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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第62回 高橋 秀治 U-17ブータン代表監督・BFFアカデミーU-15/U-18監督兼アカデミーユースダイレクター

2022年03月11日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第62回 高橋 秀治 U-17ブータン代表監督・BFFアカデミーU-15/U-18監督兼アカデミーユースダイレクター

 ブータン王国は、南はインド、北はヒマラヤ山脈に囲まれ、面積は日本の九州ほどです。人口は、私の故郷、高知県より少し多い74万人ほどです。道路には信号がなく、高いビルも建っていない自然豊かな国です。会社や学校ではほとんどの人たちが民族衣装を身にまとい英語を使っています。 

平日の午前中は、ブータン代表監督を含めた全てのカテゴリーコーチ10名とのスタッフ会議を行い、私がファシリテーターとして意見交換と共通理解の場を設けています。グラウンドでは、まず私がデモンストレーションを行い、指導者と選手の理解を得て各ステーションの担当に指導を任せ、私が全体を観察しながら声をかけるようにしています。特に選手は一方的な指導を受けてきた傾向があり考え方やプレーが硬く、指導者に積極的に質問すること、そして”Fun and quality” を大切にしてもらっています。

ブータンのサッカー人気は異常なほどです。平日でも大人は、朝6時から夜12時まで試合をしていますが、グラスルーツの活動は始まったばかりです。この国は、これまで大人が楽しむことが優先されてきました。今後は自分達が楽しむと同時に子ども達を育てる楽しさにも気付いてもらうことが大切です。私が、この国での仕事を通じて最も行いたいことは、この国に指導の楽しさと素晴らしさを伝え、ブータンの人達と一緒に多くの素晴らしい指導者と選手が育つ環境を創ることです。 

私は言語の違うこの国で、仲間の助けがないと自分一人の力では何もできないことに気づきました。1年を通して学べたことは、「仲間が増えると大きな仕事ができる」ということです。そのためには、いつも笑顔で接すること、感謝を伝えること、些細なことでも仲間を手伝い助けることです。笑顔と感謝を大切に、共に学び励むことで素晴らしい仲間が増えることを学び、この経験から、「すべては私次第である」ということに気づくことができました。私自身、ブータンで学び貢献できることは、この上ない喜びと幸せを感じています。

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