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SAMURAI BLUE 2次予選を8戦全勝で終了、オナイウ選手が3得点
2021年06月16日
SAMURAI BLUE(日本代表)は6月15日(火)、大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われたFIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選グループF最終戦でキルギス代表と対戦し、FWオナイウ阿道選手(横浜F・マリノス)の前半でのハットトリックなどで5-1の勝利を収め、8戦全勝でこの予選を終えました。
すでに最終予選進出を決めている日本は、今後の戦いへチーム力アップを目指して11日のセルビア代表戦の先発からMF守田英正選手(CDサンタ・クララ)以外の10人を入れ替えて、異なる選手の組み合わせをチェック。
初先発のFWオナイウ阿道選手(横浜F・マリノス)を1トップに、同じく初先発のMF坂元達裕選手(セレッソ大阪)を2列目右、トップ下にMF原口元気選手(1.FCウニオン・ベルリン)、左にFW浅野拓磨選手を起用。最終ラインとボランチは7日のタジキスタン戦の先発メンバーを中心に、左サイドバックにDF小川諒也選手(FC東京)、GKに川島永嗣選手(RCストラスブール)を置いて臨み、躍動感のある攻守にアグレッシブなプレーを展開しました。
試合序盤から両サイドの浅野選手や坂元選手の仕掛けでゴール前でチャンスを作り、12分には浅野選手のパスにオナイウ選手が右足を振り、23分にはオナイウ選手、原口選手、坂元選手が続けざまにシュートを放ちます。
厚みのある攻撃で相手ゴールに迫る日本は27分にオナイウ選手がヘディングで狙い、これが相手DFのハンドを誘ってPKを獲得。オナイウ選手がこれを決めて出場2試合目で代表初ゴールをマークします。
勢いに乗ったオナイウ選手は4分後には、右サイドで相手DFの間を割って攻め上がった川辺駿選手(サンフレッチェ広島)のクロスを逆サイドで押し込んで2点目を決め、さらにその2分後には小川選手の左クロスにオナイウ選手は相手DFの裏を取って頭で合わせて3点目。怪我で離脱したFW大迫勇也選手(ヴェルダー・ブレーメン)に代わって追加招集され、11日のセルビア戦で代表デビューしたばかりの25歳が、6分間でハットトリックを達成しました。
2019年11月のホームでの対戦では3バックでサイドにロングボールを入れて日本を苦しめたキルギスは、激しい寄せでボールを奪って素早い攻撃を試みる様子を見せていましたが、川辺選手と守田選手を中心に中盤でボールを奪い返し、DF中谷進之介選手(名古屋グランパス)とDF昌子源選手(ガンバ大阪)が相手の1トップのFWミルラン・ムルザエフ選手をマークするなど、相手にシュートチャンスを与えません。
唯一のシュートは前半39分にMFアリマルドン・シュクロフ選手がペナルティボックス手前へ持ち込んで狙ったものでしたが、これは守田選手にブロックされました。
しかし、前半終了間際にFKの流れからMFグルジギト・アリクロフ選手がドリブルで仕掛け、ペナルティボックス右で日本選手に倒されてPKを獲得。これをムルザエフ選手が決めて1点を返しました。
この得点で勢いを得たキルギスは後半開始からアグレッシブに仕掛け、日本はボールを失ってペナルティエリア近くまで持ち込まれる場面を作られます。しかし、日本は61分にMF橋本拳人選手(FCロストフ)とMF古橋亨梧選手(ヴィッセル神戸)を投入して、再びボールを保持して攻勢に転じ、63分には左CKの流れから川辺選手と浅野選手が連続シュートで相手ゴールを脅かします。
さらに、68分にはオナイウ選手に代えてDF佐々木翔選手(サンフレッチェ広島)を投入して3バックにシステムを変更。この形でも日本はアグレッシブに攻め続けます。72分には坂元選手の右CKに佐々木選手が頭で合わせて4-1とし、その5分後には橋本選手のインタセプトを起点に、高速ドリブルで攻め上がった古橋選手からパスを受けた浅野選手がゴール右に決めて5-1としました。
日本は最後まで攻めの姿勢を崩さず、終わってみればシュート25本の猛攻。相手のシュートを1本に抑える圧勝で、2次予選最終戦を終了しました。
なお、この日大阪で行われたグループFのもう1試合では、タジキスタンがミャンマーに4-0で勝利してこのグループ2位に入りました。
アジア2次予選は15日に終了し、最終予選へ進出する12チームが決定しました。
