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【ホットピ!~HotTopic~】フットサルに関わる全ての人が幸せになれるように~一般社団法人日本フットサルトップリーグ 松井大輔理事長
2024年12月06日
選手時代はサッカーとフットサル、両競技のトップリーグでプレーし、2023年5月に日本フットサルリーグ(Fリーグ)のアンバサダーに、今年6月に日本フットサルトップリーグの理事長に就任した松井大輔さん。今後どのようにリーグ、そしてフットサル界を盛り上げていくのか、話を伺いました。
※このインタビューは2024年11月19日に実施しました。
フットサル界全体で危機感を持つ
――2022年4月、日本フットサルトップリーグが設立されました。
松井 日本フットサル連盟からFリーグと女子Fリーグ(日本女子フットサルリーグ)に特化して、リーグの発展や選手の強化・育成、フットサルの普及や社会貢献などを進めていけるように新法人として活動することになりました。
――松井さんは今年6月に理事長に就任されました。
松井 昨年5月にFリーグのアンバサダーに就任し、フットサルの普及活動や子どもたちへの指導などを行ってきました。そうした中で理事長就任のお話しをいただきました。僕は選手時代の晩年に、引退後は子どもたちにサッカーを教えたい、自分が学んだものを下の世代に伝えていきたいと考えていました。そういう思いがある中で、幸運にもサッカーとフットサル、両競技のトップリーグでプレーする機会を得て、技術だけでなくいろいろな面でフットボーラーとして考えの幅を広げることができました。ですから、これまで関わってくれたフットサルの人たちへの恩返しというわけではないですけど、フットサルを広めていくお手伝いができればと思って、喜んで引き受けさせてもらいました。
――選手引退後に「理事長」の職に就くと考えたことはありましたか。
松井 全然(笑)。「理事長」という呼び方も堅いですよね。川淵(三郎)さんの「キャプテン」じゃないですけど、何か新しい呼び名がほしいなと考えています。「みんなの理事長」とか。公募で決めるのもいいかな、と。いずれにしても多くの人に興味を持ってもらえるようにしたいですね。
――理事長就任会見では「危機感」や「課題」という言葉を口にされました。
松井 以前はアイドルグループが次々とチームをつくるなど、フットサルは人気がありました。ブームと言ってもいいくらいに。それが落ち着くとともにメディアでも取り上げられる機会が減って、一部の熱心な人しか見ないような状態になってきていると感じます。ですから「このままでは衰退してしまう」「フットサル界全体で危機感を持とう」と誰かが言う必要があったんです。
「フットサルリーグは魅力的だと感じてもらえるよう、多くの人を巻き込みながら盛り上げていきたい」と話す
――任期2年で取り組むチェアズ・ミッション「petit à petit(プティ・タ・プティ/フランス語で「少しずつ」)も発表されました。
松井 ①クロスボーダー、②グローバルマインド、③ネクストジェネレーション、④ファンビルド、⑤ソーシャルグッドをミッションとして掲げました。①は世代や地域、サッカーとフットサルなどあらゆる垣根を越えて交流し、多くの人に知って、見て、応援してほしい、プレーしてほしいという思いがあります。②は特に欧州や東南アジアのチームや選手、ファンと交流しながら日本のフットサルを世界に広めていきたいと考えています。③については、若い年代のうちにもっとサッカーとフットサルの両方に取り組めるようにしていきたい。ブラジルやスペイン、ポルトガルなど強豪国の選手は15歳くらいまで両方に取り組んでいて、そこからそれぞれに良い選手が出てきています。④はいろいろな分野の人たちとコラボレーションしたり、インターネットなどをさらに活用したりしながらファンを、特に女性ファンを増やしていきたいと考えています。⑤は社会貢献活動ですね。これは本当に大事なことですから、もっともっとやっていきたいと思っています。
――チェアズ・ミッションを含め、今後どのようにリーグやフットサル界を盛り上げていきたいと考えていますか。
松井 シンプルですが、選手や関係者、ファン・サポーターも含めて、フットサルに関わる全ての人が幸せになれるようにしていきたいと考えています。Fリーグや女子Fリーグは楽しいな、魅力的だなと思ってもらえるように。そのためには、もちろんお金は重要ですし、いろいろな施策も必要になります。多くの人を巻き込んで、アイデアをいただきながら、みんなで盛り上げていきたいですね。
18シーズン目の日本フットサルリーグではバルドラール浦安が首位を快走。念願の初優勝なるか
学ぶ心を忘れてはならない
――現在は、理事長としてどのような活動をされていますか。
松井 少しでも多くの協力が得られるように、いろいろな企業にごあいさつに行ったり、さまざまな立場の人たちとお話ししたり、各地でフットサルの魅力を伝えたり、動き回っています。先日、Bリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)の島田(慎二)チェアマンとお話しする機会があり、同じアリーナ競技同士、とても勉強になりました。スポーツに限らず、多くの人と接しながら可能性を広げていきたいと考えています。
――理事長としての職務に慣れてきましたか。
松井 まだ慣れないですけど、面白いですね。一日中動き回って、いろいろ考えて、疲れて寝るというのが大事なことだと思うので、そういう意味ではとても充実しています。選手時代から与えられたものに対して100%以上で応えたいというのが僕の考え方です。フットサルやそこに携わる人たちへの恩返しもありますし、良い結果を出したいですね。
――フットサルを盛り上げるためには、代表チームの活躍も不可欠です。国際サッカー連盟(FIFA)は昨年10月、2025年11~12月に女子フットサルワールドカップを開催すると発表しました。
松井 うれしいことですね。代表チームが勝つことでフットサルが注目され、リーグも盛り上がりますから、ぜひとも優勝してほしい。代表チームが強くなるためには、ますます普及、育成が重要になってきます。日本サッカー協会(JFA)とも連携しながらやっていきたいと思います。
プレ大会を含め9シーズン目を迎えた日本女子フットサルリーグ。
2025年にはFIFA女子フットサルワールドカップの開催も決まり、より一層の盛り上がりが期待される
――今後、サッカーとフットサルが共に発展していくために、どのようなことが重要になりますか。
松井 日本ではまだサッカーとフットサルを分けて考えてしまいがちです。子どもたちが両方に自然に取り組めるようにすることが重要です。その中で、成長するにつれてどちらの競技に進むか子どもたち自身が考えればいい。そこにうまく導けるかどうかは、指導者の責任でもあります。ですから、両方を知っている指導者がより多く必要になってきます。僕自身も含めて、もっともっと勉強していかなくてはならないということですね。
――最後に、サッカーファミリーにメッセージをお願いします。
松井 子どもたちにサッカーとフットサル、両方をやらせてください。そして、その中で子どもたち自身が多くのことを考えられるようにしてあげてください。大人の皆さんもボールを蹴り続けてほしいですね。健康維持の側面からも体を動かすことは本当に大事ですから。われわれも「フットサル体操」などを考えながら、老若男女誰もが健康でスポーツを楽しめるように、これからもフットサルリーグを中心にやっていきたいと思いますので、ぜひご参加ください。
「エンターテインメントやアトラクションなどさまざまな仕掛けで一日中楽しめるアリーナを実現したい」(松井理事長)
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