JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 女子サッカー > 最新ニュース一覧 > 世界から高く評価されたリスペクトあふれる姿 ~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.117~

ニュース

世界から高く評価されたリスペクトあふれる姿 ~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.117~

2024年01月16日

世界から高く評価されたリスペクトあふれる姿 ~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.117~

喜びを分かち合いたい フェアプレー賞

今夏に行われたFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023において、なでしこジャパン(日本女子代表)はベスト8という結果でしたが、そのパフォーマンス、フェアでリスペクトあふれる姿は世界から高く評価されました。2022年のFIFAワールドカップカタール2022でのSAMURAI BLUE(日本代表)に続き、国際サッカー連盟(FIFA)の公式SNSでもフォローされました。

ピッチ内外での選手やスタッフの振る舞い、またロッカールームをきれいにし、感謝の言葉を残す、ファン・サポーターの皆さんも試合後に観客席を清掃するといった動きに、大会に選出された日本人審判団トリオも呼応してくれました。準々決勝で敗退した際には、ジャンニ・インファンティーノFIFA会長からInstagramにて感謝の映像とともに、以下のメッセージが送られました。

「FIFA女子ワールドカップ2011の勝者である日本の、グループステージのザンビア戦、スペイン戦、そしてノックアウトステージ・ラウンド16のノルウェー戦で見せたすばらしいパフォーマンス、今大会の戦いを誇りに思ってください。接戦となった準々決勝のスウェーデン戦で惜しくも敗れましたが、今回のFIFA女子ワールドカップを史上最高の大会にするために、フィールド内外であなた方が大いに貢献してくれたことは、誰もが忘れないでしょう。すばらしい模範を示してくれた選手、スタッフ、そしてすばらしいファンに対しても、感謝の気持ちを送ります」

今大会でも、なでしこジャパンはフェアプレー賞を受賞しました。U-17とU-20を含めたFIFA女子ワールドカップの3カテゴリーでの優勝は、日本が初で唯一だったのですが、今大会でスペインも達成しました。しかし、私たちは3大会とも、優勝とともにフェアプレー賞を獲得しており、その他の優勝を逃した大会でも多く獲得しています。フェアプレー賞は、カード(警告や退場)の少なさだけではなく、サッカーに向かうポジティブな姿勢、選手だけでなくベンチのスタッフや控え選手の振る舞い、審判員に対する態度、ファン・サポーターの行動などを総合的に評価されてのものです。

カードの少なさだけであれば、試合数が少ないチームが対象になりません。フェアプレー賞は戦いの結果として出会うものであり、狙って取りにいくものではありません。しかし、その賞に値すること、それはつまり、大会関係者や現地をはじめとするファン・サポーターの方々に愛され、応援される存在となり、それが大きな力となっています。代表チームだけがチームの約束事として取り組んでいるのではなく、日本のサッカーファミリーが子どもの頃から行ってきている経験の中で、根差していることだからこそです。一つ一つ流すことなく、しっかりと受け止め、皆さんと共有して喜びを分かち合いたい賞です。

JFAリスペクトフェアプレーデイズ2023

9月にJFAリスペクトフェアプレーデイズ2023を開催しました。2022年から期間を1カ月間とし、さまざまな団体の活動が含まれやすいようにしました。日々認識していることではあると思いますが、毎年1回あらためて意識し、何らかの行動を起こす機会をつくっていくことが重要だと考えています。

以前から、さまざまな大会でリスペクト・フェアプレー宣言などの活動をしていただいており、感謝しています。今後はさらに大会以外のさまざまな関わりの中でも、何らかの活動を検討していただけるようにしていきたいと考えています。2023年は、審判インストラクター研修会で「暴力・暴言の根絶」をテーマにし、指導者養成講習会と合同で取り組んでいただきました。また、女子CPサッカー(脳性まひ者5人制サッカー)の国際親善試合に際し、対戦相手のオーストラリア代表(通称・パラマチルダス)にも参加してもらい、リスペクトに関する宣言やセレモニーを実施しました。

JFA U-18女子サッカーファイナルズ2023でも、2022年と同様に事前にキャプテンミーティングの実施、宣言ボードの作成・交換、コイントスの際に両チームの監督も交えての写真撮影、両チームと審判団が入り交じってリスペクト旗とともに写真撮影などを行いました。両チームのキャプテンが自分の言葉でしっかりとリスペクト宣言をしてくれました。試合を見に来ていただいた観客の皆さんにもお伝えすることができたと思います。

9月16日には、毎年恒例のリスペクトシンポジウムを開催しました。全体テーマは昨年と同様に「暴力・暴言の根絶~セーフガーディングポリシーをクラブの日常へ」でした。日本サッカー協会(JFA)の取り組みと進捗の共有、また鳥取県サッカー協会や日本スポーツ協会の取り組みをご紹介いただいた後、パネルディスカッションには日本バレーボール協会の方にもご参加いただき、取り組みの情報交換や課題の共有を行いました。

ウェルフェアオフィサーに関しても、主体的な取り組みのさまざまな好事例が出てきています。また、暴力・暴言の根絶は競技を越えて共通の課題であり、各競技団体が連携し、情報交換をしながら共に取り組んでいくことの意義を確認しました。また後半には、今年実施したJFA U-18子どもパブリックコメントのフィードバックから、子どもたちの声を聞くこと、そしてそれに応えていくことの重要性を確認しました。詳細については追ってご報告します。

JFA公式Webサイト「リスペクト・フェアプレー」ページは下記参照
https://www.jfa.jp/respect/

【報告者】今井純子(JFAリスペクト・フェアプレー委員長)

※このコラムは、公益財団法人日本サッカー協会『テクニカルニュース』2023年9月号より転載しています。

アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー