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【Match Report】SAMURAI BLUE、オーストラリア代表に2-1勝利で最終予選2勝目
2021年10月13日
SAMURAI BLUE(日本代表)は10月12日(火)、2022年のFIFAワールドカップアジア最終予選(Road to Qatar)グループB第4戦でオーストラリア代表と埼玉スタジアム2002で対戦し、交代出場したFW浅野拓磨選手(VfLボーフム)の終盤のシュートが相手のオウンゴールを誘って2-1で勝利。今予選2勝目を手にして勝点を6としました。
日本はここまでの3試合で1勝2敗と結果が出ず、3連勝のオーストラリアとサウジアラビアには勝点6差をつけられる苦しい状況で、2022年カタール大会への出場権を無条件で獲得できるグループ2位以内に入るために、この試合での勝利が求められていました。
その一戦へ、日本は惜敗した7日のサウジアラビア戦の先発から3人を入れ替え、システムも4-3-3へ変更。右ウィングにはMF伊東純也選手(KRCヘンク)が累積警告による出場停止から復帰。MF守田英正選手(CDサンタ・クララ)とMF田中碧選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)を今予選で初めてスタートに起用して、アンカーを務めたMF遠藤航選手(VfBシュツットガルト)と中盤を構成しました。
日本は序盤から中盤で相手ボールを奪って展開し、伊東選手やDF酒井宏樹選手(浦和レッズ)が右サイドで仕掛けるなど、積極的に攻撃のリズムを作ります。
そして開始から8分、左サイドでパスを受けたMF南野拓実選手(リバプールFC)が中へ鋭く切り込んで相手を引き付けてクロスを入れると、逆サイドに顔を出した田中選手が受けて右足でゴール左隅に先制点を決めました。
2次予選から11連勝と波に乗るオーストラリアは、ここまで3試合で2得点のFWマーティン・ボイル選手らを中心に右サイドで仕掛け、13分にはFWトーマス・ロギッチ選手が切り込んでシュートを放つなど、日本ゴールに迫る場面を作ります。しかし、日本はよく集中して冷静に対応し、ゴールを割らせません。
日本は1-0のリードを背景に、素早い攻守の切り替えでボールを保持し、左右に相手を揺さぶりながら攻撃を組み立てます。23分には伊東選手がゴール前に切り込んで左足を振り、長友佑都選手(FC東京)が再三、左サイドでロングボール受けてクロスを送って仕掛けます。
35分には中盤で相手ボールを奪った遠藤選手からのパス受けたFW大迫勇也選手(ヴィッセル神戸)が、ペナルティエリアで相手DF3人に囲まれながらシュートを放ち、44分には南野選手がミドルレンジから鋭いシュートで相手ゴールを脅かしました。
勝利で首位を維持したいオーストラリアは、41分にセレッソ大阪でプレーするFWアダム・タガート選手がワン・ツーパスでペナルティエリアに入り、右足でゴールを狙い、右ポストを直撃します。後半早々にはMFアーロン・ムーイ選手がサイドチェンジのボールを受けて中へ切り込んでシュートを放つなど、得点機を探ります。
そして61分、オーストラリアは長友選手が攻め上がったあとのスペースを使ってボイル選手が攻め上がり、中央へパス。これを受けようとしたMFアイディン・フルスティッチ選手とクリアに入った守田選手が交錯し、PKの判定を受けます。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックでPKは取り消されてFKとなりましたが、これをフルスティッチ選手に決められて同点に追いつかれました。
日本は61分に投入したFW古橋亨梧選手(セルティック)に続いて、78分に浅野選手をベンチから送り出して前線の動きを増やします。80分には中盤からパスを受けた古橋選手がドリブルで切り込んでシュートを放ち、そのリバウンドを受けた浅野選手が右足を振る決定機を作りますが、これは相手GKに阻止されました。
しかし、日本はその後もMF柴崎岳選手(CDレガネス)とDF中山雄太選手(PECズヴォレ)を送り出して攻勢を維持。そして、86分、DF吉田麻也選手(サンプドリア)からのロングフィードを受けた浅野選手がペナルティエリア左から左足でシュート。相手GKの伸ばした手をかすめて右ポスト内側を直撃してゴール前に跳ね返ると、詰め寄った田中選手と古橋選手の間でクリアを試みたDFアジズ・ベヒッチ選手に当たって、ゴールに吸い込まれました。
ゴールが決まると14,437人が駆け付けたスタジアム内は大きな拍手に包まれ、浅野選手はベンチ前でチームメイトから手荒い祝福を受けていました。
日本は2-1で試合を終了し、2勝2敗と星をイーブンに戻しました。オーストラリアは初黒星です。
他会場ではオマーンがホームでベトナムに3-1で勝利し、勝点を6として日本と並び、総得点で上回って4位から3位に上がり、日本は1つ下がって4位となりました。しかし、3勝1敗で2位に後退したオーストラリアとは勝点差を3に縮めました。グループ首位は、ホームで中国代表に3-2で勝利して4連勝のサウジアラビアで勝点12。中国は1勝3敗で5位、ベトナムは4連敗で6位です。
日本は次戦、11月にベトナム、オマーンとアウェイで連戦に臨みます。
なお、グループAではイランがホームで韓国と1-1で引き分けたものの、3勝1分で勝点を10に伸ばして首位をキープ。2位は2勝2分の韓国が勝点8で続き、3位はアウェイでシリアに3-2で競り勝ったレバノンが勝点5につけています。ホームでイラクと2-2で引き分けたUAEは3分1敗でイラクと勝点で並び、得失点差で優位に立って4位。3敗目を喫したシリアは勝点1で6位です。
コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
ここまで思うような結果が出ず、絶対に勝たなければいけない試合で、相手はグループでトップを走るオーストラリアで、簡単な戦いにはならないと覚悟して臨みました。先制から追いつかれる厳しい内容でしたが、選手たちが自分たちの力を信じて、サポーターの声援を受けて最後まで諦めず、自分たちが絶対にワールドカップに出るという強い気持ちを持って戦ってくれました。それが最後の決勝点につながったと思います。この試合を勝ったことでワールドカップへ道がつながり、すばらしい勝利となりましたが、まだまだ厳しい戦いは続きます。今日の勝利を次の勝利へつなげられるように、チーム一丸となって力を合わせて戦い続けたいと思います。まだ2勝2敗で厳しい状況ですが、チームとしてはベースの部分をより強固にしながら内容も上げてくることができていると思います。ただ、この4試合での敗戦はそれぞれのシリーズの初戦だったので、次の11月シリーズへ向けて、初戦を勝つために、過去の敗戦を分析して次の勝利につなげられるようにしないといけないと考えています。
フォーメーションの変更は、自分たちの力を出すために、ここまでの活動を踏まえて調子のいい選手を使い、相手に対して我々のアドバンテージが多いと考えて選択しました。守田選手も田中選手も今回もこれまでの代表活動のなかで存在感のあるいいパフォーマンスをみせていたので、先発で起用して我々の良さを出してプレーして、かつ、相手の強みを消せるようにと判断しました。
絶対に落とせないゲームで、ホームでたくさんのサポーターに後押しをしてもらいながら、勇気をもって戦いに臨めました。スタジアムに入るところでも勇気づけてもらいました。最後まで選手が勇気を持って踏ん張って戦えたのは、サポーターのおかげだと思います。感謝します。
GK #12 権田修一 選手(清水エスパルス)
今日は勝点3が絶対条件でしたので、今は喜ばしい気持ちですが、まだ何も変わっていません。内容もこれがベストではないですし、今日の試合をみて次のベトナムなども対策を練ってくると思うので、常にアップデートしないといけないと思います。この並び(のフォーメーション)でいくと直前に知って、ほぼ2日の練習で試合を迎えたのですが、みんなの準備力はすごいと思いました。試合が終わったあとも、みんなが「もっとこうできる」という話をしていたので、このチームはまだまだ伸びることができると思っています。あと6試合あります。そこで1勝1敗のリズムでは厳しいので、しっかり2勝できる状況をつくっていきたいと思っています。
DF #5 長友佑都 選手(FC東京)
攻撃の時は僕自身が高い位置をとって、いい感じでサイドを崩せて攻撃にも絡めていましたし、いい試合ができたのではないかと思います。僕を見るのが相手のサイドバックなのかサイドハーフなのかという微妙なポジションでスタートできていて、相手が嫌がっていたのでチームとしてもどんどん狙っていこうという話はしていました。守田選手と田中選手が入って中盤で溜めができてボールを持てる時間が増えて、それによって僕が高い位置をとれましたし、南野選手がフリーになって大迫選手と近い距離でプレーできました。途中から入った選手たちも、裏へのスピードを生かしながら相手がバテている中で裏をつけていて、チームとしてやり続けられました。選手のストロングをしっかり理解して勝負をかけ続けられたことが最後の点になった要因だったかと思います。「入れ!」とみんな思ったと思いますが、そういう気持ちが2点目に繋がったと思います。
