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第24回JFAレフェリーキャラバンを秋田県で開催

2017年03月24日

第24回JFAレフェリーキャラバンを秋田県で開催

JFAレフェリーキャラバンを3月18日(土)、19日(日)に秋田県秋田市で開催し、審判員と審判インストラクター32名が参加しました。今回のレフェリーキャラバンでは、「インストラクターがプラクティカルトレーニングを計画、運営、指導できるように」というテーマを中心に、プログラムが構成されました。

参加したインストラクターは事前研修を経て、準備をしてレフェリーキャラバンに臨みました。1日目の講義では、伊藤力喜雄インストラクターが中心となり、指導者を対象にチュータリングをベースとした指導方法や“伝え方”を意識しながら学ぶ内容でした。審判員を対象としたコースでは石山昇インストラクターの主導のもと、競技規則のクイズ、レフェリーやサッカーの歴史などを楽しく学びました。

2日目のプラクティカルトレーニングでは、秋田商業高校サッカー部の皆さんに協力いただきながら、インストラクターは準備してきたプラクティカルトレーニングを実施し、1日目のチュータリングの内容を生かしながら指導していました。

最後に、インストラクター、審判員が一緒になり、競技規則での疑問点などを共有しながら正しい解釈を学び、レフェリーキャラバンが終了しました。

JFAインストラクターコメント

伊藤力喜雄 S級審判インストラクター(青森県)
まだ雪の残る秋田県で開催された第24回レフェリーキャラバンは、47FAのちょうど折り返しとなる記念すべきものとなりました。今回、参加者した審判員の中には、女子を含むユース4級審判員もいて初々しさがあり新鮮でした。本格的な審判研修会に初めて参加したという審判員もいて、最初は堅い雰囲気がなかなか取れませんでしたが、石山インストラクターの巧みな人心掌握術により、徐々に雰囲気も良くなりました。レフェリー・サッカーの歴史の解説、趣向を凝らした競技規則テスト、プラティカルトレーニングなどを通じて、参加者が良い刺激を受けたと思います。特に経験の浅い審判員に取っては、新しく多くのことを学べた機会であったと思います。

審判指導者の皆さんには、チュータリングという新たな指導法とその狙いについて、ダイアモンドナイン、フィッシュボーンなどの手法を用いながら説明しました。グループワークを中心に実践してもらいましたが、今後の指導の参考にしていただければ幸いです。また、プラティカルトレーニングは、屋内運動場の限られたスペースの中、各指導者が事前に準備したプランを実践するに当たって、現場で臨機応変に修正を加えながら審判員に対して熱心に指導してくださり、有意義なセッションとなりました。

結びにご協力いただきました秋田県の皆さんに感謝するとともに、今回のキャラバンに参加した審判員、審判指導者の皆さんの経験が、今後の秋田県の審判レベルの向上に繋がることを期待しております。ありがとうございました。

阿久津憲仁 レフェリーフィットネスインストラクター(東北地域)
今回、フィジカル理論のパートを担当し、レフェリー向けにレクチャーを実施しました。はじめに、なぜレフェリーはフィジカルが大事なのか?ということを説明し、その後に①スタミナ&パワー②アクセラレーション(加速力)③ディセーレーション(減速力)④コーディネーションの主に4つのテーマで話をしました。日頃のトレーニング方法についても、それぞれの職場やトレーニング環境の違いから、陸上トラックやサッカーコート以外で実施する場合の事例なども話すことができました。最後に、フィジカルは自分との戦いがポイントになることを伝えて60分のセッションがあっという間に終了しました。

参加者がユース含め4級から2級と幅広かったのですが、普段聞いたことがない話なのか、全員が前向きにレクチャーを聞いていた姿は非常に好感が持てました。今後、具体的なトレーニング方法などもアドバイスできるよう、自分自身も勉強しながら地域の発展に貢献できればと思います。

