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第11回JFAレフェリーキャラバンを北海道で開催

2016年01月29日

第11回JFAレフェリーキャラバンを北海道で開催

1月16日(土)から17日(日)にかけて、JICA北海道で第11回JFAレフェリーキャラバンを開催しました。今回は、昨年9月にJICA、JFA、Jリーグが連携協定を結んだ縁もあり、JICAの活動内容をJICA北海道市民参加協力課の二見伸一郎課長に伺う機会にも恵まれました。

北海道15地区から集まった2級インストラクターを対象に行われた北海道キャラバン。「集まる」と一口に言っても冬の北海道です。天候によっては不参加者が出ることも予想されましたが、片道6時間以上かかったという稚内、根室からの参加者を含め、全員が参加しました。

キャラバンでは、各15地区のリーダー的存在である2級インストラクターのスキルの向上をメインテーマとし、チュータリングを実施しました。多くの参加者が初めて知る手法のチュータリングでしたが、室外のマイナスの寒さとは対象的に、参加者は和気藹々と取り組み、熱気に包まれたキャラバンとなりました。

インストラクターコメント

石山昇 JFA S級審判インストラクター
今回は少し目先を変えた指導方法(チューターリング)をご紹介し、今後の審判員育成に役立てていただこうという目的で実施しました。知識や経験を教えること(ティーチング)に執着しがちな審判員の指導ですが、参加者の疑問点や課題と感じていることを「質問」することで引き出し、それを競技規則に沿ってどう解釈すべきなのか、参加者の意見を聞き出しながら「行動」させて自ら気付かせる手法(チューターリング)が、効果的な学びのテクニックだと感じていただけたらありがたいです。道産子はシャイだ とお聞きしていましたが、この二日間でそのイメージは払拭されました。「笑顔がないところには学びがない」と日頃から考えていますが、皆さんに笑顔で積極的に参加していただいたおかげで、とても気持ちよくキャラバンを実施できました。この手法がお気に召したら、ぜひ北海道で本格的に進めていただけると幸いです。

開催サッカー協会 審判委員長コメント

柳元良文 北海道サッカー協会審判委員長
今回はJFAの石山インストラクター、神奈川県の浅井1級インストラクターにお越しいただきました。講習会や研修会の持ち方、インストラクターとしてのセッションの持ち方、レフェリーの指導の仕方について、身ぶり手ぶりを交えた講義となりました。私たち指導者はややもすれば、学校の授業形式での知識、情報の伝達になりがちですが、そうではなく、講師、受講生も一緒に活動していく、学んでいく、という重要性を再認識することができました。こうしたスタイルの講習会、研修会、レフェリーの指導の仕方を今後、北海道でも広く伝えていければと思っています。

受講者コメント

村山尚哉 2級審判インストラクター/2級審判員
『チュータリング』は自分にとって本当に新たな手法でした。冒頭の石山インストラクターの英語スピーチでギクッとさせられ、続けて恋するフォーチュンクッキーのダンスでドキッとさせられましたが、そこから石山ワールドに引き込まれていきました。すべてのセッションが新鮮で、かつ納得させられ、2日間があっという間に、楽しく過ぎていきました。審判員との信頼関係を築き、気軽に発言出来るような雰囲気を作って引き出すことの重要性、ハイテクからローテクまでの道具をセッションごとに有効活用し、理解させることが印象的でした。なかでも課題の抽出(Q&Aの活用)とRecap(おさらいの重要性)に関しては、今後指導する上で大きなポイントになると実感するとともに取り入れるべき内容だと強く感じています。北海道でもより多くのインストラクターがこれらの手法を身につけ、今後の指導に繋げて結果を出せればと思います。

千田晋 2級審判インストラクター/2級審判員
サッカーは選手や審判員の「人格を形成する」ものであり、そのような教育活動を通して自分自身の「人間性」も磨かれていくものだと思って取り組んできました。今回のキャラバンに参加し、この考えがより深く、明確になりました。現代はどこかで決めた、決まりきった知識を、どれだけ早く平均的に身につけるかというかたちで,人を評価していると思います。審判員が自分の可能性を伸ばしていくときに、多くの知識をため込んでいなければならないかというと、必ずしもそうではないと思っています。簡単に手に入った「答え」はすぐに忘れてしまいます。でも仲間と一緒に、必死になって生み出した答えは、ずっと心にあると思います。そんな「きっかけ」をわれわれインストラクターがチューターとなり、審判員に寄り添い、審判員を大切に思いながら、つくっていくことができればと思います。「よどめば水は腐る」もの。時代の変化を受け入れながら、でも一方で当たり前のことを大切にしながら、前へ進む姿勢を大切にしていきたいと、本キャラバンで思いました。

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