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【Match Report】SAMURAI BLUE、コロンビア代表に三笘選手のゴールで先制も逆転敗け
2023年03月29日
SAMURAI BLUE(日本代表)は3月28日(火)、大阪のヨドコウ桜スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ2023でコロンビア代表と対戦。三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)のゴールで前半早々に先制したものの、2失点を喫して1-2で敗れ、FIFAワールドカップカタール2022後の初勝利はお預けとなりました。
日本は24日(金)のウルグアイ代表戦(1-1)から先発4人を変更。4日前の試合で交代出場直後に同点ゴールを決めた西村拓真選手(横浜F・マリノス)をトップ下、アシストした伊東純也選手(スタッド・ランス)を2列目右に、左サイドバックには代表デビューとなったバングーナガンデ佳史扶選手を置き、1トップには昨年9月のキリンチャレンジカップ2022アメリカ代表戦以来の出場の町野修斗選手(湘南ベルマーレ)を起用しました。
また、ウルグアイ戦で左サイドバックを務めた伊藤洋輝選手(VfBシュツットガルト)をセンターバックに移して板倉滉選手(ボルシアMG)と最終ラインに、トップ下だった鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)を1列下げて守田英正選手(スポルティングCP)とボランチに配して臨みました。
日本は開始早々からテンポよくパスをつないで、右サイドから守田選手が上げたクロスに、ゴール前で三笘選手が高い打点で頭で合わせてゴール左隅に叩き込み、先制に成功します。
その後、パスをつないだ組み立てに時折ロングボールを織り交ぜて、右サイドのスペースへ伊東選手を走らせて相手の裏を突く動きを加えるなど、追加点を目指して仕掛けますが、コロンビアは相手に激しくまとわりつくようなプレッシャーでボールをからめとり、逆襲に出ます。左サイドのデイベル・マチャド選手(RCランス)を中心に攻め込むと、攻撃陣が積極的にシュートで日本ゴールに襲いかかります。
前半33分の失点もその形からでした。左サイドのマチャド選手の折り返しに、中央に走り込んだジョン・バデル・ドゥラン選手(アストン・ビラ)が走り込んで左足を振ると、シュートはGKシュミット・ダニエル選手(シントトロイデンVV)が右へ伸ばした手をかすめるようにゴールに吸い込まれました。
再び先行したい日本は40分に大きな得点機を迎えます。右サイドを攻めあがった伊東選手からライナー性の鋭い折り返しが中央に入り、走り込んだ西村選手が左足で合わせます。ウルグアイ戦の得点を彷彿とさせるような場面でしたが、しかし今回はシュートはわずかにポスト右に外れました。
日本は後半開始から鎌田選手に代えて遠藤航選手(VfBシュツットガルト)、町野選手に代えて上田綺世選手(セルクル・ブルージュKSV)、54分には堂安律選手(SCフライブルク)を投入。58分には中盤で相手ボールを奪った伊東選手から上田選手へつなぎ、堂安選手がシュートを狙いましたが、相手GKに阻止されます。
カタール大会出場を逃して昨年6月から新体制で活動を続けてきたコロンビアは、連係もスムーズでテンポの良い攻撃を畳みかけ、日本ゴールを脅かします。
日本は59分、相手との接触で負傷したバングーナガンデ選手に代えて瀬古歩夢選手(グラスホッパ―CZ)、西村選手に代えて久保建英選手(レアル・ソシエダ)を送り出し、瀬古選手をセンターバックに入れて伊東選手を左サイドバックにシフトします。
しかし、その直後に日本は再びコロンビアに得点を許してしまいます。61分、ジョン・アリアス選手がペナルティエリア右に切り込んで近い距離からシュートを放ち、これはGKシュミット選手がブロック。しかし中央に上がった跳ね返りにラファエル・サントス・ボレ選手(アイントラハト・フランクフルト)が反応。オーバーヘッドでとらえて勝ち越しゴールをたたき込みました。
日本は65分過ぎに上田選手が守田選手の左クロスに合わせ、その直後には伊東選手の左CKに合わせて高い打点のヘディングで相手ゴールを脅かしますが、いずれも相手GKに阻止されて、ゴールを割ることができません。