12チームはシリア、オーストラリア、イラン、サウジアラビア、オマーン、日本、UAE、韓国、中国、イラク、ベトナムで、開催国のカタールがグループE首位になったことでレバノンが2位チームの中で上位5番目に入り、繰り上げで最後の2位枠で突破を決めました。この12チームは同時に2023年のAFCアジアカップへの出場権も確保しました。
なお、朝鮮民主主義人民共和国の予選辞退でチーム数が減ったグループHと他グループとの公平性を保つため、グループA~Gの2位チームは各組5位との対戦成績を除外した上で、2位で上位5チームが決定しました。
9月から始まる予定の最終予選は2022年3月までの間に、12チームが6チームずつ2つのグループに分かれて戦い、各グループ上位2チームがカタール大会出場権を獲得します。両グループ3位チームは互いにプレーオフを行って勝者が大陸間プレーオフに進出。そこで勝てば出場権の残り1枠を手にすることができます。
最終予選の組み合わせは7月に予定されており、FIFAランキングによりシード分けが行われます。
コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
セルビア戦から大幅にメンバーを変更しましたが、今日の選手たちは「日本にはたくさん良い選手がいる」と日本の選手層の厚さを示そうと、個の良さとチームのコンセプトを思い切り発揮してくれようとしました。すばらしかった。この3月から6月の2次予選では、これまでやってきたこと、レベルアップするためにやらなくてはいけないこと、チームの攻守のコンセプトを選手たちが理解してくれて、高い目標と志を持って目の前に試合に100%でチャレンジしてくれました。そのおかげで、チームコンセプトはかなり浸透したと思います。かなり多くの選手を入れ替えながら試合をしましたが、誰が出てもチーム力を落とさずに戦えると多くの選手に感じてもらえたと思います。U-24代表というもう一つのフル代表もいます。多くの選手で日本代表を構成していけると、今回のシリーズで選手たちに感じてもらえたと思います。2次予選の間に戦ったセルビア戦でも世界の強豪にも通用すると確認できて、今日の試合でもやるべきことがさらにはっきりしてチャレンジできました。
最終予選は、2次予選とは全く別次元の厳しい試合になると覚悟して臨まなければなりません。ふわっと入ると非常に痛い思いをする。個としてもチームとしても常にレベルアップして気を引き締めて臨むことが必要です。これまで多くの選手に関わってもらい、成長がある中でチームも成長してきていることは非常にポジティブなことです。最終予選へのメンバーを選ぶのは大変な作業になりますが、より強い日本代表で、誰が出てもチーム力を落とさずに戦える自信を私自身が持つことができました。選手もやるべきことをやれば高い確率で勝てると手ごたえを感じてくれていればと思います。選手はチームコンセプトの中でアグレッシブにチャレンジして、連係連動することで自分の良さを出し、周りの良さも出す。局面での個の責任とチームとして連係して戦うバランスが非常に良かったと思います。
ただ、今日は失点もありました。前半の終わらせ方や、試合が終わるまで強度やテンポを落とさずに戦えるようにしなければなりません。タジキスタン戦でもシュート1本で1失点しました。相手に1本もシュートを打たせないつもりで、細部にまで相手に自由にプレーさせないようにすることをもっと徹底しなくてはなりません。最終予選では相手の守備もより強くなります。時間、スペースがない中で相手のDFラインをこじ開けて突破できるように、さらにクオリティを上げないとならないと思っています。勝つためのレベルアップを個としてもチームとしても続けて、最終予選で勝つための準備をしっかりする。どんな環境になってもブレなく、チームとして100%力を発揮するようにしたいと思います。
今後の予選がコロナ禍で集中開催での可能性もあると考えると、今回の活動はいいシミュレーションになりました。制限の多い生活の中で選手たちが我慢強く対応して、練習や試合にはしっかり集中して臨んでくれた。コロナ禍で特別に試合をさせてもらう意義を選手たちが考えて、サッカーでも表現してくれました。
DF #16 小川諒也 選手(FC東京)