受講者コメント

正木修一 秋田県サッカー協会審判委員長
ここ数年全国レベル、東北地域レベルの大会が多くなり、審判員や審判指導者は繁忙を極め、その割にはレベルアップや達成感が感じられていなかったのではと危惧しているところでした。このタイミングでレフェリーキャラバンを開催できることは、シーズン直前ということもありますが、本当に良い機会になったと思っています。

初日は若手の審判員にあわせた内容で歴史や競技規則クイズなど興味を引く内容で、まずは楽しさが最優先されたようでした。指導者にはチュータリングから始まり、これまで経験する機会の少なかったセッションで、グループが意見を出し合い結果を出していくというもので、考え方の違い、あるいは同様の結果がでることもあり興味深いものでした。

2日目はプラクティカルトレーニングの実践で、2回目の打ち合わせ時の事前研修以降、指導者にはプランニングに取り組んでもらいました。テーマはあるものの更にどこに焦点を当てていくのか、審判員のどこをどのように指導改善していくのかなど、指導者には奥深いものとなり、振り返りでの指摘は貴重な体験となりました。

今回のレフェリーキャラバンを契機とし、審判員、審判指導者の意識が変わり、新たな気持ちでのチャレンジに繋がってくれればと思っています。我々委員会も一過性としないための方策を考え計画し、知識や技術の向上のみならず、一社会人としてサッカー、審判に携わる人材育成に努めて参りたいと思っています。

今回のレフェリーキャラバンや、事前研修会に参加いただきご指導いただいたJFAのインストラクターの皆さんに感謝とお礼を申し上げますとともに、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

一関修二 3級審判インストラクター(秋田県)
2日間のレフェリーキャラバンでは全ての時間に刺激があり、本当に多くの学びがありました。始めに将来構想プロモーションのテーマの中で、地域審判トレセンの再構築についての話題があり、各地区におけるインストラクターの役割がより一層重要になっていくことを知りました。

その後のセッションでは、ラーニングサイクルやチュータリング、プラクティカルトレーニングなど実践的な内容をご教示いただきました。特にプラクティカルトレーニングでは、目的を明確にすることや振り返りにより解決することの重要性を感じながら経験することができました。また、コーチングではなくチュータリングにより、審判員が自ら考え理解が深まることを実感できました。自分の指導がいかに「何となく」「曖昧」なものであったかと考えさせられました。自分自身がどのような方向性で指導に当たればよいのか、道筋が見えたような気がします。印象的だったのが、石山インストラクターが常に相手から考えを引き出すように対話をしていたことであり、研修をより深いものにしていたと感じました。

JFAのインストラクターの素晴らしい人間性に触れ、楽しく充実した研修でした。今回の研修で得た様々な手法や情報をしっかりと地元にフィードバックし、より良い審判員を育成していきたいと考えています。2日間の充実した貴重なキャラバンに本当に感謝申し上げます。

渡部一弥 2級審判員(秋田県)
今シーズンがスタートするこの時期にキャラバンを開催していただきました。座学では、競技規則の理論について「なぜ?」と問われた時に答えることが出来ない場面が多くありました。なんとなく理解はしているが、競技規則の理論を正しく理解した上で審判活動を行わなくては、説得力のあるレフェリングはできないのだと改めて思い知らされました。

プラクティカルトレーニングでは、複数のインストラクターの方から同時にご指導いただける滅多に無い良い機会となりました。事象が複雑になるにつれ、判定の際に焦ってしまう自分がいました。審判をするにあたり、予測し準備をすることがものすごく大切だと感じました。

今後も私たちは、地域や秋田県のサッカーレベルの向上ために、審判員として寄与していきたいです。我々審判員に求められている「サッカーの魅力を最大限引き出すよう、試合環境を整備し、円滑な運営をする」という目標を常に心に抱きながら審判活動を行っていきます。最後に、今回秋田県でのキャラバンを開催するにあたり、準備から運営に携わっていただいた多くの関係者の方々に感謝を申し上げます。

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