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【SPECIAL】新春対談 北川ひかる選手(BKヘッケン)×遠藤優選手(三菱重工浦和レッズレディース)(前編)

2025年01月23日

【SPECIAL】新春対談 北川ひかる選手(BKヘッケン)×遠藤優選手(三菱重工浦和レッズレディース)(前編)

2014年にU-17日本女子代表としてFIFA U-17女子ワールドカップで共に世界一に輝き、2024年になでしこジャパン(日本女子代表)として再び同じピッチに立った北川ひかる選手と遠藤優選手に、所属チームでの活動やなでしこジャパン、サッカーへの思い、2025年の抱負などについて聞きました。前編と後編に分けてお送りします。

※このインタビューは2024年12月26日に実施しました。

それぞれの場所で成長し、なでしこジャパンで再会

――所属チームでの活動を踏まえて、2024年はどのような一年でしたか。

北川 私はINAC神戸レオネッサからBKヘッケン(スウェーデン)に移籍して環境も変わり、この一年でいろいろなことがありました。その中でも1月の皇后杯(JFA 第45回全日本女子サッカー選手権大会)で優勝できたことは、個人的に初めて取れたタイトルということもあり、とても大きかったです。8月にヘッケンに移籍してまだ3カ月ではありますが、初の海外への挑戦という面でも充実した一年になりました。

2024年1月27日、第45回皇后杯の決勝でI神戸は浦和との大接戦を制して7大会ぶり7度目の優勝。
北川選手は準決勝でチームを決勝進出に導く決勝ゴールを挙げた

遠藤 WEリーグはシーズン途中ですが、2024年は2023-24シーズンのベストイレブンに初めて選ばれたり、AFC Women’s Club Championship 2023 - Invitational Tournamentで優勝したりと、自分自身が急成長できた年だったと思います。

浦和は2023-24 WEリーグで連覇達成。
遠藤選手は初のベストイレブンにも選出され、自身でも「急成長」と感じる年に

――北川選手はJFAアカデミー福島を経て、浦和レッズレディース(現、三菱重工浦和レッズレディース)、アルビレックス新潟レディース、I神戸、BKヘッケンとチームを移ってきました。プレーする場を選ぶ際に重視されてきたことは何でしょうか。

北川 自分自身の夢や目標にどうしたらたどり着けるのか、ということは常に頭にあります。I神戸では優勝争いをするほどレベルの高い中でどれだけ自分を出せるかということを意識していましたし、その結果が、なでしこジャパンとしてプレーできたことにつながったと思います。

――遠藤選手は地元埼玉でジュニアユース時代から浦和でプレーしています。クラブにはどのような思いがありますか。

遠藤 実家が埼玉スタジアムの近くにあって、ずっと浦和で育ってきました。海外への挑戦やチームの移籍も考えてこなかったわけではないのですが、私が浦和レッズに還元できることがあるならと思ってプレーしています。浦和レッズで結果を残すことが私の一つの夢であり、両親への恩返しだと思っているので、今は浦和一筋という感じですね。

――それぞれ所属チームでのご活躍や成長があり、なでしこジャパンにも選出されました。代表選手としての2024年はご自身にとってどのような年でしたか。

北川 私は2月の朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)とのパリオリンピックアジア最終予選に出場し、そこから継続して選出されるようになりましたが、それまでは定着できずにいました。なかなか自分の立ち位置をつかめない、アジア最終予選はそんな中での追加招集で、そこで自分のプレーを出せたことは大きかったです。いつ呼ばれてもいいようにずっと準備してきていましたから、それをしっかり表現できて良かったなと。目標だったパリオリンピックにも出場でき、大きな経験になりました。

「オリンピック出場は夢であり、海外への挑戦は高校生の頃からの目標だった」と北川選手
(写真はパリオリンピック・グループステージ第3戦ナイジェリア戦での得点後)