このシリーズで最後の試合でここしかチャンスがないと分かっていましたし、試合に出るからには結果にこだわってやりたいと思っていました。相手が2次予選で一番強い、戦ってくる相手だったので、気を引き締めて試合に臨みました。ゴールやアシストの結果がほしかったので、1アシストでも結果を出すことができたのは良かったですが、まだまだ自分に足りない部分が多く出ました。東京に戻ってしっかり突き詰めてやっていきたい。今日のようなアシストをもっと増やさなくてはいけないですし、最終予選になると相手のプレスも早く、さらに早い展開の試合になると思います。そこでもしっかりミスしないで合わせてプレーできるように、もっと自分の状況判断を早くしていかないといけないと思っています。
MF #21 川辺駿 選手(サンフレッチェ広島)
キルギスはこのグループの中でも一番強いと聞いていました。前半チャンスをつくりながらなかなかゴールを奪えず、常に思った通りにはいかなかったですが、「こういう時間帯もあるよ」と試合前からチームで話していて、我慢しながらうまく先制点を取れたのが大きかったですし、その後も何点か決められたのがよかったと思います。 アシストの場面はオナイウ選手があそこに入ってくることは分かっていましたし、アイコンタクトがとれた瞬間にうまく裏を取ってくれたので、あとは出すだけでした。 それまでの試合でもあまり飛び出しがなかったので、今日は少しでもチャンスあれば飛び出そうと思っていて、うまく抜け出したおかげで決定機も作れました。ただ、回数や質は上げていかないといけないと思っています。3試合に出場して、今回アシストという結果を出せたのが一番重要だったと思います。まだまだな部分も多いですが、自分が生き残るためには結果が必要でした。まず勝つことができて良かったと思います。
MF #17 坂元達裕 選手(セレッソ大阪)
押し込む時間が長い中、1対1で仕掛ける場面があれば仕掛けようと思って臨みました。とにかく、点に関わりたいという思いが強かったのでゴールに直結するようなボールを意識していました。中でうまく合わせてくれたのでよかったです。そういう部分ではどんどんチャレンジできたかなというのはありますが、ゴールも決められたと思いますし、そのチャンスもあったと思うので、満足はしていません。代表では練習でも参考になることが多く、レベルも強度も高い。自分にとっても勉強になりましたし、90分戦えたことはすごく自信になりました。でも、まだまだアピールは足りません。ここからチームに帰って結果を残してアピールしたい。目に見えるゴールを取れなかったですし。そういう部分が大事かと思います。より強い相手とはフィジカルの強さも変わってくると思うので、倒れずにやり切るプレーはまだ足りません。もっと強くならないといけないと感じています。
FW #15 オナイウ阿道 選手(横浜F・マリノス)
ゴールという部分で結果を残せたのは良かったですが、攻撃の起点になることはもっと増やしたいですし、個人だけでなくチームとしても増やしていければ、より厚みのある攻撃ができたかと思います。チームでやっていることを出すことができました。安定したプレーを常に出せるように、毎試合、得点を獲ることを意識しながらやっていきたいです。結果は出した方がいいですし、ゴールならそれに越したことはないですが、ほかの部分でもっと質をあげないと、相手のレベルが上がってきた中で自分のプレーが通用しなくなってしまいます。そこの技術や判断、プレースキルなどいろいろともっとレベルアップしなければならないと感じています。いろいろな人との出会いや経験で選手としての幅が出たと思います。僕一人の力ではないので、みんなに感謝しながら、代表に呼んでもらったらしっかり結果を残すことを意識して、それをチームに還元できればよりチームも良くなります。ゴールや代表への招集だけで喜ばずに、常に次のステップに進んでいけるようにしたいと思います。
アレクサンデル・クレスティニン キルギス代表監督
前回我々のホームでの対戦とは状況も選手も違うし、ホームではより良い準備ができて選手のコンディションもよかった。今回は準備がうまくいかず、その中でも選手はベストを尽くしてくれたが、こういう結果になった。前半ボールを失う場面が多く、日本には欧州でプレーしている選手が多く、質と経験値で差があった。我々は世代交代の最中にある。今回の2次予選は若手にはよい経験になったし、次の世代を育てる点でよかったと思う。
FIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選
2021年6月15日(火) 19:25 キックオフ vs キルギス代表
会場:大阪/パナソニック スタジアム 吹田
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