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2017年シーズン 審判員・審判インストラクター表彰式を実施
2018年02月20日
2017年シーズンをもって勇退するサッカー1級・女子1級審判員、サッカー1級審判インストラクターの表彰式が2月10日(土)、神奈川県横浜市にて実施されました。
当日はS・1級審判インストラクター、1級審判員、女子1級審判員約380人が出席し、勇退者の功績をたたえました。また、新人賞となる浅見審判基金の表彰も行われました。
勇退者(審判インストラクター・審判員)
■審判インストラクター
髙田静夫 さん(在任期間:1995年~2017年/東京都)
並木克之 さん(在任期間:2011年~2017年/千葉県)
※50音順
■女子1級審判員
今泉奈美 さん(在任期間:2004年~2017年/福島県)
河添三代子 さん(在任期間:2008年~2017年/岡山県)
樽本好美 さん(在任期間:2002年~2017年/兵庫県)
間渕三香子 さん(在任期間:2015年~2017年/神奈川県)
※50音順
■1級審判員
青山健太 さん(在任期間:2009年~2017年/愛知県)
扇谷健司 さん(在任期間:1999年~2017年/神奈川県)
名木利幸 さん(在任期間:1996年~2017年/高知県)
藤田稔人 さん(在任期間:2005年~2017年/北海道)
前之園晴廣 さん(在任期間:2001年~2017年/埼玉県)
宮島一代 さん(在任期間:1998年~2017年/茨城県)
※50音順
浅見審判基金表彰
最優秀新女子1級審判員賞:荒川里実 さん(栃木県)
最優秀新男子1級審判員賞:大橋侑祐 さん(静岡県)
勇退者コメント
髙田静夫 元審判委員長・1級審判インストラクター(東京都)
今回勇退するにあたって、教訓めいたことをお伝えすることは難しいと考え、思いつくままに審判手帳や審判記録を見直してみました。
44年間、審判員、審判指導者として活動してきました。悩み、迷い、もうやめようかと思ったこともありましたが、それ以上に本当に多くの素晴らしい経験をさせてもらいました。
審判員として活動するにあたって、試合が終わった後に充実感や達成感を味わうことがあると思います。私はそれを越えて「幸福感」を感じた瞬間がありました。
国際審判員に選ばれた1984年シンガポールで開催されたアジアカップの決勝戦を主審として担当しました。無我夢中で試合を終えましたが、試合の内容はほとんど覚えていません。審判チームはよくやったと評価をされたことだけを覚えています。試合終了後に審判控室に戻るとき、一緒に試合を担当したイングランドの副審が「この決勝戦は我々審判チームとしても素晴らしい試合だった。審判チームでこの素晴らしい余韻に浸ろう」と声を掛けてくれました。フィールド上でイングランドの副審、スペインの副審と私の3人で肩を組んでしばらく試合後の表彰式の様子を見ていました。
私は「審判をやっていて本当によかった」と心から思えました。これは充実感や達成感を越えて幸福を感じた瞬間でした。
審判員は個人としての活動故に孤独を感じることがあると思います。ただ、仲間もたくさんできます。特に同年代の競い合った仲間と信頼できる関係が結べることは非常に大切です。人との繋がりからも、続けてきてよかったという思いがあります。
最後に審判活動を通じて大事にしていたことがあります。「常に誠実でありたい、潔くありたい、信念を持ち、決してブレない」という思いです。また、外から見た姿が影響を与えるという意味で、審判員としての「姿勢の良さ」を意識し、大切にしました。
審判にかかわる制度や環境も改善されてきています。今後も審判界は新しい試みにチャレンジしていくと思いますし、皆さんもそれぞれのチャレンジが続くと思います。審判員の立場から日本サッカーの発展を支えていっていただきたいと考えています。心から健闘を祈っています。
試合前に両チームのキャプテンに伝えていた言葉を送ります。
Good game. Good luck.
