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SAMURAI BLUE、大迫選手の3得点などモンゴル代表に14得点の猛攻
2021年03月31日
SAMURAI BLUE(日本代表)は3月30日(火)、千葉のフクダ電子アリーナで行われたFIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選でモンゴル代表と対戦。FW大迫勇也選手(ヴェルダー・ブレーメン)がハットトリック、MF伊東純也選手(KRCヘンク)と途中出場のMF古橋亨梧選手(ヴィッセル神戸)、代表デビューのMF稲垣祥選手(名古屋グランパス)が2得点するなど8人の選手による得点で14-0と大勝し、最終予選進出へ前進しました。
日本代表のワールドカップ予選での14得点は過去最多で、1968年メキシコ・オリンピックのアジア地区予選フィリピン代表戦で記録した歴代最多の15得点に次ぐ記録です。
新型コロナウィルス感染症の世界的流行の影響で2019年11月以来となったアジア2次予選に、日本は5日前に快勝した親善試合の韓国戦と両サイドバック以外を同じ顔触れで固め、右には2014年以来の代表復帰のDF松原健選手(横浜F・マリノス)、左には韓国戦で途中出場したDF小川諒也選手(FC東京)という代表初先発の2人を起用。森保一監督が試合前に「チームの軸を持ちながら勝ち進む」と話した通りのスタートとなりました。
25日にアウェイのタジキスタンで予選を落としているモンゴルは、予選2勝目を目指して、4-1-4-1の布陣で前線の人数をかけて日本の攻撃阻止を図りますが、日本は韓国戦でも見せた良い流れと高い取り組み意識を披露。両サイドを広く使って左右に展開しながら縦を突くなど、揺さぶりをかけて相手のほころびを誘います。
その組み立てから生まれた先制は13分。小川選手の左クロスを松原選手がマイナス気味に中央に折り返すと、南野選手が左足を振り抜いて2次予選5戦連続得点をマークします。
23分には、DF吉田麻也選手(サンプドリア)の縦パスを受けた大迫選手が冷静にゴールに流し込み、この3分後にはMF鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)が伊東選手の右クロスに右足で合わせてゴールネットを揺らします。
さらに33分には松原選手のパスを受けた伊東選手がスピードに乗ったドリブルで右サイドで相手を抜き去り中央へ折り返し、ゴール前に顔を出したMF守田英正選手(CDサンタ・クララ)が右足で捉えて代表戦初ゴール。39分にはドリブルで持ち上がった伊東選手のパスを受けた松原選手が上げたクロスが、相手DFに当たってゴールに吸い込まれました。
前半で5点を奪って試合を決めた日本ですが、後半も守田選手に代えてFW浅野拓磨選手(パルチザン・ベオグラード)を投入して4-1-4-1へフォーメーションを変えて、大迫選手の背後に鎌田選手と南野選手を置いて、さらにゴールを狙います。
55分の大迫選手の2点目を皮切りに、68分には交代出場した稲垣選手が大迫選手の落としたボールを右足でゴールネットに突き刺して代表初得点をマークしました。
日本はこの直後に古橋選手とDF畠中槙之輔選手(横浜F・マリノス)を投入して再び4-2-3-1へ陣形を戻し、73分から7分で3点を奪います。
まず73分に古橋選手の左からのシュートのリバウンドを伊東選手が押し込み、その5分後には伊東選手のクロスに古橋選手が頭で合わせて得点。伊東選手は1分後には、相手からボールを奪ってドリブルで持ち上がり、右足を振り抜いて日本のリードを10-0としました。
試合終盤になっても日本の動きとゴールへの意識は全く陰りを見せず、87分に大迫選手のスルーパスに反応した古橋選手が2点目をマークします。
後半アディショナルタイムには、浅野選手が2019年10月のアジア2次予選タジキスタン戦以来の得点を決め、その直後にはペナルティエリア深くに入った浅野選手がヒールで戻したパスを大迫選手が受けてハットトリックを達成。終了間際には稲垣選手が伊東選手のパスを受けて豪快にゴールネットを揺らし、自身2得点目で14-0としました。
モンゴルは、試合序盤にドゥルグーン・アマラー選手が左サイドから攻めてゴール前にクロスを入れ、前半半ばにはガルエルデネ・ソヨルエルデネ選手が日本守備陣の裏へパスを出し、FWナランボルド・ニャムオソル選手が走り込む攻撃を試みますが、日本のゴールが脅かされるには至りません。60分過ぎにはFKの流れからバルジンンヤム・バトボルド選手がシュートを放ちますが、枠を捉えることはできません。
モンゴルはしかし、点差が開いた試合終盤になってもFKやCKでゴールの機会を探り、GKムンフエルデネ・エンフタイバン選手は試合を通して何度か好セーブを見せていました。
日本はこの勝利で2次予選を5戦全勝として勝点を15に伸ばし、グループF首位をキープ。6試合消化して勝点10で2位につけるタジキスタンとの勝点差を5に広げました。3位、4位は今回試合のなかったキルギスとミャンマーで、それぞれ勝点7、勝点6。6敗目を喫したモンゴルは勝点3でグループ最下位は変わりません。
なお、今回の対戦は、本来アウェイで行われる予定でしたが、新型コロナウィルス感染流行を受けて入国制限などの感染対策をとっているモンゴル国内の事情で、日本でモンゴルのホームとして無観客で開催されました。
次の予選開催は6月3~15日で、コロナ禍の影響でグループFの残り試合は日本での集中開催が決まっており、日本はミャンマー、タジキスタン、キルギスと対戦します。
コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
今回の活動では私が就任してから初めて招集した選手が10人いましたが、これまでの経験やチームづくりを融合しながら前進できたと思っています。試合途中でシステムを変更したり、新たな選手が入って新たな融合があったのも良かったですが、一番は選手がレベルアップのため、テレビで見ている皆さんを励ますためにベストをつくしてくれて、今後のオプションとなるような戦いをしてくれたことで、チームは上積みができました。
