。優勝するまで長かったですね。監督に就任して、今節でプレミアリーグ87試合目ですが、苦しかったです。自問自答を繰り返し、戦い方を模索する中でさまざまな感情があったのですが、最後はブレてはいけないと思いました。相手陣内でボールを保持して、崩し切るサッカーを目指し続けて良かったです。

MF #8 瀬口大翔 選手（ヴィッセル神戸U-18）
3年連続2位に甘んじていたので、今回優勝が決まった瞬間はとてもうれしかったです。安部監督からキャプテンを任されて、責任感を感じながらこの1年取り組んできたことが優勝という形で最後に実って涙がこみ上げました。今年はチーム全員がリーダーシップを持っていました。負けて苦しい時期もありましたが、そうしたときにミーティングを開くなど、全員が立て直そうという気持ちを持っていましたし、同じ方向を向いていたからここまで来ることができました。

日高拓磨 監督（サガン鳥栖U-18）
立ち上がりから良いゲームができていたのですが、途中で相手のペースになってしまい、力不足だと感じました。後半は押し込まれた展開になっても我慢し、点を取りいこうとは思っていたのですが、なかなか前にボールが入らず、苦しい展開になりました。少しずつ選手の運動量が落ちてくると、テクニックやドリブルの質が高い相手にボールを持たれる時間が増え、こちらはセカンドボールが拾えませんでした。90分を通して戦うことの重要性を痛感しました。

FW #10 新川志音 選手（サガン鳥栖U-18）
今年はトップチームでプレーすることが多かったですが、ユースでプレーしたい気持ちもありました。今回、それが叶ったことはうれしいです。今節の神戸戦が最も大事な試合だと分かっていたので、勝つために自分がゴールを奪いたかった。実際にゴールを決めることができた部分は良かったのですが、得点した場面以外にもチャンスがあったので、それをものにしていればチームに勝利をもたらすことができたはずです。開幕戦と今日の試合に出場して、チームを勝たせることができなかったのは自分の責任だと思います。

その他の試合結果

EAST
鹿島アントラーズユース 3-1（前半1-0、後半2-1） 青森山田高校
横浜FCユース 3-1（前半2-1、後半1-0） 市立船橋高校
昌平高校 2-0（前半2-0、後半0-0） 柏レイソルU-18
前橋育英高校 2-1（前半1-0、後半1-1） 東京ヴェルディユース
FC東京U-18 2-2（前半0-2、後半2-0） 流通経済大学付属柏高校
川崎フロンターレU-18 5-2（前半2-2、後半3-0） 浦和レッズユース

WEST
アビスパ福岡U-18 2-0（前半1-0、後半1-0） 帝京長岡高校
静岡学園高校 0-1（前半0-0、後半0-1） 神村学園高等部
名古屋グランパスU-18 2-2（前半0-0、後半2-2） 大津高校
ファジアーノ岡山U-18 3-0（前半2-0、後半1-0） 東福岡高校
サンフレッチェ広島F.Cユース 1-2（前半1-1、後半0-1） ガンバ大阪ユース

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式X

大会期間：2025年4月5日(土)～2025年12月14日(日)
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