高円宮妃杯 JFA 第28回全日本U-15女子サッカー選手権大会は12月10日(日)に2回戦の8試合が行われました。磐田スポーツ交流の里 ゆめりあ球技場（サッカー場）では、WEリーグクラブのアカデミーが登場しました。

ピックアップマッチ1

ノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ 1-2（前半1-1、後半0-1） 十文字中学校

「関東リーグで対戦して勝てなかった相手ですし、手ごわかった」とノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ（関東3／神奈川）の藤巻藍子監督が試合後に語ったように、序盤に主導権を握ったのは十文字中学校（関東9／東京）でした。果敢な姿勢を見せると、13分には相手GKのクリアミスを拾ったFW曽雌心美選手が無人のゴールに正確なシュートをねじ込み、幸先よく先制します。

対する相模原もすかさず反撃。17分には木村小春選手が左サイドからCKを放つと、ニアサイドで佐藤桜咲選手が合わせて同点に追いつき、そのまま前半を折り返します。

後半、相模原は途中出場の友田歩花選手が何度もロングスローを投じてゴールに迫ろうとしますが、十文字の守備陣は粘り強い対応で跳ね返し続けます。

迎えた63分、十文字が勝ち越しに成功します。角野心花選手がドリブルを仕掛けると、ペナルティーエリア内で相手に足をかけられて倒れ、PKを獲得。これを角野選手自らが「強い気持ちで、狙いどおりに蹴ることができた」という冷静なキックで成功させました。

相模原も最後までゴールを目指しましたが、十文字の堅い守備を崩すことはできず、そのままタイムアップ。十文字が第20大会以来の準々決勝進出を果たしました。

ピックアップマッチ2

藤枝順心サッカークラブジュニアユース 1-2（前半0-1、後半1-1） セレッソ大阪ヤンマーガールズU-15

前日の1回戦で日テレ・東京ヴェルディメニーナとPK戦8-7という壮絶な試合を演じたセレッソ大阪ヤンマーガールズU-15（関西4／大阪）は、推進力のあるアタッカー陣にロングボールを放り込んでくる藤枝順心サッカークラブジュニアユース（東海4／静岡）の攻撃に苦しめられます。

それでも、牧之瀬歩選手が「セカンドボールを収めて自分たちの攻撃につなげることを意識した」と語るように最後尾から丁寧にパスをつないでリズムをつかむと、21分、CKの流れから四本帆夏選手がミドルシュートを放ち、クロスバーに当たった跳ね返りを拾った酒本玖波選手が押し込み、C大阪が先制に成功します。

藤枝順心は前半に1人目の選手交代を行うなど、こちらも連戦の疲れはありましたが、集中を切らさず戦います。しかし57分、C大阪はセットプレーのチャンスを得ると、玉村海乃選手のボールを中村心乃葉選手がフリックし、寺田莉紗選手が押し込んでリードを広げます。

藤枝順心も終盤に粘りを見せます。62分、太田音彩選手のシュートからこぼれたボールを内野悠来選手がヘッドで押し込み1点を返すと、後半アディショナルタイムにはゴール右側の好位置で直接FKを獲得。「諦めずにやり続けてくれたのは成長を感じた部分」と原田健人監督も評価する粘りを見せましたが、内野悠来選手の強烈なシュートは枠を捉えられず、その直後にタイムアップを迎えました。

監督・選手コメント

藤巻藍子 監督（ノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ）
1回戦で関東勢が次々に敗退したので、関東の代表として決勝まで勝ち上がりたかったですし、ここにいないメンバーの分まで戦いたいという思いで臨みました。どうしても今日で負けるわけにはいかなかったんですが、関東リーグの試合でも今年は十文字さんには勝てていなかったですし、手ごわい相手でした。決められたメンバーだけではなく、さまざまなメンバーが出場できたということについては来年度に向けて少し収穫があったと思います。

角野心花 選手（十文字中学校）
相模原とは関東リーグの試合で対戦して勝ったり引き分けたりしていて負けていなかったんですけど、けっこう厳しい戦いがありました。今回、この全国の舞台で戦って、裏のボールを入れられるなどして危ないシーンがありましたが、全員で戦って勝つことができたので良かったです。PKのシーンは、絶対に決めるという強い気持ちで蹴りました。コースも狙いどおりでした。自分のパフォーマンスは10点満点で7～8点ぐらいです。

原田健人 監督（藤枝順心サッカークラブジュニアユース）
丁寧にボールを回しながら崩してくるチームを相手によく耐えていたと思いますが、セットプレー絡みで失点してしまった部分に難しさを感じました。一方で、全く攻められなかったわけではないですし、守備からの良い攻撃は1年を通してやってきて、それがゴールにつながった点は収穫です。諦めずにやり続けてくれた点は成長を感じる部分ですが、点を取り切れないのが今後の課題だと思うので、次のステップで頑張ってほしいと思います。

牧之瀬歩 選手（セレッソ大阪ヤンマーガールズU-15）
運動量が多かった昨日の試合からの連戦で全体的に疲れがありましたが、前線からしっかりプレッシャーをかけられたことは良かったです。相手は前線に蹴ってセカンドボールを拾ってくる感じだったので、自分たちでセカンドボールを拾うように意識しました。拾った後に慌ててしまうと再び守備をしないといけなくなるので、ボールをしっかり収めて自分たちの攻撃につなげるように意識しました。次も全員でいい準備をして勝ち抜きたいです。

大会期間：2023年12月9日(土)～12月27日(水)
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