ニュース
【経験者が語るFIFAワールドカップ】玉田圭司さんインタビュー
2022年11月18日
SAMURAI BLUE(日本代表)の一員としてFIFAワールドカップを戦った選手たちに話を伺う「経験者が語るFIFAワールドカップ」。第2回は、2006年ドイツ大会、10年南アフリカ大会に出場した玉田圭司さんに伺いました。
※このインタビューは2022年11月11日に実施しました。
ブラジルとの対戦により サッカーは楽しむものだとあらためて感じた
――FIFAワールドカップカタール2022の開幕が近づいてきました。11月1日には本大会に臨むSAMURAI BLUE(日本代表)のメンバーが発表されました。
玉田 僕の中では予想通りのメンバーでした。直近の国際親善試合である程度の手応えを得て、戦い方を定めた印象があります。一番のサプライズ選出は相馬勇紀選手という意見を聞くこともありますが、僕は入るのではないかと思っていました。チームとしては堅守速攻、ショートカウンターがこのチームの持ち味と捉えています。
――玉田さんは26歳のとき、2006FIFAワールドカップドイツに臨む日本代表のメンバーに選ばれました。当時の心境を教えてください。
玉田 けがから回復したばかりでシーズンを迎えたこともあって、コンディションがあまり良くなかったんです。メンバー発表のときはテレビにくぎ付けでドキドキしていました。初めてのワールドカップに出られるか、出られないかの瀬戸際でしたし、出たい気持ちも強かった。ワールドカップに出場するためだけにプレーしてきたわけではないけれど、目の前にそれをつかむチャンスがありましたし、選ばれたときはホッとしましたね。
――そのドイツ大会を振り返ってください。
玉田 小さいころからワールドカップに出場することを目標の一つに掲げていましたが、いざ大会が始まるとそこまで実感が湧かなかったというか、あくまでも一つの大会として臨みました。大会を振り返ると、初戦の重要性を痛感しました。初戦が全てとは言いませんが、そこで勝つのと負けるのでは精神的に大きく変わると感じました。
――ブラジル戦では鮮やかなゴールを決めています。
玉田 恐れるものや失うものが何もなくて、試合に集中していました。自分がどんなプレーをすればいいのか、チームのために貢献することを考えてやれたと思います。ただ、試合は惨敗でしたね。プロのキャリアで対戦したチームの中で一番強かったのはどこかと聞かれれば、迷わずに「2006年のブラジル代表」と答えます。それくらい強かったですし、心の底からサッカーを楽しんでいるんだなと感じました。
――ブラジルとの対戦は、その後の玉田さんのキャリアに影響を与えましたか。
玉田 それはすごくありますね。幼いころからサッカーは楽しむものだと思ってプレーしていました。それでも、プロになってサッカーが職業になると、さまざまな要素が重なって「楽しみ」が薄れる部分があります。その中でブラジルと対戦したことによって、楽しむことが大事なんだとあらためて感じることができました。楽しみながらボールを蹴ることによって自分のプレーが良くなったり、その気持ちがチームにもプラスに働いたりすることがありました。どんなときでも楽しもうという気持ちを引退するまで持てたのは、ドイツ大会で対戦したブラジルのおかげだと思います。
――2度目の出場となった2010FIFAワールドカップ南アフリカの思い出も教えてください。
玉田 大会に臨む前は国際親善試合を含めて連敗が続き、チームの雰囲気もそれほど良くありませんでした。ところが、戦い方を変えて臨んだカメルーンとの初戦に勝利したことによって、それが180度コロッと変わりました。あのときほど初戦の大事さを感じたことはありません。1勝1敗で迎えたデンマーク戦に臨むときも、負けたらどうしようではなく、勝てば(ノックアウトステージに)いけるぞというメンタルで挑むことができました。自信を持ってプレーできましたし、チームとして精神的に強くなったと感じた部分です。
――大会はノックアウトステージの初戦でパラグアイに敗れました。
玉田 パラグアイ戦は正直、凡試合でしたね(苦笑)。パラグアイも日本も攻め手がなく、ベンチから見ていても「この展開だと点が入らないだろうな」という試合でした。PK戦の末に敗れたわけですが、「ここから先(準々決勝以降)に進むのはまだ早い」というメッセージが込められていたと捉えています。
――最後に、FIFAワールドカップカタール2022に臨む選手たちにエールをお願いします。
玉田 ドイツとの初戦にどう臨むかを頭に入れながら、先のことを考えずにやってほしいと思います。やりがいがある相手ですし、見ている方も楽しみにしています。4年に1度の大舞台でワールドカップ優勝国と対戦する喜びを感じながらプレーしてください。どんな結果であれ、見る者にインパクトを残すような戦いぶりを期待しています。
FIFAワールドカップカタール2022
大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間] vs スペイン代表
関連ニュース
- 日本代表 2022/11/18 【SAMURAI BLUEを支えるスタッフ】キットマネージャー山根威信氏 キットスタッフ麻生英雄氏インタビュー
- 日本代表 2022/11/17 SAMURAI BLUE 森保監督、カナダ代表戦で「コンディションとコンセプトの確認を」
- 2022/11/17 サッカー日本代表と対戦国の活躍を願う地域のアートプロジェクト「アジア代表日本」「マッチフラッグプロジェクト2022」福岡県・熊本県で開催
- JFA 2022/11/17 JFA×KIRIN サッカーがつなぐもの 日本サッカーのこれまで、今、これからを共に考え伝えるnote 共同マガジン連載最終回「キリンとJFA が描く夢。中村憲剛さんと語るサッカーの未来」 を公開
- 日本代表 2022/11/17 サッカー日本代表オフィシャルグッズ 新商品を身に着けて、世界に挑むサッカー日本代表を応援しよう!―環境に配慮したKIRIN とのコラボレーショングッズも発売―
最新ニュース
- 日本代表 2024/11/27 「潜入ツアー ~JFAハウス編~」を初開催! サッカーに関わるすべての方へ!今年もありがとうキャンペーン2024
- 日本代表 2024/11/27 ビーチサッカー日本代表候補 国内トレーニングキャンプ メンバー・スケジュール(12.1-5@沖縄/宜野湾市)
- 審判 2024/11/27 【SPECIAL】優れた審判員がいる国には 素晴らしいサッカーがある~デイビッド・エラリーIFABテクニカルダイレクター インタビュー
- 大会・試合 2024/11/26 株式会社hacomonoと「U-12カテゴリーパートナー」契約を締結 JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会
- 大会・試合 2024/11/26 組み合わせ・テレビ放送決定、中村俊輔氏がアンバサダーに就任 JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会