日本はさらに78分には守田選手に代えて浅野拓磨選手(VfLボーフム)をベンチから送り出し、2トップの下に久保選手を置く布陣も試みて反撃の糸口を探り、久保選手のシュートや菅原由勢選手(AZアルクマール)のクロスに伊東選手がヘディングで狙う場面も作りました。しかし、最後までゴールを割ることはできず、1-2で終了。2026年FIFAワールドカップへ向けたチームの新たな船出で、初勝利は次の6月での活動以降に持ち越しとなりました。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
結果が大事だと思っているなか、スタジアムに足を運んでいただいたサポーターの皆さんに勝利を届けられず残念です。試合では選手たちが良い入り方をしてくれて、いい形で先制点を奪いましたが、より試合をコントロールしながら相手にダメージを与えていくという試合展開をなかなかできなかったという点は反省しなければなりません。しかし、選手たちがウルグアイ戦とコロンビア戦に向けて、トライするべきところと、カタール大会からメンバーが代わった中でチームとしてのチャレンジと個々のつながりの部分で、共通意識のクオリティーを上げてくれようと、今できることを精一杯やってくれたと思います。
失点場面は、私の交代カードの切り方が失点につながったところもあるので、私自身、反省しなくてはなりません。前回のウルグアイ戦の起用の仕方もあって、リスクはあると思いましたが、我々の戦いのプラスになると思って交代してポジション変更しました。ただ、これは結果論で、背後を突かれて対応が後手になりました。
試合中のメモは、ダイヤモンドの形を選手たちが把握できるように渡しました。形については練習ではやっていなかったですし、負けている状況で前線からプレッシャーをかけないといけないと。相手のセンターバックとアンカーの枚数合わせをして相手の攻撃に高い位置からプレッシャーをかけること、久保をトップ下にして攻撃で起点になってもらおうと考えました。
新たな戦術的な部分や、立ち位置でチャレンジをしましたが、選手が変わっていく中でスタートから全てがスムーズにいくのはなかなか難しい。練習時間がなくても選手たちが自チームから代表にスムーズに移行して、チームの戦術、自分の役割と良さを出せることが理想ですが、そこは簡単にはいきません。与えられた時間の中で何を選択して優先順位とするのか。次に選手たちがスムーズに絵を持てるように準備していかないといけない。新しい戦術のチャレンジと新しい選手の融合の部分で、簡単ではないという部分が出たと思います。
DF #4 板倉滉 選手(ボルシアMG/ドイツ)
ボールを保持しながら戦いたいというチームコンセプトですが、それだけじゃないことはチームは理解してやっています。動かし方のところで、今回の活動はサイドバックが中に入ることをトライしていましたが、相手のプレスのかけ方によってサイドでポジションを変えたり、試合中も探り探りで、できた部分もありますし、もうちょっとスムーズにできたという感覚もあります。今回初めてでポジション取りに意識が行ったりしていました。それは全然悪いことではないですし、それをすることで見えてくるものがあるので、その成功体験をどんどん増やしていく。そういう段階かなと思っています。こういうレベルの高い相手とやって積み重ねていくことでいろいろ形も見えてくると思います。なかなか進まなかったところも上手くいかなかったところもありますが、それはポジティブにとらえて、自チームに帰って戦いたいと思います。
DF #22 瀬古歩夢 選手(グラスホッパーCZ/スイス)
コロンビアは個人個人がうまいと思いましたし、もっと距離を詰めて奪いにいくところをはっきりしないといけない。剥がせる部分も多かったと思います。サイドで開いてボールを受けたり、状況を見てサイドバックが中に入っていくことは意図的にやっていたので、前回よりもボール回しはうまくいっていたと思います。これを次の活動でも続けていけば絶対に良くなると思っているので、今日またそういう手ごたえをつかめたので良かったと思います。代表デビューできて2試合でアピールしようとしましたが、ちょっと自分の物足りなさを感じました。そこは、チームに帰って試合に出続けて成長してまた帰ってきたいですし、自分の次の目標は次のワールドカップなので、それまでにもっともっと成長して1回1回の活動を大事にしていきたいです。
DF #26 伊藤洋輝 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
センターバックの時はボールを持つ時間が多かったのですが、そのなかでもう少し攻撃の起点となるパスも出せればよかったと思います。リスクを考えて縦パスを刺さなかった場面が何回かあったので、そこは後半入るときはもう少し刺していこうと周りの選手とも話していました。状況を見てボール保持を選んだ形です。守備のところはうまく対応できたかと思います。ウルグアイ戦と違って、試合前のミーティングでサイドが空いていることはチームで共有していたので、中にあまり入らず、伊東選手が何回か覗いてくれていて、そこからもう1個どう崩すかがチームとして課題になりましたが、前回よりはそこに入る回数は多かったのではないかと思います。
