ピックアップマッチ

流通経済大学付属柏高校　1-3（前半0-1、後半1-2）　JFAアカデミー福島

高円宮杯U-18プレミアリーグのEAST第13節が9月5日（土）、6日（日）に行われ、最下位と苦しんでいたJFAアカデミー福島（静岡）は3-1で8位の流通経済大学付属柏高校（千葉）を破り、残留争いの直接対決に勝利しました。

立ち上がりから試合のペースを握ったのは、アカデミー福島でした。9分、右CKを主将の牧野潤が決めて先制。対する流経大柏は前半から積極的な選手交代を行いましたが、なかなか好機をつくれませんでした。それでも後半開始早々にFW兼田晏音睦選手がゴール前の混戦から同点弾を押し込んで追いつきましたが、56分にはアカデミー福島が右サイドを攻略。MF谷口憧斗選手のパスを受けたDF宮本英治選手が中央へ切り込みながら左足のシュートを決めて勝ち越しました。流経大柏は63分に右CKをDF本村武揚選手が合わせましたが、相手にブロックされ得点にはなりませんでした。そして65分、アカデミー福島は右サイドで攻撃参加したMF清水颯人選手からパスを受けた谷口選手がターンから思い切ってシュートをたたき込んで勝敗を決定付ける3点目を奪いました。流経大柏は、終盤に攻撃的な布陣に変更して対抗しましたが、試合終了間際にMF本田憲弥選手が放ったミドルシュートも相手GKに阻まれ、反撃のきっかけをつかみきれないまま試合終了を迎えました。

アカデミー福島は、開幕から6連敗を喫するなど苦しんでいました。これについて、眞中幹夫監督は「各選手が良いポジションを取り、パスを回して相手を崩すというサッカーに取り組んでいる。しかし、春は相手に合わせた戦い方ばかりになってしまった。そこで、自分たちのスタイルを持たないときから相手に合わせていたら結果は出ないだろうという話をして、目指すサッカーへの挑戦を積み上げてきた」と原点回帰を図ったことを改善の要因に挙げました。

最下位に転落した流経大柏から7位の柏レイソルU-18（千葉）までは勝点1差で緊迫感が漂います。次節は流経大柏と柏レイソルが対戦。残り5節となり、残留争いも一層激しいものになりそうです。

監督・選手コメント

眞中幹夫 監督（JFAアカデミー福島）
残留争いの一戦だという事実は受け止めますが、選手たちにとって最も大切なのは、この試合を通して1ランク上、2ランク上へと成長していくこと。ですから、試合前には「この試合で勝点を取らなければならない」という話はしませんでした。選手が練習で積極的にチャレンジする姿勢を見せていたので、良い結果が出るのではないかという期待は持っていましたし、実際にしっかりと表現してくれました。

谷口憧斗 選手（JFAアカデミー福島）
いままで全然勝てなかったので、勝ち切るサッカーを目標にやってきました。大きな1勝だと思います。先制点の場面は最初にファーサイドを狙おうと考えたのですが、手前で宮本(選手)がフリーになっていたので（ボールを）渡しました。僕自身は、シュートをたくさん打って行こうと考えていましたし、3点目は思い切って打ちました。監督が代わったことや、負傷者が多かったことで、シーズンの序盤はチームに自信がありませんでしたが、いまは目標に向かって進んでいる実感があります。

清水颯人 選手（JFAアカデミー福島）
サイドハーフではなくサイドバックでの出場となり、少し緊張しましたが、いつもどおりにプレーすれば大丈夫だと信じていました。相手がロングボールを蹴ってくるので、守備のバランスを見ながら攻撃参加を狙うようにしました。開幕後6連敗で強い危機感がありましたが、夏前から、相手に合わせてばかりでなく、アカデミーらしく主導権を握ろうと考えるようになりました。今日も最後は相手に合わせてしまったので、もっとクオリティーを上げたいと思います。

栗島健太 選手（流通経済大学付属柏高校）
勝って勝点差を広げたいゲームでした。守備でリズムをつくって戦いたかったのですが、早い時間に失点をしたことが崩れた原因ではないかと思います。攻撃はサイドから崩したかったのですが、なかなか突破ができず、連動した動きではなく、単発になってしまいました。運動量も落ちていて、走り勝つことができませんでした。

菅原俊平 選手（流通経済大学付属柏高校）
前節は守備面で改善の手ごたえがあったのですが、今日の試合はそれがウソのように機能しませんでした。自分のところでボールを奪えませんでしたし、スピードを生かし攻撃に出る相手にやられてしまいました。これから、柏レイソルU-18、市立船橋高校と千葉勢との対戦が続きますが、勝利を挙げられるように頑張りたいと思います。

その他の試合結果

青森山田高校　2-1（前半0-0、後半2-1）　市立船橋高校
コンサドーレ札幌U-18　1-0（前半0-0、後半1-0）　清水エスパルスユース
鹿島アントラーズユース　1-2（前半1-1、後半0-1）　大宮アルディージャユース
FC東京U-18　2-0（前半2-0、後半0-0）　柏レイソルU-18

大宮アルディージャユース（埼玉）は、3位の鹿島アントラーズユース（茨城）との上位対決を制して首位を堅持しています。2位の青森山田高校（青森）も4位の市立船橋高校（千葉）との上位決戦を2-1で制し、大宮と同じ勝点でしっかりと順位をキープ。5位のFC東京U-18（東京）は、得点ランクを独走する佐藤亮選手の2得点で柏レイソルU-18を下しています。佐藤選手は通算ゴール数を14に伸ばしました。8位のコンサドーレ札幌U-18（北海道）は、清水エスパルスユース（静岡）を1-0で破って残留の可能性を広げました。上位、下位ともに混戦で、見どころの多い終盤戦となりそうです。