遠藤 私は「2024年は絶対に代表に1回は呼ばれたい」という目標を持って、そこに向けて日々のトレーニングに取り組んできました。10月のMIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024で初招集されたとき、継続して取り組んできて良かったと思いました。代表では、レベルの高い選手たちとプレーして、より一層頑張らなければならないと実感したというか、次も代表メンバーに呼ばれるためにはもっと必死に食らいついていかなくてはいけないんだと。代表に継続して呼ばれることは本当に簡単なことではありません。チームで結果を出して、今後も呼ばれるように頑張りたいです。

なでしこジャパンは特別な場所、そこに相応しい人であり、選手でありたい

――なでしこジャパンは、お二人にとってどういう場所なのでしょうか。

北川 JFAアカデミー福島の先輩たちがアンダーカテゴリーも含めて代表チームで活躍される姿を見てきましたし、自分自身もU-17やU-20日本女子代表でプレーする中で「なでしこジャパンとして世界で活躍したい」と強く思っていました。

なでしこジャパンは、誰もが行ける場所じゃないというか、限られた人しかプレーすることはできません。そこでプレーできること、レベルの高い選手たちと競争できることは、本当に幸せなことです。子どもたちに夢を与えられる存在だとも思うので、いろいろな意味で「特別な場所」ですね。ですから、私も一人の人間として、サッカー選手として、その場所に相応しい存在でありたいと思っています。

遠藤 北川選手とは同い年で、アンダーカテゴリーでも一緒にプレーしてきましたが、2014年のFIFA U-17女子ワールドカップで優勝したとき、同年代の選手とこんなにも楽しくサッカーができて世界一を取れるなんて本当に幸せだなって感じたんですね。それから、なでしこジャパンに選ばれるまで10年かかりましたが、今のなでしこジャパンは同年代が多く、10月の代表活動もすごく楽しくて、久しぶりの感覚でした。

ひかるも言ったように本当に一握り、1回の活動に20数人しかなでしこジャパンには選ばれません。自分自身の努力はもちろん、タイミングなどすべてが重なってのものと思っているので、常にその一握りの中に入るんだという強い意志を持って取り組まなければ、そこには入れないと思うんです。女子サッカー選手だけではなく、女性から見てもなでしこジャパンは憧れの存在だと思いますし、そうでなければならないと思うので、私もそうあれるように常に意識を持って過ごしています。

なでしこジャパンは限られた選手だけが立てる特別な場所。
「夢を与えられる存在」「憧れられる存在」でありたいと二人は話す

――なでしこジャパンが、再び世界一を取りに行くためには何が必要でしょうか。アンダーカテゴリーとトップカテゴリーの違いなど、感じられていることもあれば教えてください。

遠藤 アンダーカテゴリーの時は、感覚やスピード、対人の強さなど、個人の技術でどうにかなる局面が多かったように思います。一方で、トップカテゴリーの大会を見ていると、戦術の緻密さや選手のプレー環境の差が影響しているのかなと感じることはあります。日本の女子サッカーはプロ化したとはいえ、特に欧米と比較して、環境面や集客といった普及面でもまだまだ課題があります。トップカテゴリーになるとそうした部分も大きく関わってくるんじゃないかな。

北川 私も優と同じような感覚です。アンダーカテゴリーでは日本が優位に打開できる局面が多かったと思うんですね。技術や戦術、連係でも、日本が世界より長けている印象はありました。でも年代が上がるにつれて、その差がどんどん小さくなるというか、例えば(技術や連係など)日本らしさをフィジカルでねじ伏せてくる相手が出てきたり、ポジショニングや戦術がすごく精巧になってきたりと、個々の能力だけでは勝てないところが出てきます。その中で日本が勝つためには、個々の成長はもちろん、どう戦っていくかという戦術面での工夫も間違いなく必要です。そして、フィジカルももっと強くなければなりません。世界でも通用する強さを身に付けるために、海外に出る人もいれば、国内でトップレベルを目指す人もいて、それぞれ課題に向き合っているんだと思います。やはり優勝は簡単にできることではないですし、もっともっと成長が必要だと思います。

※後編ではお互いのことや2025年の抱負について聞きました

後編につづく

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