並木克之 1級審判インストラクター(千葉県)
今年度末をもって、審判指導者を退くことにしました。突然のように思われるかもしれませんが、仕事・生活・家族などの状況を合わせて、前々から思い悩んできた末の決断です。ですから、「勇退」などと言えるものではなく、お許しいただきたいことばかりです。ただ、1級の資格をいただいたことで全国大会での研修も経験し、関東では審判トレセンのコンタクトパーソンとして、若さあふれる審判員の皆さんとともに過ごす機会を得たことは、大きな喜びでした。この7年間という期間に出会い、そしてお世話になったJFA審判部の皆さん、全国のインストラクターの皆さん、そして審判員の皆さんに、この場をお借りして御礼申し上げます。日本サッカーの発展、そして皆様の益々のご活躍を別のところから、お祈りしています。ありがとうございました!
今泉奈美 女子1級審判員(福島県)
2004年から女子1級審判員として、さらに国際審判員として9年間活動させていただきました。昨年から家族のいる海外に移住することを決め、活動を休止にしていましたが今後のことを考え決断しました。これまで全力でやりきった、悩み抜いたという想いの一方で、寂しさもあります。審判活動を通して世界が広がり、多くの方々と出会い、かけがえのない経験をさせていただきました。そこには良いことばかりではなく辛いこと、苦しいことも多々ありましたが全ての思い出が財産です。
日本サッカー協会をはじめ審判部、インストラクター、審判員の皆さま、サポートしてくださった全ての方々に感謝いたします。
河添三代子 女子1級審判員(岡山県)
沢山のお世話になった方々へ、直接お会いして挨拶やお礼をすべきですがこの場を借りてご挨拶させていただきます。女子1級として審判活動をさせてもらった9年の間、活動が出来ないことも多く、正直悔しい思いをした時期の方が多かった気もしますが、本気でサッカーに向き合えた素敵な時間だったと思います。審判活動を通して、サッカーという競技に真摯に取り組む仲間に出会えたことを、本当に嬉しく思っています。今後、テレビや競技場で皆さんのご活躍を拝見出来るのを楽しみにしています。本当にありがとうございました。
樽本好美 女子1級審判員(兵庫県)
難病で審判を諦めた父の夢を叶えるため15歳で審判を始め、サッカー経験のなかった私は本当に沢山の方々に出会い学ばせていただき、あらゆる試合の笛を数多く吹かせてもらう毎日と情熱溢れる指導者に恵まれ、21歳で女子1級審判員になることができました。人のために選手のために何ができるかを常に考え審判に臨んでいましたが、けがの時期が長く、ベストコンディションでなければ選手に申し訳ないと葛藤する日々が多かったことを思い出します。そんな中、指導者の方々、先輩方にはいつもあたたかく声をかけていただき、励ましていただきました。審判をしていなければ決して出会えなかった大切な仲間に辛い時も支えてもらったおかげで楽しかった思い出の方が多く心に残っています。本当に感謝しています。そしていつも見守って応援してくれた家族にあらためて感謝しています。
現在、地元姫路を中心に初めて審判に触れる子どもたちに楽しさや喜びを伝えています。今後、私にできる形でサッカーに恩返しができればと思っています。
みなさんに出会えたこと、共にピッチに立てたことを誇りに思います。かけがえのない時間をありがとうございました。
間渕三香子 女子1級審判員(神奈川県)
女子1級審判員として活動できたのも、一重にこれまで支えてきてくださった日本サッカー協会・地域の方・先輩方・同期の皆様のおかげだと、心より思っております。短い期間でしたが、今まで本当にありがとうございました。
青山健太 1級審判員(愛知県)
1級審判員としての活動期間は短かったですが、インストラクターの先生方をはじめ多くの諸先輩方に大変お世話になりました。審判活動を通して得た皆様方との繋がりは私の人生の財産です。今後は2級審判員としてまたインストラクターとして引き続きサッカー界に貢献していく所存であります。今後ともよろしくお願い申し上げます。
扇谷健司 1級審判員(神奈川県)
本年度を持って現役活動を退かせていただきます。今までご指導いただいたインストラクター、アセッサーの皆様、審判活動にご尽力いただいている地域、各都道府県協会の皆様、JFA、Jリーグの皆様、そして何より私がかかわった全ての審判員の皆様、色々とお世話になりました。ありがとうございました。
最後は少し残念な形で退きますが、沢山の思い出が出来ましたし、沢山の方々に出会えたことは私の人生の財産になりました。現役の皆様、けがをしたら無理をせず、身体を大事にして一日でも長く現役活動が出来るよう励んで下さい。今後私も微力ながら皆様の活動をサポートしていきたいと思います。本当に、本当にありがとうございました!
