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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第84回 越田剛史 ベトナムサッカー連盟 テクニカルダイレクター

2023年12月22日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第84回 越田剛史 ベトナムサッカー連盟 テクニカルダイレクター

シンチャオ(ベトナム語で「こんにちは」)。2023年6月より、VFF(ベトナムサッカー連盟)テクニカルダイレクター(TD)として、ベトナムに赴任している越田剛史です。

日本では石川県金沢市に所在する北陸大学サッカー部部長とJFA A級コーチチューターとして、微力ですが日本サッカーの発展に貢献していました。今年、63歳を迎える自分に対する新しいチャレンジとしてベトナムにやって来ました。

1.指導者養成事業

今年、6月にTDに就任してからの私の最大の役割は、「ベトナム人コーチ指導者養成」です。赴任してから12月までの6か月間で、VFFによる通常1年分の指導者養成事業を行ってきました。C・B級の各2コース、A・プロの各1コースと、目まぐるしい半年間を過ごさせていただきました。

この半年間でのべ6コース、100名を越えるベトナム人コーチたちと一緒に研修を重ねることで、少しずつではありますが、ベトナムの人々の考え方や気質を理解できるようになりました。まず、ベトナム人指導者の多くは日本の指導者養成に対して大変リスペクトしています。日本代表チームは現在アジアのトップクラスにおり、日本のコーチングメソッドを学びたいという姿勢が良く伝わり、日々ベトナム人指導者と研修を行えることは本当に楽しく、やりがいのある仕事です。国民性だと思いますが、やや早急に答えを知りたいという気質や、長期的に計画し物事を成し遂げることが若干苦手という点はありますが、多くの方々は親日家でとてもフレンドリーです。日々楽しく刺激をいただいて、仕事ができていることに感謝しています。今後の指導者養成事業の最大の目標はVFFコーチ及びコーチエデュケーター(CE)の養成です。2024年からそれらの養成コースを開催し、将来ベトナムサッカー界を担う、コーチ・CEを輩出していくことを主軸に活動を行う予定です。

2.VFF・TDとして役割

VFFのTDとして就任し、新米TDとして日々奮闘しています。

今年はFIFA及びAFC主催の新任TD研修ミーティングに出席する機会をいただきました。今後も多くのことを学び、計画・実行し、今後のVFFの発展のために尽力していきます。

3.世界・アジアの中のベトナムサッカー

ベトナム代表チームのFIFAランクは現在、男子94位(アジア15位)女子34位(アジア5位)です。アジアの中では中堅的な位置ではありますが、ベトナムサッカーの最大の関心は東南アジア競技大会(SEA Games)(東南アジアで2年に1度開催される総合競技大会)での優勝です。今年、元日本代表監督フィリップ・トルシエ監督率いる男子代表チームが3連覇を逃しました。一方、女子代表チームはSEA Games4連覇とFIFA女子ワールドカップ初出場というエポックメーキングな1年となりました。客観的に見ても近年、他のASEAN諸国は確実にレベルアップし、数多くの強化策が取られている現状にあります。今後のベトナムの課題としては、長期的目標達成のための実現可能な計画を作成し、目標設定をASEAN中心ではなく、世界規模に拡大していくことにあります。現在の目標は2030年以降FIFAワールドカップに出場、アジアトップ10国になることです。

4.最後に

私がベトナムで楽しく、刺激をいただきながら仕事ができているのは、5年前よりベトナム女子サッカー統括・育成女子代表監督として赴任されている井尻明氏及び前任TD足達勇輔氏の功績のおかげであり、大変感謝しています。VFFの最大目標である「アジアトップ10国」となり、「FIFAワールドカップ出場」実現のために尽力します。今後とも応援宜しくお願いします。

シンカムオン(ベトナム語で「ありがとうございます」)。

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