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スポーツ救命ライセンス講習会をJFAハウスで開催
2023年05月31日
関東大学サッカー連盟は、5月20日(土)にJFAハウスで今年3回目となる加盟大学の社会人スタッフを対象とした「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。新規講習会には40名が参加して、全員が実技と筆記テストに合格することができ、ライセンスを取得しました。
講義では、熱中症や脳振盪(のうしんとう)などスポーツ現場で起こり得ることが多い事象についての対処法について学びました。実技では小グループ分かれて、心肺蘇生の中でも最も重要となる胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方、バックボードによる全身固定・搬送では、役割を変えながらさまざまな状態を想定した実践練習を繰り返し行いました。実践的な質問も多く飛び交い、活気ある講習会となりました。
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と簡易救命講習会である「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※AEDのご購入・リースは、「メディカル」の「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
インストラクターコメント
鈴木僚子さん(東京歯科大学市川総合病院/看護師)
今回は、午前中講義・午後実技のコースを実施しました。今回の受講生の皆さんは、種別は違っていてもスポーツに携わっている方々のためか、実際のアクシデントを想定する質問があり、フォームやAED手順などを修正してもスムーズに吸収されていました。医療従事者ではない方々に、手技などをお伝えする際は、なるべくわかりやすいよう心掛けていますがみなさんスッキリ終了できたでしょうか。また、参加意欲の気持ちの強い参加者さんと関わるのは、こちらが新鮮な気持ちになることができました。
通常のログロール(体位変換方法)よりも腹臥位からのログロールでは、笑いもありましたが大変さを感じてもらえたと思います。搬送方法も今回はバックボードのみでしたが、スクープや布担架などあるので、今後また参加した際にご質問いただければお伝えしたいところです。
今回の講習会は受講者のみなさんが、スポーツ関連の方々だったので、スポーツ現場で起こりうる事象に重点を置いて、お教えしましたが、通勤や散歩の際など日常生活でも活用できる内容ですので、とっさの緊急時にも今回の事を少しでも思い出して対応していただける事を願っております。
受講者コメント
白須真介さん(國學院大學蹴球部/監督)
この度、関東大学サッカー連盟主催のリーグ戦における医療運営の強化のために受講しました。本来であれば医療関係は、チームのメディカルトレーナーに任せますが本校は、専属のメディカルトレーナーがいないため私自身が講習会に参加することを決めました。
指導者として22年目を迎え、サッカー現場における最低限の医療知識は身に付けたと思っていましたが、今回受講してみてまだまだ知らないことがあることに気づきました。大学カテゴリーの指導者として、選手の成長をサポートすることは重要な役目だと感じており、それと同等に選手の安心安全な環境を作ることも必須条件だと改めて再認識しました。
今回の受講内容で心肺停止など命に関わる事態が起こってしまった時の対応として、体験型での心肺蘇生及びAEDの使い方を学べたことは、万が一試合や練習中に事故などが起こってしまった時に、速やかに対処できるリスク管理となりました。
最後に、我々指導者としてもメディカルトレーナーに任せるだけでなく、選手ファーストで未来の日本サッカー界を担う可能性のある選手の安全なピッチをつくることが大切であることを、参加者の各チームスタッフの方々と共有できた有意義な時間となりました。
川津博一さん(日本大学サッカー部/監督)
指導者として改めて命の重要性を感じる時間となりました。
避難訓練等において救急救命講習の経験はあるものの、サッカーの現場で起こりうる事象を講演に取り込んでいただいたことにより危機管理の重要性を再確認出来たと感じています。また、熱中症や脳震盪においては、事象を身近で見る機会もあることから指導者の対応が、対象者のその後を左右する重要な役割であることも認識出来ました。
複数人のグループで役割を変え反復して、実技をすることで、多くの学びを得ることが出来、一緒に受講した皆さんと声を掛け合いながら協力して進めることで、現実感が増すなど非常に有意義な実技講習でした。
今後は、グラウンド上で起きうる事象について、チーム内のすべての者が当事者意識を持てるようチームスタッフに講習を勧めることや、チーム全体で救急救命講習を受講する機会を設けるなど命の重要性を積極的に皆で考えていこうと思います。
このような機会を設けて頂いた関東大学サッカー連盟およびJFA関係者の皆様に感謝申し上げます。
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