MF #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
新しいシステムでしたが、攻撃では守田選手と田中選手との3人の立ち位置を意識して、自分たちのところでいい形をつくってしっかりボールを動かしていこうと話していました。守備では自分はDFラインの前で、こぼれてきたところを全部自分が奪うような意識でやりました。役割がはっきりしていたので、良かったと思います。所属クラブでも1ボランチをずっとやっているので、あれぐらいスペースがあっても守備範囲を広くしてやっていくことは自信を持ってずっとやっています。自分が両方のサイドに動きながらタイミングを見てボールを奪うところは、2ボランチよりもやりやすかった。これでチームとしては4-3-3の新たなオプションができたと思うので、ポジティブです。対戦相手が分析してくる中で、どっちでくるのかと思わせられます。やり方を変えて勝てたことも良かったと思います。
MF #13 守田英正 選手(CDサンタ・クララ/ポルトガル)
前回の活動からここまで試合に出られず、チームも敗戦して、一選手として悔しい思いがありました。今回スタートに起用してもらえて、何が何でも勝たせたいという気持ちが大きかったし、ホームなので応援してくれている国民のみなさんに対して結果で答えられたらと試合に臨みました。FKになった場面は、あと一歩早く寄せていればと。その一歩が命とりだと改めて感じました。エリアの外と分かってはいましたが、相手にはその1本で決めきる力が世界には絶対にあります。そこは課題としてこれから取り組みたいです。4-3-3の今までになかったシステムでしたが、個々の選手の特長を生かせられたらと思ってプレーして、守備で奪って速く攻めることも、無理に行かずに遅攻ということも選べましたし、相手を見て判断してプレーすることも全体的にできたと思います。自分たちがやりたいサッカーは表現できましたし、見ていてワクワクしてもらえるサッカーはできたのではないかと思います。
MF #17 田中碧 選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
招集された時から試合に出ればやってやるという気持ちは常に持っていました。こういう状況の試合で自分を(先発に)選んでもらって責任もあります。素晴らしい先輩がいる中で、選んでもらったからには、勝たないといけないと思って、点を獲ることだけ考えてプレーしていました。獲れてよかったです。僕の人生の中でこれ以上緊張することはないぐらいの緊張感でした。責任もそうですし、日本サッカーの進退のかかった試合だったので、この試合が終わって引退してもいいぐらい、後悔のないゲームをしたいと思っていました。自信を持ってプレーしましたが、内容的には全然満足していません。もっとやらなくてはいけないことを感じました。ただ、勝つことで次につながります。ワールドカップに出なくていいことは絶対にありません。次につながるようにやらないといけないとずっと思っていました。(チーム皆からは)よくやったと称えてもらいました。勝ててほっとしています。
FW #18 浅野拓磨 選手(VfLボーフム/ドイツ)
絶対に自分が試合を決めるという気持ちで試合に入ったので、ゴール内にボールが入ったときにはホッとというか嬉しいというか、爆発し過ぎてジャガーポーズをすることも忘れていました。交代で入る時には同点に追いつかれていましたが、チャンスはあると思っていた。自分たちが崖っぷちにいることは全員が承知していますが、諦めている選手は誰一人としていません。今日は勝点3を獲りましたが、厳しい状況には変わりません。一試合一試合どの試合でも自分がゴールでチームの勝利に貢献するという気持ちで、これからも臨むつもりです。
グラハム・アーノルド オーストラリア代表監督
こういう結果になりましたが、選手のプレーには満足しています。失点は2つのスロッピーゴールで2本目は跳ね返りでした。日本には苦しめられましたが、試合は我々の方が支配していたと思います。ただ、大勢のファンがいたことで違いが出たと思います。日本は終盤、彼らからエネルギーを得て勝利を手にしました。我々も次は本当のホームで、ファンの前でプレーしたいものです。連勝記録は止まりましたが、これからは記録を気にせずに予選を進められます。これからも1試合ずつ取り組んでいくだけです。
アジア最終予選(Road to Qatar)
2021年10月12日(火) 19:10 キックオフ(予定) vs オーストラリア代表
会場:埼玉/埼玉スタジアム2002