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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第58回 行德浩二 カンボジアU-20・U-18代表監督兼FFCアカデミーU-18監督
2021年10月14日
カンボジア国内のサッカー事情
カンボジアのトップリーグに所属しているほとんどのチームは、首都プノンペンまたはカンボジア第2の都市シェムリアップに本拠地を構えています。今年はその2大都市でも新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンがありました。それと同時にサッカークラブ関係者や選手の感染によるチームの活動自粛などがあり、国内における様々なサッカー大会は延期や中止、大会方法の変更を余儀なくされました。
カンボジアにおけるトップディビジョンのメットフォン・カンボジア・リーグも幾度となく中断され、大会様式も変更されましたが、ようやく11月中旬に全日程を終える目処が立ちました。もう1つの大きな大会であるフンセンカップ(日本の天皇杯のようなアマチュアとプロの両方が参加できる大会)も5月から中断されていましたが、10月に入り再開されました。
ナショナルアカデミー U-18の活動
ナショナルアカデミーはプノンペンから車で1時間程の場所に位置するナショナルフットボールセンターで活動しています。
新型コロナウイルスの影響で学校は今年4月からオンラインの授業になり、普段の生活で選手達はアカデミーの敷地外に出ることはありません。外部との接触が極めて限定的であることから、カンボジア国内において人の集まりやスポーツ活動が禁止された期間でも例外として、アカデミーではトレーニングを続けることができました。
しかし、2021年1月に開幕したU18ユースリーグは予選の2試合を行ったところで大会が中止になり、6月に参加予定だったリーグカップも大会前日のPCR検査でチームスタッフの感染が確認され、プロチームと試合ができるチャンスだった大会を残念ながら辞退することになってしまいました。今後もディビジョン2の開催がないまま11月の学年末を迎えてしまうと、今年1年ほとんど対外試合を行わなかったことになります。来年は選手たちが沢山の試合を経験できるようになればと願います。
日本語学習
国際交流基金アジアセンタープノンペン事務所と2年ほど前から話を進めていたアカデミー選手の日本語学習が本格的に始まりました。
国際交流基金アジアセンターから提供していただいた日本語学習用教材「いろどり」ほか、ノート、ペン、手提げバッグが選手全員の手に渡り、勉強する環境が整いました。国際交流基金アジアセンターの日本語教師と、カンボジアサッカー連盟所属の日本人GKコーチである三丸俊大氏が中心に授業を行っています。学校のオンライン授業が午前中だけしかなく、時間を持て余している選手たちにとって日本語の授業は新鮮でとても興味を引くようです。
将来アカデミーを卒業したカンボジア人選手がJリーグに挑戦する時に、コミュニケーションの部分で少しでも役に立てばと思いながら、選手もコーチも日本語の授業を楽しんでいます。
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