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「デフサッカー審判講習会」を開催
2016年05月09日
「デフサッカー審判講習会」が4月30日(土)、東日本ろう者サッカー連盟と日本サッカー協会(JFA)との共同企画により、品川区大井ふ頭中央海浜公園 第二球技場で開催されました。関東地区の審判員とろう者サッカー関係者など合わせて22名が参加しました。
講習会は、国際審判員の山内宏志氏と元プロフェッショナルレフェリーの吉田寿光氏を招いて、講義と実技、実際の試合を見てもらうという3本立てで行われました。
講義は障がい者サッカーと審判員との関わりについてのお話から始まり、デフサッカーの特性を理解した審判方法が説明されました。コミュニケーションスキルの考え方として、非言語(ジェスチャー、ポスチャー)や言語(手話、口話)、アイコンタクト、タイミングといった様々なスキルを用いて、伝わるコミュニケーションとは何か考えさせられるものとなりました。ろう者と聴者がコミュニケーションを取る機会は少ない中、4~5人のグループに分かれてディスカッションを行い、それぞれ筆談をしたり、ジェスチャーを用いてやり取りし、時間が足りないほど楽しい雰囲気となりました。また、イングランドサッカー協会が実施している障がい者サッカー審判員体制の現状と、今後国内でも同様の体制を構築していくためのカテゴリーが紹介されました。
実技ではグラウンドに出て、笛と旗を使ってあらゆる判断要素を取り入れたトレーニングのレクチャーがありました。旗を上げるタイミングや上げる方向はどちらなのか、とても考えさせられるものがあり、笑い合ったり助け合ったりする場面がありました。
同会場で「第15回EJDFAデフリーグ大会」(主管:東日本ろう者サッカー協会)が行われ、決勝戦では山内氏が笛と旗を持って、主審を務めました。参加者は講義と実技で学んだポイントを思い出しながら観戦しました。
ろうの参加者からのある質問に対し、山内氏と吉田氏から「Jリーグでもスタジアムの歓声が大きく聴覚だけで対応できない時は、アイコンタクトの取り方やポジションの立ち位置を考えている」という貴重なお話がありました。
講師コメント
山内宏志 国際審判員
講習会の講師も、気配り・配慮・臨機応変さなど審判員と同様に要求されると感じました。審判法については基本技術にプラスして、デフサッカーに特化したものを作っていけるといいのではないかと考えています。旗を使う頻度の調整、アドバンテージの示し方、交代をスムーズにする方法、ゴール脇の役員のマニュアルなど、いろいろと課題が出ました。嬉しかったのは、多様な方々に参加していただいたこと、またその方々で混じり合って一緒にディスカッションや活動ができたことです。Diversityの尊重とInclusiveな環境は美しいですし、またサッカーらしい雰囲気でした。さらに、受講者から「このような講習会を他種目でもやっていけば良いですね」とのコメントももらいました。いま各団体で活躍されている方々でネットワークを作り、今回の講習会をプラットフォームにして進めていっていただけたら幸いです。
参加者コメント
植松隼人 東日本ろう者サッカー協会 事務局長
これまでデフリーグ大会の審判をしていただいた山内氏にもっと何かできないかなと相談をしたのが始まりでした。4月1日の日本障がい者サッカー連盟設立後、多くの審判員にろう者サッカーを知ってもらう場を設けたい思いもありました。中には過去にろう者サッカーの試合を審判した経験者やこれから関わるために講習を受けたいという方もいました。気兼ねなく聴者とろう者が一緒に講習を受ける場がこれからも必要となっていく中で実施してよかったなというのが本心です。実施した内容を他団体にも共有して、ゆくゆくは全国展開をしていけるように実現に向けて頑張りたいです。
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