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「一つ一つ勝利を積み上げて優勝へ」清水梨紗選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)×近賀ゆかり選手(サンフレッチェ広島レジーナ)対談 皇后杯 JFA 第43回全日本女子サッカー選手権大会
2021年11月26日
皇后杯 JFA 第43回全日本女子サッカー選手権大会が11月27日(土)に開幕します。ここでは大会4連覇中の日テレ・東京ヴェルディベレーザの清水梨紗選手と、同クラブ出身で現在は新規チームであるサンフレッチェ広島レジーナでプレーする近賀ゆかり選手の対談を実施。右サイドバックとしてなでしこジャパン(日本女子代表)でも活躍した両選手に、お互いの印象やこれまでの皇后杯の思い出などについて語ってもらいました。
○オンライン取材日:2021年11月16日
――まずはお互いの印象からお聞きしたいと思います。
清水 私は育成組織のメニーナのときから、ベレーザ時代の近賀選手をお手本にしていました。メニーナがベレーザの試合でボールパーソンをする時、自分のポジションと近いエリアを担当するので、右サイドバックの近賀選手の近くに座って、ずっとプレーを見ていましたから。
近賀 それは初耳ですね(笑)。知らなかったです。
清水 だから自分のプレースタイルは近賀選手に似ているのかもしれません。オーバーラップの回数が多くて、その中でも守備での一対一が強い近賀さんは、自分が目指していたプレーと重なりますし、近賀選手や有吉佐織選手(現・大宮アルディージャVENTUS)など、いい先輩が近くにいたので、今思えばいい環境でサッカーを学んでいたと思います。
近賀 だいぶ気を遣って褒めてもらいましたね(笑)。
――近賀選手から見た清水選手の印象は?
近賀 清水選手は運動量が多くてボールが動かせる選手ですよね。自分がなでしこジャパンから離れても、やっぱりそのポジションは気になって見てしまいます。上下運動も苦にしない清水選手なので、ガンガン攻め上がっていいのにと思う時もたくさんあります。攻め上がりたそうに見える清水選手と、いつか話してみたいなと思っていました。
清水 もう、その通りです(笑)。思い返してみると、私の中でも攻め上がるタイミングを逃している時もあったように思いますし、ちょっと守備的に回りすぎてしまう時もあったので。それに気付いている選手はいるんだと改めて思いました。
近賀 やっぱり悩むよね。ベレーザの清水選手を見てもそうですけど、攻撃に関わる時はワクワクするので「もっと清水選手を使ってくれよ」と思う一方、代表では守備が重視される時もあるんです。自分も攻め上がりたいのにそれができない時もあったから分かりますね。
――二人はWEリーグ第3節で対戦し、2-0でベレーザが勝利しました。
清水 S広島Rは新しいチームですが、4-3-3のシステムを生かしてウイングの選手のスピード感などを武器にしていました。試合では勝てましたが脅威に感じる部分もあって、今までWEリーグで体験したことのないような試合をできて楽しかったです。
近賀 ベレーザにボールを回されるのは予想していましたが、ボールの動かし方に規則性があるようでなくて。ボールを取りにいこうとするとワンタッチ、ツータッチではがされてしまって、ボールを取りにいかないと誘ってくるような動きをするんです。久しぶりにベレーザと対戦しても、ベレーザはベレーザでした。サッカーの楽しさは感じましたが、めちゃくちゃ疲れました(笑)。
――過去の皇后杯で記憶に残っている大会はありますか。
近賀 間違いなく澤穂希さん(当時・INAC神戸レオネッサ)の引退試合になった第37回(2015年度)大会です。決勝戦で澤さんが決勝点を決めるという映画のような結末でした。
清水 私はあの大会、準決勝で負けたので観客として見に行きました。試合を見て興奮することはあまりないんですけど、あのゴールの瞬間は立ち上がって喜んじゃいました。
近賀 現実でこういうことが起きるんだなと感じましたけど、まさに選手生活の終わり方も澤さんらしいというか。もうあの大会以外に選択肢はないです。
清水 私は4連覇を達成した前回大会(2020年度)が記憶に残っていますね。4-3の打ち合いになった浦和レッズレディースとの決勝は、いろいろな人に「見ていて楽しかった」と言われますし、決勝であれほど多く点が入ることも少ないので、印象に残っています。
――皇后杯を勝ち抜くポイントはどこにあるのでしょうか。
清水 私たちベレーザは1回戦ではなく大会途中に初戦を迎えるので、そこはすごく大事です。相手はチャレンジャーとして向かってくると思うので、自分たちのペースで試合を進めることがポイントかなと思います。
近賀 自分はベレーザ時代に第37回(2010年度)大会の初戦で負けた経験があるので、その難しさは感じます。それと今大会はWEリーグのシーズン半ばでの開催で、みんなが初めての経験です。でも、全国のスタジアムを転戦していけば、いつもの皇后杯という雰囲気になって自然と選手のスイッチは切り替わるんじゃないかなと思います。
清水 それから、今大会は準決勝から決勝まで約2カ月空くので、その期間をどう過ごすかも難しくなる気がしています。
――最後に今大会への抱負をお願いします。
清水 もちろんベレーザは5連覇を目指しますが、リーグ戦とは異なり、負けたら終わりの状況で試合をできるのはすごく楽しみです。一つ一つ勝利を積み上げて優勝して、その後のWEリーグにもつなげていきたいです。
近賀 S広島Rは初戦の相手がリーグ戦で好調のマイナビ仙台レディースですが、一発勝負なのである意味楽しみです。私たちの前評判はそんなに高くないかもしれませんが、格上のチームにも積極的に戦って、ぜひ決勝でベレーザと対戦したいと思っています。
開催期間:2021年11月27日(土)~2022年2月27日(日)
【1回戦】11月27日(土)、28日(日)
【2回戦】12月4日(土)、5日(日)
【3回戦】12月11日(土)、12日(日)
【4回戦】12月25日(土)
【準々決勝】12月29日(水)
【準決勝】2022年1月5日(水)
【決勝】2022年2月27日(日)
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