今回の2試合でフィールドプレーヤー全員を使うことができて、戦力の幅が広がり、チームの底上げができました。今後もワールドカップ予選を戦う上で、いろいろなことが想定されますが、その時に戦力を落とすことなく、同じコンセプトの下でプレーできる選手が増えたと思っています。Jリーグで活躍している選手が経験を積んで、チームの底上げにトライしてくれました。所属チームに帰ってJリーグを盛り上げてくれると嬉しいですし、その選手を見た他の選手たちが「俺たちも」と思ってくれればと思っています。
我々の活動は代表を通して選手とチームをレベルアップさせるともに、日本サッカーの全体のレベルアップに少しでも貢献することで、それが全体の盛り上がりにつながればいい。今回は選手とスタッフの協力で活動ができました。本来、活動できなくても仕方なかったところを多くの皆さんの尽力で実現することができて感謝しています。選手も感謝しながら、自分たちが頑張ることで日常生活で大変な思いをしている方にエールを送ることができると考えていました。それは嬉しかったです。
DF #22 吉田麻也 選手(サンプドリア)
今日の一番の収穫はいろんな選手が点を取ったことで、初出場の稲垣選手も取るべき選手もしっかり取ったことがよかったと思います。1戦目の韓国戦では非常に高いパフォーマンスを作りだせました。あれを強い相手にも出せるか。最終予選や本番で出せるかですが、その形を1試合目で出せたことは大きいと思います。国内で1年4カ月ぶりの試合で、前回と前々回は海外組だけだったので、国内組がこのチャンスをものにしようと高いモチベーションで臨んだのは間違いありません。今回、一歩踏み出したと思いますが、これからです。チャンスをものにしたらそれを簡単に手放してはいけない。自チームで意識の高いパフォーマンスをして次に備えることが一番だと思います。
MF #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト)
今日の試合は自分たちがどういうサッカーをできるか、最後まで戦い抜けるかというところにフォーカスしてやっていたので、それは出せたと思います。交代で出た選手もどんどん点を取る姿勢を見せて、90分間しっかり戦えました。自分たちがやるべきことをひたむきに謙虚にやることが大勝につながったと思います。(後半のシステム変更で)チームとしてオプションを増やす意味で、自分が1ボランチで南野選手と鎌田選手が2シャドーでプレーしましたが、相手によって戦い方を変えることができるのはいいことだとプラスに捉えています。中盤のポジション争いも熾烈になってきたなという感覚もあります。選手が代わりながら出る中でも、お互いがしっかり良さを出せるようなポジションニングを意識できると、チームとしてよりプレーの幅が広がると思います。
MF #8 稲垣祥 選手(名古屋グランパス)
初出場で2得点は素直に嬉しいですし、周りの選手が「点を取ってください」というようなパスをつないでくれたので、感謝したいです。練習で自分にはシュートもあることを見せていたので、周りの選手が出してくれたと思います。限られた中での試合でしたが、できるだけ最大限のコミュニケーションを取って、あとは試合に入ってからの感覚で合わせられればと思っていました。そのあたりも良かったと思います。今日は今できる最低限のことはできたかと思いますが、もっと拮抗した試合で使ってもらえるようになりたいです。
MF #14 伊東純也 選手(KRCヘンク)
(2得点4アシストは)チャンスの数からすると最低限かと思います。前半で1対1を外したところなど、突き詰めていかないといけません。どんな相手でも手を抜かずに守備でも最後まで走り切ろうと意識して、相手にプレッシャーをかけようと考えていました。これから守備でも攻撃でも走って精度を落とさないようにしたい。対戦相手が強くなればチャンスも少なくなるので、チャンスに決めきる、アシストする、自分はチャンスをより多く作っていくことを、日々、出きるようにしていきたいと思います。
FW #15 大迫勇也 選手(ヴェルダー・ブレーメン)
点を取ることだけを考えていたので、決めきることができて良かったです。相手もあってのことですが、チームメイトに感謝したいです。(14得点は)チームがいい時間帯に得点して、その後も緩めずに行ったのが大きかったと思います。今回は韓国との初戦もいい試合ができて、自分たちがやるべきことをしっかりとできた2試合だったと思います。チームは若手が出てきているので経験の面でも、これを続けることでワールドカップで勝てるチームになっていくと思います。それぞれが各チームで存在感を出していかないといけません。2次予選をしっかり勝ち、最終予選もしっかり勝ちきる。そうすることで(本大会への)力は自然とついていると思います。
ラスティスラブ・ボジク モンゴル代表監督
こういう試合を分析して、何を経験として得ることができるのか難しいですが、選手たちは最後まで諦めませんでした。とにかく得点をしようとモチベーションを高く試合に臨みましたし、1点でもいいから取りたかったのですが、チーム力の差が大きすぎました。日本のモチベーションも、本大会のメンバー入りを意識して、前回の対戦時よりも高かったと思います。モンゴルの選手が天然芝に慣れていないのは事実で、国で対戦していたら地の利があったとは思いますが、両チームの力の差を考えると、ピッチそのものが結果に大きな影響を与えたとは思えません。それにサッカーは対応力が求められる競技だと思います。
FIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選
2021年3月30日(火) 19:30 キックオフ(予定)vs モンゴル代表
会場:千葉/フクダ電子アリーナ(アウェイ)
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