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第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会 長野県で2回戦2試合を開催
2017年11月04日
第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会の2回戦2試合が11月3日(金・祝)、長野県の佐久総合運動公園陸上競技場で行われました。
ピックアップマッチ1
浦和レッズレディース(なでしこ1部/埼玉)8-0(前半5-0、後半3-0)日体大FIELDS横浜サテライトB(関東5/東京)
第1試合では、浦和レッズレディース(なでしこ1部/埼玉)と、日体大FIELDS横浜サテライトB(関東5/東京)が対戦しました。
普段は東京都女子サッカーリーグ1部を戦う日体大Bは、なでしこリーグ1部で上位を争う強豪相手に、低く構えて守備を固め、速攻を狙います。浦和にボールを回されながらもテンポに慣れてくると、回数は少ないながらも反撃に転じ、遠目からでも積極的にシュートを放つ場面もありました。
対する浦和は左右に大きくボールを動かし、相手の守備網を広げてゴール前にボールを入れようとします。すると試合は、意外な形で動きました。23分、ゴール前でボールを拾った加藤千佳選手のシュートは決して強くなかったものの、日体大BのGKが足での処理を誤りゴールイン。これで落ち着いた浦和は3分後、右から左へ展開し、クロスから安藤梢選手が追加点。今夏にドイツから戻り、8年ぶりの皇后杯を戦う安藤選手は、40分にもゴールを奪います。浦和はさらに大きく動かしたボールに遠いサイドから入り込んでくる選手が合わせる形でさらに2点を追加し、前半のうちに5点のリードを奪いました。
後半に入り、日体大は2トップに布陣を変更して状況の打開を狙います。前に進む意識を高めた日体大Bに対して、浦和はボールをスペースへと運びます。そしてさらに人も飛び出していき、クロスバーを叩いた一撃など、MFの猶本光選手は後半開始から4分間で2度もボックス内からシュートを放ちます。2トップに加えてボールサイドと反対側のサイドハーフが前線に張る浦和は、前がかりになる日体大Bの背後を突く形も用い、後半だけでも3点を追加。前後半合計35本のシュートを放って、8-0と圧勝しました。
JFA-TV [ フルマッチ映像 ]
ピックアップマッチ2
日テレ・ベレーザ(なでしこ1部/東京)6-0(前半2-0、後半4-0)JFAアカデミー福島(東海5/静岡)
第2試合では、今年のなでしこ1部を制した日テレ・ベレーザ(なでしこ1部/東京)と、JFAアカデミー福島(東海5/静岡)が対戦しました。
昨年4強のベレーザに対して、アカデミー福島はゴール前に堅固なブロックを築いて守備から入りました。全員で声をかけ合い、緊密な距離を保ちながら全体が素早く左右にスライドして、スペースを消しにかかります。その組織に対して、ベレーザの選手は中盤からの飛び出しなど個々が自由に動いて、相手選手の間に巧みに入り込みます。食らいついてくるアカデミー福島の選手相手に、巧みにボールをキープして何とかスペースをつくろうとするベレーザ。アカデミー福島のGKの好守に何度か防がれた後、ベレーザがついに試合を動かします。16分、ボックス手前でボールを持った田中美南選手が、自ら相手ゴールへとドリブル。相手DFをするするとかわすと、ゴール右隅へと冷静にシュートを流し込みました。
ベレーザはその後もほぼ相手陣内だけでプレーを続けるものの、アカデミー福島の集中力高い守備を打ち破るには至りませんでした。しかし、そのまま前半が終わるかと思われたアディショナルタイム、ベレーザは右サイドでのパス交換で相手を振り回し、最後はサイドバックの宮川麻都選手がクロス。ファーサイドに飛び込んだ長谷川唯選手が頭で合わせて、リードを広げて前半を終えました。
後半に入ると、ベレーザはさらに中盤の低い位置からの早めのロングパスで最終ラインの裏を狙うなど、揺さぶりの幅を広げます。そうするうちにスペースも広がり始め、62分には田中選手が右クロスに頭で合わせて追加点。その5分後には自らのロングパスからつかんだCKで、岩清水梓選手がチーム4点目を決めました。81分にはアカデミー福島がついにこの試合初のシュートにつなげたものの、逆に86分に中盤からボックス内に飛び出した阪口夢穂選手がゴールネットを揺らし、ベレーザがスコアを5-0とします。さらにアディショナルタイムには田中選手がハットトリックとなるゴールでチーム6点目を挙げて、大勝となる試合を締めくくりました。
