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第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会 仙台と新潟が準々決勝進出を決める
2017年11月12日
11月11日(土)に第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会の3回戦4試合が開催されました。
ピックアップマッチ1
オルカ鴨川FC(なでしこ2部/千葉) 2-4(前半1-1、後半1-3)マイナビベガルタ仙台レディース(なでしこ1部/宮城)
広島県のエディオンスタジアム広島での第1試合では、オルカ鴨川FC(なでしこ2部/千葉)と、マイナビベガルタ仙台レディース(なでしこ1部/宮城)が顔を合わせました。
立ち上がりから「勝たなければいけないという中で少し硬さが見られた」(越後和男監督)仙台に対し、挑戦者のオルカはタイトな守備でボール奪うとすぐさま2トップにボールを展開し、少ないながらもチャンスをつくり出していきます。すると16分、右サイドからのクロスを永木真理子選手が押し込み、オルカが幸先良く先制します。
しかし、その1分後、仙台は左サイドからのクロスをケイトリン・フォード選手がゴールに突き刺し、試合を振り出しに戻します。その後は仙台が再三チャンスをつくりながらも、オルカの体を張った守備に阻まれ追加点を奪えず、1-1で前半を折り返します。
流れを引き寄せたい仙台は、後半からFW井上綾香選手を投入。「流れがあまり良くなかったので、自分が仕掛けようと思った」という井上選手のドリブルやDFラインの裏へ飛び出しで前線を活性化させます。50分にはDFの裏に抜け出したフォード選手の2点目が決まり、勝ち越しに成功します。
しかし諦めないオルカにPKを献上。これを村岡真実選手が決めて、再び同点となります。「残り15分あったので、焦ることなくできました」(坂井優紀選手)と試合を冷静に進めた仙台は、79分に安本紗和子選手のPK、87分に嘉数飛鳥選手のヘディングで得点を重ねて、試合を決定づけます。オルカは最後まで相手を苦しめましたが一歩及ばず、仙台が準決勝進出を決めました。
ピックアップマッチ2
伊賀FCくノ一(なでしこ1部/三重) 2-4(前半1-2、後半1-2)アルビレックス新潟レディース(なでしこ1部/新潟)
第2試合では、伊賀FCくノ一(なでしこ1部/三重)と、2大会連続準優勝のアルビレックス新潟レディース(なでしこ1部/新潟)が対戦。なでしこリーグ最終戦で顔を合わせた両者の試合は、0-2で新潟が勝利しており、今回の一戦は伊賀にとってリベンジを懸けたゲームとなりました。
序盤からゲームを支配したのは新潟でした。FWの大石沙弥香選手、川﨑咲耶選手のスピードを生かし、縦に早い攻撃を展開します。上尾野辺めぐみ選手の精度の高いCKで伊賀ゴールに迫りますが、枠に嫌われ、あと一歩こじ開けることができません。
一方の伊賀は、2トップの櫨まどか選手と杉田亜未選手のコンビネーションで打開を図ります。すると22分、高い位置でボールを奪った櫨選手のミドルシートがゴールに吸い込まれ、伊賀が先制します。
しかし、その4分後、園田瑞貴選手が「得意な形」というワンタッチで右に切り返してからのシュートで同点に追いつき、伊賀の勢いを断ち切ります。前半終了間際には大石選手がヘディングシュートを決め、試合をひっくり返します。
後半も2トップが孤立して決定機を生み出せない伊賀に対し、新潟は61分、右サイドからのクロスに「絶対に(DFを)越えてくると思って、狙っていた」と相手DFの背後でフリーになっていた園田選手が流し込んで追加点。さらに2分後にも、同じく右サイドからのアーリークロスを上尾野辺選手が決めて、リードを広げます。
伊賀は82分にCKの混戦から竹島加奈子選手が押し込み一矢報いますが、最後まで流れを変えることができません。2-4で勝利した新潟が、準決勝へ駒を進めました。
監督・選手コメント
北本綾子 監督(オルカ鴨川FC)
相手は全てにおいてレベルが上のチームですし、挑戦者としてチャレンジしようと臨みました。先制できましたが、すぐに返すところはさすがだなと思いましたし、その中でも1-1で折り返せたのはまずまずの前半でした。相手の左サイドバック(万屋美穂選手)のところから自由にボールが配給されていたので、ファーストディフェンダーがいいタイミングでアプローチすることと、攻撃面では前線の2枚の背後へのダイナミックのアクションをプラスしようという2点をハーフタイムに修正したことが、後半の立ち上がりのいい流れにつながったと思います。PKという形でしたが選手の勝ちたい気持ちが同点につながったと思いますし、選手は本当によくやってくれました。
坂井優紀 選手(マイナビベガルタ仙台レディース)
負けられないという中で、前半は少し緊張感がありバタバタしてしまいましたが、失点も早い時間帯でしたし、いつも通り自分たちのサッカーができれば勝てると、焦ることなく対応できました。後半もPKで同点に追いつかれましたが、残り15分あったので、取り返してくれると思っていました。一発勝負なので、いかに勝ちにこだわるかが重要だと思っています。(準々決勝で対戦する浦和レッズレディースには)リーグ戦で負けていますし、皇后杯の準決勝、決勝に勝ち進むのは簡単なことではありません。ディフェンスとしては無失点で終えて、攻撃陣はそれぞれいい味を持っているので、それを生かして、勝ちたいと思います。
櫨まどか 選手(伊賀FCくノ一)
(先制点は)流れが悪い中で、フリーでボールを受けられ、自分が蹴れる距離だったので、思い切って狙いました。入ってよかったです。点を取ってから、守り切るのが追加点を取りにいくのか。その部分は年間通しての課題だったと思います。8人で守って、FWの杉田と私が二人でもしくは一人で打開するというのは、リーグの終盤から言われていた形。相手にとって脅威なのはFW2枚とスカウティングされている中で、さらにそれを越えていかなければならないという部分で、二人としては成長させてもらいました。それが日本代表でも生きていると思います。チームとしては苦しかったですが、個人的には成長させてもらった1年だったかなと思います。
辛島啓珠 監督(アルビレックス新潟レディース)
立ち上がりからCKなどチャンスを多くつくりながら決めきれなかった中で失点し、嫌な流れになりましたが、選手が慌てず前半のうちに逆転できました。今季リーグ戦を戦う中で選手がたくましさを身につけてくれたと感じました。3、4点目は素晴らしい崩しでしたし、しっかりと4-2で勝ち切って次に進めたのは良かったです。チームとして、(前線の)スペースへのランニングとそのスペースを見ることを徹底して取り組んでいますが、特に前の二人(大石選手と川﨑選手)の運動量やスペースへのランニングが素晴らしかった。次(の日テレ・ベレーザ戦)は今までとは全く違う戦い方になります。いかに0-0で粘って点を取るか、先制点が鍵になると思います。
開催期間:2017/10/28(土)~2017/12/24(日)
1回戦 10月28日(土)、29日(日)
2回戦 11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
3回戦 11月11日(土)、12日(日)
準々決勝 11月18日(土)、19日(日)
準決勝 12月21日(木)
決勝 12月24日(日)