部活動地域移行とは?
部活動地域移行とは?
背景
①少子化
昨今の少子化の影響により、生徒数の減少により部活動部員が集まらず、学校における部活動数が減少してきている傾向にあり、部活動難民といわれる子供たちが増えています。子供たちにとって、やりたいスポーツをすることができる環境が学校という身近なところになく、機会を得ることが難しい状況になってきています。
②部活動に関わる教員
平日の授業や学校業務の他に、部活動の指導や引率も兼務する教員は休日も含め長時間労働となっている実態がありました。
また、教員が受け持つ部活動において、教員自身がその競技や指導の経験がない場合多大な負担であるとともに、生徒にとっては望ましい指導を受けられないケースが生じていました。
そういった近年の部活動を取り巻く環境の変化や状況を鑑み、スポーツ庁は部活動を学校体育から社会体育へ移行することで持続可能にし、多様なスポーツ環境を一体的に整備するために、部活動の地域移行の検討を進めてきました。
そして2022年6月に『運動部活動の地域移行に関する検討会議提言』が取りまとめられ、
同年12月には提言を踏まえた『学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン』が策定され、義務教育である中学校を主な対象として、令和5年度~令和7年度を改革推進期間とする指針が示されました。
部活動の地域移行により変わっていくこと
①部活動に変わる活動環境
現在は部活動は学校が活動主体となっていますが、この主体者が地域の様々な団体に変わっていくことが想定されます。
例えば、地域自治体、総合型地域スポーツクラブや少年団、地域にある既存のクラブやチーム、住民・保護者により形成される団体など、既に先行してこうした団体が主体となり部活動の地域移行の受け皿を作っている地域もあります。
これにより、子供たちは学校や学区の垣根を超えて活動に参加することも可能になることが想定されます。
②教員の関わり方
今までは部活動の顧問として、担当する部活動の指導や引率を教員が行ってきましたが、地域移行した場合、学校部活動としてのそうした役割も受皿となる団体に移行されていくことが想定されます。
また部活動の指導に対する熱意や意欲のある教員については兼職兼業の制度を活用して、地域移行先の活動場所でも指導や子供たちと関わり続けることもできます。
③地域との連携
地域移行先の受皿や指導者など、地域の様々な団体や人材が学校との連携の上で地域移行に向かっていくことが想定されます。
④活動の在り方
地域移行により、子供たちのニーズによって活動の在り方が多様化していくことが想定されます。例えば大会成績や競技レベルの向上を目指す活動もあれば、 日常の活動や競技そのものを楽しむ活動、男女一緒での活動、男子/女子だけの環境での活動など、活動の在り方がより広がっていくことが想定されます。
参考
<スポーツ庁>
運動部活動の地域移行に関する検討会議提言
学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン
地域移行等に関する実践研究事例集
<日本スポーツ協会(JSPO)>
【特集ページ】運動部活動改革に向けた取り組み
学校部活動の地域連携に向けた動画