選手・指導者向け情報
ドーピング検査について
ドーピングは検査がなければ自分には関係ないと思っていませんか?
また、故意に薬物を使用している者だけが注意するものと誤解していませんか?
ピッチでの素晴らしいプレーは見る者すべてに感動を与えます。
そのファインプレーは日々の努力の成果であることを証明するために、選手はピッチを離れた後、時としてドーピング検査が要求されます。
ドーピング検査は、すべてのスポーツに共通し、サッカーのルールの一つです。検査を受ける立場にない方も見てください。好きな選手を応援することにつながります。
ドーピングにならないために
1)あなたは検査の対象か?
ドーピング検査には大きく分けて、競技会検査と競技会外検査があります。
①競技会検査
競技会検査とは、試合後に行われる検査です。ドーピング検査を行う大会に参加する選手が対象となります。メンバー表に載った選手はたとえ試合に出なくても、途中退場しても対象から外れません。
検査対象大会例
・ワールドカップ等の国際大会・Jリーグ・Fリーグ・Lリーグ・国体(2010年4月現在)
②競技会外検査
競技会外検査とは、練習中や合宿中など、試合以外に行われる検査です。そのため、どこで、いつ練習しているか、という予定表(居場所情報)を検査側に提出します。サッカーの場合は多くがチーム管理下でこの情報を提出するため、対象であるかどうかの確認は、監督・メディカルスタッフにしてください。
対象チームや選手:ワールドカップ等の国際大会出場予定チームや選手
2)ドーピングにならないために 〜うっかりドーピングを防ぐ
「うっかりドーピング」とは?
ドーピング禁止薬物は市販されている風邪薬にも含まれる場合があり、知らずに使用してもドーピング(ルール違反)になります。また、治療のために必要とされる薬でも、その薬がドーピング禁止薬物の場合は正式な手続きを踏まないとドーピングになります。
このように知らなかった、忘れていたという無知・不注意からドーピングになることを「うっかりドーピング」といいます。故意に薬物を使用している者だけがドーピングになるわけではありません。
(その1)普段の生活から気をつけましょう
サプリメントも実は危険です。効果のあるサプリメントは、ドーピング禁止物質を含む可能性が非常に高いのです。サプリメントは、チーム関係者(メディカルスタッフや監督・コーチ)に必ず相談しましょう。
(その2)病気になった時にはどうするか?
①自分で薬を飲む場合
チーム関係者に、使っても大丈夫な薬なのか、相談してください。薬の専門家である日本薬剤師会や公認スポーツファーマシスト(JADA認定)に相談するのも良いでしょう。
②医師にかかる場合
- A.チーム関係者に相談しましょう
- B.ドーピング検査対象者であることを(治療担当の)医師に伝えましょう。
- C.治療で使用する薬がTUE申請の必要があるかどうかを確認しましょう。
※医師がドーピング検査の対応に不慣れな時は、必ずチーム関係者に連絡しましょう。
TUE申請とは?
治療のために薬を使用することが絶対に必要な場合でも、その薬がドーピング禁止薬物に該当する場合には日本アンチ・ドーピング機構(JADA)へ使用の許可を求めることが必要です。その使用許可を求める申請をいいます。申請には正式な申請書があり、JADAのホームページから取得することができます。詳しくは、アンチ・ドーピング部会からの情報を参照してください。
サッカー指導者あるいはチーム関係者へのドーピングに関する情報
1)試合がドーピング検査対象であるかどうかを確認してください
各競技規則に記載されています。
リーグの年度開始前、大会エントリーの際に必ず確認しましょう。
ドーピング検査には、競技会検査と競技会外検査があります。
(詳細はドーピングにならないためにを参照してください。)
競技会検査と競技外検査では、それぞれ禁止される薬物が違います。
また、競技会外検査対象の場合は、チームが居場所情報提供の義務がありますので注意が必要です。
2)選手になぜドーピング検査が必要なのかを啓発してください。
ドーピング検査を受けるという責務は、サッカーでも、また、その他どのスポーツにおいても行われる、いわゆるルールの一つです。
以下のホームページを参考に、なぜドーピング検査が必要であるのかを伝えてください。
http://www.realchampion.jp/start/3minutes
3)ドーピングにならないように指導してください
ドーピングにならないためにを参考にしてください。
4)医薬品や治療目的使用に係る除外措置(Therapeutic Use Exemptions; TUE)の情報
①医薬品に関する確認先・情報源
公益社団法人日本薬剤師会
公認スポーツファーマシスト
日本アンチ・ドーピング機構(JADA)
②TUEについて
1.TUE申請対象者
ドーピング禁止物質や方法を治療上必要としている選手
2.TUE申請方法
以下のガイドブックをダウンロードして、、治療担当医に見せてください。TUEの書式に必要事項を記入してもらい、医療情報や記録などの必要書類と一緒にガイドブックに従って然るべき団体に提出してください。チームでガイドブックを保管しておくのが良いと思われます。
http://www.realchampion.jp/process/tue
5)その他の注意点
①競技会検査と競技会外検査では、禁止物質が違います。
スポーツドクターやスポーツファーマシストなど専門家に相談して適切な使用可能薬を選び体調コントロールに役立ててください。
②TUE申請と使用申告は違います。
使用申告… 検査を受ける際に、その薬の使用を書類に書き込みます。
JADAからの許可は不要です。
TUE申請… 薬を使用する際にJADAから許可が必要です。