MF/FW #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
チームとしては立ち上げで、できるだけ強い相手と試合ができるのはいいことですし、今回は若い選手も入ってきてスタメンで使いながら次のワールドカップへ向けて、どう成長していくかという段階です。結果がでないのは残念ですし、どの試合でも勝利を目指していかないといけないという思いは持ちながら、しっかりトライするべきだと思います。いろんなオプションを持つという意味では今回の2試合は決して無駄ではなかったですし、次につなげなくてはいけない2試合だったと思っています。鎌田選手のボランチは、間でボールをうまく受けながら攻撃面でのパフォーマンスの高さを期待しての起用だったと思います。彼もクラブのやり方と違う難しさは感じながらプレーしていたと思いますが、何回か剥がしたり間で受けるシーンは作れていました。彼の良さだと思います。
MF/FW #9 三笘薫 選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
来てほしいボールが来たので、タイミングだけ考えて飛んだ。数的優位を作れて前進できたところはあったので、そこからの質は課題ですが、ウルグアイ戦よりも入るところや絡むところは前半に少しは見せられたと思います。ただ、それを一試合通してやっていくことが必要なので、まだまだ全然です。南米相手にこれが実力だと思いますし、エクアドルとやった時もそうでしたが、やっぱり押し込まれる時間帯が増えると我慢しきれないところや、個人の能力のところで蹴られたあとに回収されて押し込まれる形が増えて、バトルのところで徐々に相手の時間帯になっています。そこは一人ひとりの能力のところで、組織ががんばってもそこで収められると厳しい。そこは一人ひとりが能力を高めて勝っていくことをやっていかないといけないと思います。
MF/FW #19 西村拓真 選手(横浜F・マリノス)
これが今の自分の実力だと思います。負けたことが一番悔しいですが、ここからやるしかありません。チャンスもあったし、そこで決められなかったのも自分の実力です。味方とどう崩すかはもう少しやっていかなくてはいけないと思いますし、個人の個の打開力や強さ、いろんなところ含めてレベルアップが必要です。自分のなかではポジティブにとらえています。まず個人のできることを増やすことがこの先自分にとって一番大切だと思うので、そこの作業をやっていきたい。一日一日を大事にして日本の力になれるようにレベルアップして、本当にすごい選手になっていきたい。
MF/FW #20 町野修斗 選手(湘南ベルマーレ)
FWとしては前線で競り合って起点になることを求められていたので、もっと起点になりたかったです。サイドに速い選手が二人いたので、僕のプレーエリアは基本的にはペナ幅で考えていて、そのなかでどれだけ前向きの選手と使いながら簡単に前に入っていくかというところは意識しながらやっていました。できた部分もできなかった部分も多分あると思うが。シュートゼロでおわったのでまだまだですし、しっかり振り返りたいと思います。
ネストル・ロレンソ コロンビア代表監督
両チームとも攻撃的に戦って非常にスペクタクルな良い試合になりました。失点場面は、韓国戦とは違ってよい入り方ができたと思った矢先で、日本にもうまい選手がいることは知っていましたが、完璧なクロスに全力で飛び込んできた。あの状況での守備は簡単ではありません。上手いクロスに美しいゴールでした。日本は良いチームで素晴らしい選手が揃っています。我々はそういった状況でも積極的にしっかりとプレーし続けた、チームのレジリエンスを評価したい。ワールドカップで世界の強豪に勝った日本に対していい試合をしてくれたと思います。親善試合は世代交代を含めてさまざまなことを試す場で、日本もそうだと思います。日本はサッカーのレベルが高く、いくつかの面で組織的なプレーを上回るのが難しいところもありましたし、交代で入った選手たちがいいプレーをして日本代表に解決策をもたらしていたと思います。
2023年3月28日(火) 19:20 キックオフ(予定) vs コロンビア代表
会場:大阪/ヨドコウ桜スタジアム
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