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第37回JFAレフェリーキャラバンを大分県で開催
2018年08月30日
8月18日(土)から19日(日)にかけて、JFAレフェリーキャラバンを大分市の大分スポーツ公園で開催し、2日間で延べ20名(3級審判インストラクター、2級審判員)が参加しました。
今回のJFAレフェリーキャラバンでは、指導をする上で重要な「チュータリング」「プラクティカルトレーニング」の2つに対し、座学から実践までを行い、充実した2日間となりました。
JFAインストラクターコメント
脇山哲郎 JFA1級審判インストラクター
猛暑のなかでも、少し涼しさが感じられるようになった大分でレフェリーキャラバンが開催されました。事前の現状分析の中で明らかになった「3級審判インストラクターの数の確保と活動機会の拡大」という課題の解決に繋がるような内容で計画を策定しました。初日は、チュータリングの必要性や手法の実践、競技規則の正しい理解に関するセッションからスタートしました。このチュータリングについては、2017年からスタートした審判指導者トレーニングセンターの養成フェーズを修了した大分県の担当指導者3名が、今後の活動につがる実践の場としてセッションを担当しました。受講者は積極的な姿勢で参加し、十分な事前準備によって活気あるセッションとなり、今後の派遣フェーズでの活躍を確信するものでした。ここでは、参加者に競技規則の正しい理解・解釈や趣旨が十分理解されていないことが明らかになり、今後の課題となりました。
次に、本レフェリーキャラバンのターゲットである3級審判インストラクターが実際に審判員を指導する機会として、プラクティカルトレーニングを「フリーキックコントロール」、「オフサイド」の2テーマに分けて実施しました。最初に、プラクティカルトレーニング理論として、プラクティカルトレーニングの特性、トレーニングプラン作成における留意点等を確認したのち、ラーニングサイクルの考えに基づき、大分県の審判員がかかえる課題を抽出し、その要因を分析してトレーニングプランのデザイン→トレーニングというステップで進めました。参加者は初めて経験する手法で最初は戸惑いもありましたが、個々の意欲が高く、積極的な意見交換や活気あるトレーニングの実施につながりました。実施後の振返りでは、現状分析の甘さやトレーニング時の審判員への指導の内容、タイミングの難しさなど今後につながる事項が多数挙げられ、特に、3級審判インストラクターが指導する喜びと併せて難しさを感じ、更なる向上意欲を醸成することができたことは大きな成果でした。日常的に活動する審判インストラクターが、今回のレフェリーキャラバンで得た新たな気付きを元に大きな熱意、情熱を生み出し、指導活動の領域を広げ活性化していくと共に、指導者の世代交代もスムーズに展開していくものと確信しています。熱意ある参加者の皆様に感謝申し上げます。
開催FA審判委員長コメント
後藤啓之 大分県FA審判委員長
開催にあたり、事前打ち合わせで、大分県審判委員会の課題・弱点は何かを探り話し合いました。その中で、「3級審判インストラクターの数が少ない(有資格者3名のみ)」に絞って、新規有資格者を募集し、有資格者には指導者に必要でイントレのスキルである、チュータリング・プラクティカルトレーニングの手法を実践しました。参加者には、イントレスキルの一つである「チュータリング」のコースの内容の一部を派遣指導者のもと、実践してもらいました。チュータリングの「目的」・「なぜ必要か」・「手法の実践紹介」の順でイントレの内容を理解しながらの実践です。また、各テーマについて、グループディスカッションを行い、活発な意見を整理しながらまとめました。プラクティカルトレーニングでは、デモンストレーターとして地元の高校生チームにお願いしました。高校生も「自分たちも勉強になった」と好印象でした。参加者は伝えることの難しさを感じつつ、指導していくことへの楽しさ・喜びと3級審判インストラクターがチュータリングの普及と審判員への活用の必要性を実感してしてくれたことと思います。この「JFAレフェリーキャラバン」での実践を、「3級審判インストラクター」のみならず、大分県審判委員会の全ての強化カテゴリーに活用し、課題・弱点の克服に生かして行くと同時に、県全体の審判レベルアップと強化につなげて行きたいと思います。
