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知的障がい者サッカー女子日本代表による初試合〜UAEとの交流親善マッチ~
2023年01月31日
日本知的障がい者サッカー連盟(JFFID)は、障がい者サッカー日本代表としては14カテゴリー目となる知的障がい者サッカー女子日本代表を新設しました。1⽉20⽇(金)から1⽉27⽇(金)までの8日間にわたり、スペシャルオリンピックスUAE女子ユニファイドフットボールチーム*が来日し、23日(月)から25日(水)には交流親善マッチを行いました。
*ユニファイドサッカーを含むユニファイドスポーツⓇは、知的障がいのある人(アスリート)と知的障がいのない人(パートナー)がチームメイトとなり⼀緒にスポーツをする、スペシャルオリンピックスの取り組みです。
23日(月)にユニファイドルール(20分ハーフ・7人制)で実施した初戦は、立ち上がりから日本のペースで試合が進み、9-0で日本が勝利しました。第2戦は知的障がい者選手のみの5人制・15分ハーフで実施され、初戦に続き9-0で日本が勝利。ユニファイドルールで行った最終戦となる第3戦は、UAEが日本の戦い方を分析し試合に臨み、終盤まで拮抗した試合展開となりました。UAEが先制点を挙げ日本は苦しい展開でしたが、高い位置からボールを奪いきって、最終的には3-1と逆転して勝利しました。
JFFIDによる女子知的障がい者サッカーの取り組みは、2018年度に女子サッカー教室を開始し、2019年度には女子トレセンを初開催しました。コロナ禍による中断期間を経て2021年度より活動を再開し、2022年度はナショナルトレセン、関東トレセンを実施してきました。女子選手のみによるチームは全国に1チームで、ほとんどの選手は男子選手と⼀緒にプレーしている状況です。そんな中、日本知的障がい者サッカーを中心に女子選手の活動の場を全国に広める取り組みを続け、この度の知的障がい者サッカー女子日本代表チーム新設およびUAEとの交流親善マッチ開催に繋がりました。
大会概要
名称:
2023年1月女子日本代表UAEとの交流親善マッチ
期日:
1月23日(月)、24日(火)、25日(水)
場所:
千葉県千葉市 高円宮記念JFA夢フィールド
監督・選手コメント
稲葉政行 監督(日本知的障がい者サッカー連盟【JFFID】)
交流親善マッチ開催にあたり多くのご声援とご支援をいただき、選手が全力を出し切るための大きな力をいただきました。(一財)日本国際協力センターの皆様、(公財)スペシャルオリンピックス日本の皆様、所属県・所属チームの皆様、保護者・関係者の皆様はじめ、多くの皆様のご理解とご支援、ご尽力によるものと、心より感謝と御礼を申し上げます。
今回採用されたユニファイドフットボールルールは、サッカーと大きく違う点として、①オフサイドがないこと、②すべて間接フリーキックになること、③GKはキャッチしたらすべてスローで再開すること等があり、選手に新たに適応させることが多く、特に①オフサイドがないことへの適応に時間を要しました。また、ユニファイドルールとして知的障がいを持たない選手(パートナー)と知的障がい選手(アスリート)との組み合わせになるので、高いレベルでの選手歴のあるスタッフを組み合せ採用し、事前練習会および現地入りしてからのトレーニングでチームへの融合を図りました。
日本チームの具体的なコンセプトとしては、ボールを中心とした守備陣形(前に運ばせない・中央突破されない)から1列目でサイドに誘導して2列目、3列目で奪ったボールを、我々は逆に相手の守備陣形が整う前にショートカウンターからの中央突破、中央を固められたらサイド攻撃も組み合わせるようにしました。また、サイドで奪いきれない場合は、DFとGKで最終ラインの背後をケアしつつディレイして帰陣(プレスバック)してコンパクトさを保ち、ゴールを守る数的優位を作ってから粘り強く奪い、そこからビルドアップしてゴールを目指しました。
1試合目(23日)と3試合目(25日)は、ユニファイドフットボール(アスリートとパートナーの組み合わせ)による7人制20分ハーフマッチ、2試合目(24日)は知的障がい者選手のみの5人制15分ハーフマッチを実施しました。1試合目と2試合目は共に日本ペースでサッカーができましたが、3試合目は、UAEチームも日本の対策を立て、正確なビルドアップから強い強度で縦に速い攻撃を仕掛けてきました。この試合の強度が最も高く、拮抗した激しい好ゲームとなりました。1点を先制される苦しい展開でしたが、後半はビルドアップに対して高い位置から奪いきることができ、逆転して勝利できました。また、オンザピッチ、オフザピッチの両面に関して、アスリートとパートナーによる選手ミーティングが自主的に行われ、我々スタッフもそれを重視しました。選手の一体感とまとまりも大きな要因となったと思います。
UAEの全選手は、常に全力で闘うプレーを志向し、1vs1の局面では、スピード、パワー、体格(手足の長さ・コンタクトの強さ)で圧倒される場面もありました。体感した基準を世界スタンダードとし、それを上回るアスリートとしての身体能力とメンタリティー、高い技術と早い判断ができる個の育成に取り組みたいと思います。
引き続き知的障がい者サッカー女子日本代表へのご声援をお願いします。
後藤千尋 選手(岐阜県)
サッカーだけでなく、日頃の生活や仕事、日頃の過ごし方もとても大切だということを改めて考え直すことができました。この代表活動を通して、日本代表としての誇り、責任、覚悟や気持ちを持ってピッチでプレーできたと思います。サッカーに対する思いがさらに強くなり、これからももっと活躍して、世界で通用する、活躍できるような選手になりたいと自分の意志が強くなりました。
たくさんのサポート、声援、応援ありがとうございました。そのおかげでとてもよい環境でサッカーに集中でき、良い経験ができました。
鈴木理惠 選手(神奈川県)
まず、この活動を通し、とてもよい経験と貴重な時間を得られました。この活動に参加でき、嬉しかったです。外国籍の人とプレーして、体つきも言葉も違って、相手のプレーに対策をしていくということも新鮮でした。交流して話したり、UAEとの合同練習をしたりして、普段関われない人たちとサッカーができて思い出となりました。
3泊4日でサッカーに取り組め、たくさんのことを教えていただいて、色々なプレーを見ることができ、勉強になりました。今回応援してくださりありがとうございました。応援のおかげで気持ちを高められ、頑張れました。これからも頑張って、練習等に取り組んで、この経験を活かしたいです。
石橋ルカ 選手(愛知県)
今回、千葉に来て素晴らしい場所でプレーをさせてもらい、ピッチに立つたびに日本代表としての実感が湧いてきました。日の丸の入ったユニフォームを着た時自分は、日本代表に選ばれたんだなと感じました。その時、頑張ってチームみんなで勝ちにいきたいと強く思いました。今までDFをやってきて、中を締めることを意識したことがなかったので、今回の代表活動で上手くディフェンスができたと思いました。中を締めることとトップがどこにいるかを見ることを意識していきたいと思います。
今回は、応援してくださりありがとうございます。皆さんの応援があり、今回UAEとの貴重なプレーができました。海外選手との交流やプレーを通して、より一層サッカーが好きになり、もっと頑張ろうと思いました。
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