JFA-TV [ フルマッチ映像 ]
2回戦の残り14試合は11月4日(土)と5日(日)に各地で行われ、ベスト16が出そろいます。
監督・選手コメント
柳明基 監督(日体大FIELDS横浜サテライトB)
守備的に耐える時間が多くなると思っていたので、少しラインを低めにしていこうと伝えていました。それでもあれだけ(シュートを)打ち込まれたので、後半はチャレンジャー精神を持って、気持ち良く本来の自分たちの形を少しでも出そうと話しました。最初は相手の名前に怯んでいましたが、試合が始まると一生懸命やっていました。まだまだ攻撃の精度は高くないし、本職のGKもいません。それでも東京都予選からミラクルを起こし続けてきたのだから、よくやったと思います。現実的な目標だと思っていた1回戦突破を越えて、こういう舞台でなでしこ1部の上位チームと真剣勝負ができるということは、選手たちの財産になると思います。トップチームはなでしこ2部で優勝したので、来年はなでしこ1部で浦和と対戦します。今日試合に出た1年生や2年生がそのメンバー争いに割って入り、今日の経験を生かせるといいですね。
八鍬晶子 監督(JFAアカデミー福島)
まずはしっかり守って後半に得点を取れたらなと思っていたのですが、引き込んだ分、なかなかうまくカウンターを繰り出せませんでした。相手は個人の判断が素晴らしいので、抑えるためにはあれくらい引かなといけないと分かっていました。奪った瞬間のカウンターへの意識やパワーが足りなかったので、後半はそこをもう一度やっていこうと話しました。相手がピッチ上でローテーションのように動いてもしっかりマークを受け渡すなど、よく頑張ってくれてはいました。相手には速さと強さもあり、嫌なポジションに入ってこられましたが、想像を超えるそういう相手に対して、最後までしっかりと対処しようとしていたのは、今回の成果ではないかなと思います。それを今後に生かしていきたいです。
安藤梢 選手(浦和レッズレディース)
しっかり勝つだけではなく、自分たちのサッカーをするんだという意識を出せたかなと思います。相手が引いて守ってくるこういう試合は、何度も経験しています。その中でも決め切ることが重要かなと思います。最初は入りませんでしたが、自分としては焦らずやっていました。1点入っても、さらにもう1点取りにいこうと皆で気を引き締めてやれたので、連続して得点できたと思っています。大学生と対戦したり、11時開始というこの皇后杯の感覚は、結構久々でしたね。レッズは皇后杯で優勝したことがないし、以前に私がいた時には決勝で負けました。ドイツでもカップ戦は盛り上がり、ケルンでの決勝には何万人も観客が入り、主要テレビ局で放映もされます。今年はリーグ戦とリーグカップで残念な思いをしたので、今回は皆でカップを掲げたいなと思っています。
田中美南 選手(日テレ・ベレーザ)
ボールを回しているだけでは点は入らないので、どこかで仕掛けていこうと考えていました。後半は割とスペースが空いてきて多くのチャンスをつくれましたが、欲を言えば全体的にもっと点が欲しかったですね。私の得点も、欲しい時間帯に取れたことは良かったのですが、もっと取れたと思います。ハットトリックしたことよりも、GKとの1対1を決められなかったことが頭に残っています。でも、ここで3点取ったからと浮かれず、反省してまた先につなげられることは良いことかもしれません。今年はリーグを制しましたが、皇后杯はこの3年間取れていません。絶対に取ってシーズンを終えたいと、全員が思っているはずです。
開催期間:2017/10/28(土)~2017/12/24(日)
1回戦 10月28日(土)、29日(日)
2回戦 11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
3回戦 11月11日(土)、12日(日)
準々決勝 11月18日(土)、19日(日)
準決勝 12月21日(木)
決勝 12月24日(日)