受講者コメント
和田敬生 3級審判インストラクター
私は、2級審判員としての活動に加え、今年から3級審判インストラクターの資格を取得しました。今年の5月、3級新規実技試験のテスターを初めて務め、審判員への指導の難しさを感じていたところ、今回のJFAレフェリーキャラバンが開催されると聞いて、参加することにしました。JFAの脇山哲郎インストラクターと泉弘紀インストラクターが来られていた事もあり、いつもと違う緊張感の中でスタートしました。初日の将来構想の話は、いきなり度肝を抜かれたような驚きを感じましたし、チューターリングの講義では、審判員の指導においては、相手を認め褒めて長所を伸ばす事が大切であることを再認識できました。自信を持たせ相手を責めないことで、ミスを恐れずチャレンジできる審判員を育てる事ができると思いました。手法を確認するための「6ステップ」や優先順位を考えるための「ダイヤモンド9」、全体にイメージを掴むための「ドローイング」は、今後実践していきたいと思いました。そして、2日目。いよいよプラクティカルトレーニングです。私のチーム(5名)のテーマは、「ゴールを狙える位置からの直接フリーキック」で、チームで課題点の抽出や要因分析を行いました。具体的には、各自がフリーキックについての課題等を付箋に書き、共通する数個の事項から要因を抽出し、プランニングシートを作り上げました。そして、いざグランドへ。グランドに到着し、まずは、デモンストレーターの高校生に仕込みを行いました。こちらの意図を理解してもらえ、彼らはとても良いパフォーマンスができたと自負しています。しかし、審判員への指導については、課題が残りました。例えば、いろいろと盛り込みすぎたため、何を学んでもらうのかという焦点がぼやけてしまった事は反省点のひとつです。もう少しシンプルな内容で繰り返し実践してもらい、全員が共有できた上で適確な指導ができたら良かったと思います。この2日間の貴重な体験を今後の指導に役立てるとともに、自分のレフェリングにも生かしていきたいと思います。2日間ありがとうございました。
中園健太郎 2級審判員
本キャラバンでは審判指導者の強化・育成をテーマとし、来県されたJFAの泉インストラクター、脇山インストラクターのお二人を中心に御指導いただきました。まず、「チュータリング」に関する講義では、6ステップによる手順の確認、ドローイングによる理想像の追求、ダイヤモンド9による審判員指導者として必要な要素についての実践を行い、審判員指導者から審判員への個別指導によりお互いの信頼関係を築くことの大切さを学びました。審判員を否定するのではなく、認めて長所を伸ばし、自信を持たせて成功体験を与えることができるように実践していきたいと思いました。次に行った「競技規則のより正しい解釈の重要性」の講義では、競技規則の解釈への理解が浅かった部分に気付き、さらに理解を深めることができました。最後に「プラクティカルトレーニング」について、事前準備の重要性やトレーニングプラン作成上の留意点等についての講義がありました。その後、2グループに分かれてトレーニングプランの作成を含む実践を行いました。私達のグループのテーマは「オフサイド」です。いつもは審判員としてトレーニングを受ける側でしたが、いざ指導するとなると思っていたよりも難しく、審判員のレベルによる課題の分析、指導方法や指導のポイントを考えながらトレーニングプランを作成しました。トレーニングではタブレット端末を活用し、オフサイドラインのキープはできているか?オフサイドの判定は正しかったのか?など画像により確認しました。これにより参加した審判員の苦手な部分をお互いが確認でき、さらにそこを反復トレーニングすることにより、結果的にスキルアップにつなげることができたのではないかと思っています。今回の講義の中で「人は忘れる生き物である」というお話がありましたが、本キャラバンで学んだことを忘れることなく今後に活かしていきたいと思います。
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