名木利幸 1級審判員(高知県)
「今シーズンをもちまして、第一線を退くことを決めました」尊敬する中山雅史さんが45歳の時に使ったフレーズを使う日が来ました。1級審判員として21シーズン、力の無い私を我慢し使い続け、自分の実力をはるかに超えたサッカー界のトップレベルでチャレンジする機会をいただき、大変貴重な経験をすることができました。サッカーを通して様々な経験ができたことで人として成長をさせていただきました。審判活動を通して出会えた皆様、支えていただき、叱咤激励をいただいたこと、また、ご理解を賜りましたことも多く、感謝の念でいっぱいです。クラブ、選手、サポーター、協会、リーグ、審判仲間、アセッサー、指導者の皆様と共にピッチで過ごした時間は何ものにも変えることのできない大切なものです。このように培った経験は私自身大変誇りであり、自信でもあり、これから先の人生の支えになるものと確信しています。皆様とまたピッチでお会いできる日を楽しみにしております。ありがとうございました。
藤田稔人 1級審判員(北海道)
笛を握り始めて20年、1級になって12年、たくさんのよき出逢いに恵まれたことに心から感謝します。よき師匠に恵まれました。審判としてだけではなく、人間としても大きく成長することができました。そして、よき仲間に恵まれました。中央大学サッカー同好会の仲間、駆け出しの頃に菅平や波崎でお世話になった皆さま、東京FA・北海道FA・JFAの皆さま、各試合で共に汗を流した皆さま、レフェリーカレッジの講師や仲間、そして1級審判の仲間、さらには地元北海道の頼もしい若手など、枚挙にいとまがありません。最後に私の「笛」を成長させてくれたのは、多くの選手や指導者の皆さまでした。私は人間なのでたくさんのミスをしてきたかもしれませんが、現場の声が「笛」を成長させてくれました。現場の声を審判員は真摯に受け止めてほしいと思います。サッカーを通じて出逢った全ての方に感謝いたします。本当にありがとうございました。
前之園晴廣 1級審判員(埼玉県)
1級審判員を引退するにあたり、皆様に深く感謝申し上げます。23年前、所属チームから審判活動を勧められたものの後ろ向きな気持ちでのスタートでした。大好きなサッカーへの貢献と携わっている教育の場で役立つものになるのではないかと思い直し、真摯に取り組むことを決意しました。1級審判員としての16年間では、公務の関係上、制限がある中での活動となり十分に貢献することはできなかったかもしれませんが、自分らしく取り組み、さまざまな経験を通し人間的にも成長できた幸せな時間でした。あらためて支えていただいた多くの皆様に感謝申し上げるとともに家族に御礼を伝えたいと思います。50歳を一つの区切りとして、これからは立場を変えて、微力ながら日本サッカーの発展と教育現場への還元のために努めていきたいと思っています。本当にありがとうございました。
宮島一代 1級審判員(茨城県)
今まで大変お世話になりました。平日、それぞれの仕事をこなし、それぞれがトレーニングをして試合のための準備をし、週末になるとそれぞれの場所からスタジアムに集合し、チームがそろった瞬間に「この試合に全力を尽くす。この試合を素晴らしいものにする」という目標に対してベクトルが同じ方向を向きます。1級審判員とは、そういう集団なのだと思っています。そのような魅力的で、素晴らしい仲間と出会えたこと、その集団に19年間いられたことを宝物として、大切にしていきたいと思います。ほとんどの1級審判員が仕事を持ちながら、自ら環境を整え、審判活動を行っています。仕事と審判、「二足のわらじ」を履くことは本当に大変です。でも、両立していくことこそが「真のプロフェッショナル」だという気概をもって頑張ってほしいと思います。ご指導いただいたインストラクターの皆様、いつもサポートしていただいた審判部の皆様、一緒に組んでいただいた審判員の皆さん、長い間本当にありがとうございました。
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